フェラーリ初のPHEV(プラグインハイブリッドカー)『SF90ストラダーレ』が日本に上陸しました。販売価格は5,340万円のプレミアムカーですが、性能は歴代フェラーリのなかで一級品。パワーユニットはハイパワーのV8エンジンにモーター3基を使い、フェラーリV8史上最高のパフォーマンスを発揮する1台です。
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フェラーリ初のPHEV、SF90ストラダーレが日本初公開
昨今、スーパーカー及びハイパーカーの電動化がどんどん進んでいます。
EVではロータス エヴァイアやRimac C_Two、PHEVではマクラーレン P1やケーニグセグ レゲーラなど、軽く300km/hをオーバーし、なかには400km/h近い速さを発揮するモデルがハイパーカー業界を牽引。
フェラーリは2013年にいち早くハイブリッドカー『ラ・フェラーリ』を登場させましたが、この度さらに高性能な自社初となるPHEV SF90ストラダーレを発売。
2019年10月19日に、日本初上陸を果たしました。
SF90ストラダーレは、フェラーリのテストコース『フィオラノサーキット』のラップタイムで1分19秒を記録。
このタイムは、F8トリブートより約3.5秒も短縮する結果で、フェラーリ史上最速のマシンです。
フェラーリ・SF90ストラダーレとは
フェラーリ SF90ストラダーレは、2019年5月29日に発売されたリアミッドシップ2シータースポーツカーです。
スクーデリアフェラーリレーシングチームの90周年を記念して『SF90』と名付けられ、ストラダーレは「公道仕様車」を意味します。
現行F1マシンはコンパクトなV6ターボエンジンと回生システムにより発生する電力を使ったハイブリッドパワーユニットを搭載。
SF90ストラダーレがPHEVとなったのは、F1マシンのテクノロジーをフィードバックさせて、F1マシンのパフォーマンスをGTカーでも楽しめるようにしたのかもしれません。
日本で行われた発表会では、フェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒネル氏が登壇し、「SF90ストラダーレをひとことで表現するなら、F1技術による史上最も革新的なフェラーリであるといえます。」と表現しました。
価格は標準仕様で5,340万円、スポーツ仕様の『Assetto Fiorano』は、570万円程度プラスになるとされています。
V8ツインターボ+モーター3基で1000馬力発揮
SF90ストラダーレは、とにかくパフォーマンス主義で製作されました。
エンジンはF8トリブートに搭載されるF150型エンジンのボアを88mmまで広げたことにより、排気量を3,902ccから3,990ccまで引き上げ、吸気バルブの拡大や350barの直噴インジェクターを搭載し、ターボに新型コンプレッサーや電子制御ウエイストゲートを採用。
モーターはフロントに2基、リアに1基の合計3基で、シート背後に7.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。
バッテリーは、フル充電状態にすれば速度135km/h以下、加速0.4Gまでの操作で距離25kmのEV走行が可能。
走行モード選択は、eマネッティーノと呼ばれ、eドライブ、ハイブリッド、パフォーマンス、クオリファイから選択可能です。
ちなみに、eドライブはバッテリーとモーターのみの走行、ハイブリッドはデフォルトのモード、パフォーマンスはエンジン稼働し続けながらバッテリーへの充電を優先、そしてクオリファイはパフォーマンス重視のためモーターの最高出力を発生させ、PHEVのSF90ストラダーレの真骨頂ともいえるドライビングを楽しむことができます。
そのため、パワーはエンジンとモーターを組み合わせて最大1000馬力を発揮し、0-100km/h加速で2.5秒、最高速度は340km/hと、フェラーリ史上最速のクルマに仕上げられました。
派手さはないが390kgのダウンフォースを発生
デザインは、フェラーリ スタイリングセンターが担当し、今までのフェラーリにはない基本スタイルとなっています。
テールの高さを低く見せるために伝統の4灯テールランプは真円にせず、派手なエアロデバイスは装着されていませんが、250km/h時で390kgのダウンフォースを発生。
さらにダウンフォースを調整し、高速走行時に空力を最適化させる『シャット・オブ・システム』も採用されています。
フェラーリ初のタッチパネル式16インチフルデジタルスクリーンを搭載
フェラーリは、これまで機械式メーターと液晶メーターの組み合わせが一般的でしたが、SF90ストラダーレではフェラーリ初の16インチのフルデジタルスクリーンを採用。
走行に必要な情報は全てメーター内に表示され、タッチ操作が可能です。
40以上の新技術が搭載!
SF90ストラダーレの電子制御には40以上の新技術が搭載されており、そのいくつかは特許も取得しています。
例えば『eSSSC(エレクトリック・サイドスリップコントロール)』や、フロントモーターがそれぞれトルク配分を制御するための『RAC-e(電子コーナリング・セットアップ・レギュレータ)』も搭載され、4輪に最適なトラクションをもたらすことにより、街乗りからサーキットまで高いスタビリティを発揮。
新設計の8段オイルバス・クラッチ・トランスミッションは、変速を同型トランスミッション比で35%速くシフトチェンジすることを可能とし、都市部では-8%、サーキットでは-1%の燃費削減にも貢献してます。
フェラーリ・SF90ストラダーレのスペック
フェラーリ・SF90ストラダーレ | ||
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,710×1,972×1,186 | |
ホイールベース(mm) | 2,650 | |
乾燥重量(kg) | 1,570 | |
乗車定員(名) | 2 | |
エンジン種類 | V型8気筒DOHCツインターボ | |
総排気量(cc) | 3,990 | |
エンジン | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 574[780]/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 800[64.2]/6,000 | |
モーター | 最高出力(kW[PS]) | 162[220] |
トランスミション | 8速DCT | |
駆動方式 | AWD | |
タイヤサイズ(リム幅) | フロント | 255/35ZR20(9.5J) |
リア | 315/30ZR20(11.5J) | |
パフォーマンス | 0-100km/h加速 | 2.5秒 |
0-200km/h加速 | 6.7秒 | |
100-0km/h減速 | 29.5m未満 | |
最高速度 | 340km/h | |
価格 | 5,340万円 |
まとめ
SF90ストラダーレには7年間のメンテナンスプログラムや、走行距離制限なしの2万km間隔または1年に1回の定期メンテナンスサービスが提供されるなど、アフターサービスも充実しています。
購入予定者へのデリバリーは、来年の秋から冬にかけてオーナーの元へ直接納車になる模様。
5,000万円以上するクルマだけに、購入者はあまり燃費を気にしていないと思われますが、強烈な加速力と最高速を発揮しつつ、燃焼機関を搭載しても燃料消費量を抑えてCO2排出量を低減させる技術は、かなり先進的。
フェラーリ車両の電動化のシナリオは、SF90ストラダーレから本格始動していくのかもしれません。
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