V8フェラーリの最新モデル『F8トリブート』を紹介!F8トリブートは、フェラーリ458の登場から10年目のビッグマイナーチェンジにより、軽量化とパワーアップを達成しました。スーパーカーの電動化が進む中、純V8エンジンを楽しませてくれる希少な一台です。

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F8トリブートは純V8エンジンの最終モデルなのか

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もしかするとフェラーリ F8トリブートは、最後の純V8エンジンを搭載するガソリン車になってしまうかもしれません。

スーパーカーの電動化が進む中、今年登場した新型992型ポルシェ911も次期モデルからのハイブリッド化が噂され、『ラ・フェラーリ』や『SF90ストラダーレ』といったフェラーリの上級モデルにもハイブリッドやPHVが採用されています。

そんな中、フェラーリ F8トリブートは先代モデルの458や488GTBと同じくV8エンジンミッドシップやプラットフォームを継続し、軽量化とパワーアップを達成。

もちろん排ガス規制ユーロ6をクリアしています。

さらに、エンジンサウンドも改良され、エキサイティングなドライビングを楽しませてくれるなど、フェラーリファンを裏切りません。

フェラーリ・F8トリブートとは

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Ferrari_F8_Tributo

フェラーリ F8トリブートは、フェラーリが2019年のジュネーブモーターショーで発表したリアミッドシップスポーツカーです。

488GTBのビッグマイナーチェンジに伴って登場し、1975年発売の308GTB/GTSから40年以上の歴史を積み重ねてきたV型8気筒リアミッドシップモデルをオマージュした最新型。

搭載されたF154型エンジンは、メーカーラインナップの『GTC4ルッソT』と『ポルトフィーノ』、さらにマセラティの『クアトロポルテ』と『レヴァンテ』にも搭載されていますが、これら4台と比較してもF8トリブートは最もパフォーマンスが高く、レーシーな味付けがなされています。

フェラーリ・F8トリブートのエンジンは488GTBから50馬力のアップ

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2009年に発売されたフェラーリ 458イタリアは、4.5リッターの136型エンジンを搭載していましたが、2015年のアップデートに伴い488GTBが登場した際には、ターボ化されたF154型エンジンに置き換えられました。

そしてF8トリブートも、エンジンは488GTBから変わっていません。

しかし、F8トリブートのシャシーは458や488GTBと基本設計は同様ですが、488GTBのサーキット仕様として『スペルチアーテ』と『488ピスタ』の技術を踏襲。

488GTBよりも相当改良されています。

官能的なエンジンサウンドを実現

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488GTBは、458でNAエンジンだったのをツインターボエンジンへ置換したことで、フェラーリ独自の甲高いエンジンサウンドが失われたとフェラーリユーザーから不満の声があがることもしばしばありました。

そこでエンジンサウンドをエンジン回転数の上昇に伴い、正比例で高まるようにリファイン。

回転数が低回転から上がるにつれ2倍音、4倍音と高くなっていき、高回転域では488GTBよりハイトーンが目立つようにチューニングされました。

これによりNAエンジン時代の甲高い音が再現され、フェラーリファン納得の官能的なエンジンサウンドを実現しています。

488GTBに比べ40kgの軽量化

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F8トリブートの車重は488GTBから40kgの軽量化を果たし、このうちエンジンは18kgも軽くなっており、車体重量の軽量化に最も貢献しています。

また、ボディ周りにはリアウイングにプラスチック素材のレキサンを採用し、リアスポイラーをカーボン製に変更。

バッテリーはリチウムイオンバッテリーに変更され、オプションのカーボン製ホイールを装着すると、さらに40kgの軽量化となります。

ダウンフォースを大幅に向上させたエアロダイナミクス

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F8トリブートは、フロントバンパーからボンネットにかけて『Sダクト』を装備しています。

これにより、チンスポイラーから入ってきた空気がボンネットのダクト上から排出され、488GTBに比べてフロントのダインフォースが15%増加。

リアのテールエンドはダックテール状に跳ね上げられ、エアフロー&テールエンドのボディ形状により整流効率を高める技術が組み込まれています。

さらに、リアディフューザーの中央部分とその両端に電子制御で角度が変わるフラップを装着。

ハイダウンフォースとローダウンフォースの2段階で切替可能となっており、ハイダウンフォースでは488GTBに比べて25%高まる結果に。

エアロダイナミクスは、488GTBよりもかなり進化しています。

100km/h加速が3秒切り!

フェラーリ・488ピスタ / ©Ferrari

F8トリブートのパフォーマンスは、0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.8秒、最高速度は340km/hと発表されています。

これは、488GTBと比較すると、0-100km/h加速で0.1秒短縮、0-200km/h加速で0.5秒、最高速度は10km/h速い数値です。

このパフォーマンスはピスタとほぼ同等で、F8トリブートは標準モデルでありながら488GTBのレーシング仕様と同じ速さということ。

ゆえに、V8フェラーリで最速を誇るわけですが、今後ピスタのようなレーシング仕様が登場すれば、想像するだけでも恐ろしい速さを発揮するでしょう。

スペック

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フェラーリ・F8トリブート
全長×全幅×全高(mm) 4,611×1,979×1,206
ホイールベース(mm) 2,650
乾燥重量(kg) 1,330
エンジン種類 V型8気筒DOHCターボ
総排気量 3,902
圧縮比 9.6
最高出力(kW[PS]/rpm) 530[720]/7,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 770[78.5]/3,250
トランスミッション 7速DCT
タイヤサイズ(リム幅) 245/35ZR20(9J)
305/30ZR20(11J)

まとめ

F8トリブートの日本へのデリバリーは未定で、日本にいつ頃入ってくるかも明らかにされていません。

値段は約3,300万円からとされていますが、オプションでカーボン素材のパーツが多く設定されているため、トータルで4000万円近くとなることも視野にいれるべき。

今後、F8トリブートの後継モデルはハイブリッドが濃厚といわれているため、純V8エンジンが搭載されるのは、同モデルで最後。数十年先には、歴史に残る名車・希少車になるでしょう。

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