5ナンバーサイズのコンパクトSUV、トヨタ ライズとダイハツ ロッキーが発売されました。姉妹車である2台の、デザインや装備、コンセプトは、メーカーそれぞれで異なります。そんな2台の違いを解説します。

トヨタ・ライズ / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

2台の違いは顔だけ!?トヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーのどっちがいい?

ダイハツ・ロッキー / © Daihatsu Motor Co.,Ltd.

ダイハツとトヨタは、2019年11月5日に新型コンパクトSUV、トヨタ ライズとダイハツ ロッキーを発売しました。

両車両共にダイハツが開発・生産し、トヨタへOEM供給する形で、ライズをトヨタディーラー店で販売しています。

一見、フロントマスクのデザインのみの違いに見えますが、ダイハツ、トヨタそれぞれ差別化を図るために、グレードラインナップや装備、価格を変えて販売しています。

実は22年ぶりのフルモデルチェンジ!?

1990年式 ダイハツ初代ロッキー / Photo by harry_nl

今回デビューしたダイハツ ロッキーは、22年前に国内販売を終了した初代ロッキーの2代目モデルになります。

初代ロッキーは1990年に発売され、1.6リッター直4エンジンを搭載した3ドア4人乗りのクロカン4WD。

当時としては小型の本格クロスカントリー4WDは稀でしたが、スズキ エスクードが先に販売されていたことや本格クロカンらしい武骨なデザインが、国内市場から受け入れられませんでした。

また、1994年には新たな競合車にトヨタ RAV4が登場し、1998年9月にダイハツがトヨタの連結子会社になったことからロッキーとRAV4が競合するため、ロッキーの国内販売は終了となりましたが、海外では2002年まで継続販売されています。


トヨタ・ラッシュ / Photo by youkaine

ちなみに、トヨタ ライズの間接的な先代モデルとなるトヨタ ラッシュもダイハツからのOEM供給で、ダイハツは同車両を『ビーゴ』というモデル名で販売していました。

そのため、新型ロッキーの先代モデルはビーゴになるという見方もできます。

新型ロッキーの始まりはTMS2017発表のDNトレック

ダイハツ・DNトレック / © Daihatsu Motor Co.,Ltd.

新型ロッキーのコンセプトモデルとなったのが、2017年開催の東京モーターショーで発表されたDNトレックです。

DNトレック市販化の情報が出始めた当時、モデル名は再びビーゴとなることが噂されていましたが、ロッキーの名は当時を知るダイハツマニアにとって、懐かしく嬉しいネーミングでしょう。

ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズはタントに続くDNGA第二弾!

トヨタ・ライズ / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

ロッキーは新型タントに用いられたDNGAプラットフォームが採用され、フレームは硬くて薄いハイテンションスチールを用いた高剛性でありながら軽量な特性がウリ。

そのため、走行性能を高めるだけでなく、車重はFFで970~980kgと1トンを切り、重量税も安くてお買得です。

これに、ダイハツ トールやトヨタ ルーミータンクに搭載される1リッター3気筒ターボの1KR-VET型エンジンと、ダイハツ独自で開発したワイドレンジ比をもつD-CVTを組み合わせています。

4WD車にはダイハツが独自に開発した『ダイナミックコントロール4WD』を搭載し、ドライ路面運転時の発進や登坂でも前後タイヤ駆動力を適正化し、雪道など滑りやすい路面ではリアタイヤへ多めに駆動配分するように制御されています。

前後タイヤのトルク配分は、マルチインフォメーションディスプレイで表示可能。

予防安全装備は最新版のスマートアシストが全車標準搭載され、上級グレードにはBSM(ブラインドスポットモニター)やRCTA(リアクロストラフィックアラート)がオプションで設定されています。

さらに最上級グレードになると、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)が標準装備され、衝突回避やドライビングサポートも充実してます。

ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズを外装で比較

ダイハツ・ロッキー(ボディカラー:コンパーノレッド〈R75〉) / © Daihatsu Motor Co.,Ltd.

トヨタ・ライズ(ターコイズブルーマイカメタリック) / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

ロッキーとライズは、フロントマスクのデザインが異なりますがボンネットやヘッドライトは同一。

ロッキーは六角形のグリルとなりましたが、ライズは台形型となった大きなグリルに左右ヘッドランプを黒いラインでつなげ、間にトヨタのエンブレムを貼り付けているあたりは、トヨタ RAV4を感じさせるデザインです。

17インチのアルミホイールも、ロッキーは左右均等のスポーク、ライズは回転式スポークとデザインが異なります。

ボディカラーは、ロッキーに『コンパーノレッド』、ライズに『ターコイズブルーマイカメタリック』という専用色をそれぞれ設定し、それ以外は共通です。

ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズを価格で比較

トヨタ・ライズ / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

トヨタ・ライズ / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

ロッキーとライズは、グレードラインナップにより異なった装備が設定されているため、2台を比べれば若干の価格差があります。

ロッキーはライズにはないLEDフットイルミネーションとBSMを標準装備する最上級グレード『プレミアム』、一方でライズはスマートアシストを搭載しないエントリーグレード『X』を設定。

今からディーラーで購入すれば、納品はロッキーが2020年1月中旬、ライズは2020年1月上旬とされており、値引きは地域や季節により異なりますが、ナビ、ETC付きで2台とも15万円を限度にしています。

ダイハツ・ロッキー 価格
グレード 駆動方式 価格
L FF 170万5,000円
4WD 194万4,800円
X FF 184万8,000円
4WD 208万6,700円
G FF 200万2,000円
4WD 222万4,200円
Premium FF 220万円
4WD 242万2,200円
トヨタ・ライズ 価格
グレード 駆動方式 価格
X FF 167万9,000円
4WD 191万8,800円
X “S” FF 174万5,000円
4WD 198万4,800円
G FF 189万5,000円
4WD 213万3,700円
Z FF 216万円
4WD 228万2,200円

トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーのスペック

ダイハツ・ロッキー / © Daihatsu Motor Co.,Ltd.

トヨタ・ライズ ダイハツ・ロッキー
型式 FF:5BA-A200S
4WD:5BA-A210S
全長×全幅×全高(mm) 3,995×1,695×1,620
ホイールベース(mm) 2,525
室内長×室内幅×室内高(mm) 1,955×1,420×1,250
最低地上高(mm) 185
車両重量(kg) FF:970~990
4WD:1,245~1,255
駆動方式 FF/4WD
乗車定員(名) 5
エンジン型式 1KR-VET
エンジン種類 直列3気筒ターボ
総排気量(cc) 996
内径×行程(mm) 71.0×83.9
圧縮比 9.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 72[98]/6,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 140[14.3]/2,400~4,000
トランスミッション CVT
タイヤサイズ 195/60R17(グレードによっては195/60R16)
195/60R17(グレードによっては195/60R16)
燃費(km/L) JC08モード FF:22.8~23.4
4WD:21.2
WLTCモード 総合 FF:18.6
4WD:17.4

まとめ

ダイハツ・ロッキー / © Daihatsu Motor Co.,Ltd.

ロッキー/ライズについて知れば知るほど、「こんなSUVを待っていた!」とあ思った方も多いのではないでしょうか。

今流行りのトヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルよりさらに一回り小さく、今まで軽自動車やコンパクトカーに乗っていた方でも難なく乗れるサイズ感と適度なパワー感。

ガソリン車でありながらWLTCモードで18.6km/hまでの低燃費を実現し、重量税も自動車税も乗用車では最安値。

お財布にやさしいSUVです。

メーカーのコンセプトを見ると、ロッキーは若いカップルがレジャーに出かける雰囲気を全面に打ち出し、ライズはファミリーカーとして家族の移動や遊びに出かけるようなイメージを強調しています。

ブランド力や販売力ではトヨタのほうが圧倒的に優勢ですが、メーカーコンセプトからすれば、免許を取り立ての若年層が最初に乗るクルマとしてロッキーもおすすめできます。

また、デザインや装備が異なる2台から選べるというのも、大きな魅力の一つです。

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