2019年9月4日、ポルシェ初の100%電気で走るピュアEV『タイカン』が、北米、中国、欧州の世界3大陸で同時にワールドプレミアされました。その様子はライブストリーミングで配信されるなど、ポルシェがタイカンにかける気持ちは本気です!

ポルシェ・タイカン ターボS / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

4年越しのデビュー!ポルシェ・タイカンがデビュー

ポルシェ・タイカン ターボ / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

遂にベールを脱いだポルシェ・タイカン。

2015年フランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー『ミッションE』から足がけ4年、毎年のようにタイカンに関する情報が出回ってきましたが、遂に、市販モデルとして完成するに至りました。

ポルシェ・タイカンとは

ポルシェ・タイカン ターボ / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

ポルシェ・タイカンは、4ドアのEVスポーツサルーンです。

タイカンの名前の由来は、ポルシェのロゴに刻まれるシュトゥットガルトの馬の紋章で、トルコ語で「活気ある若馬」を意味する言葉となっています。

9月9日からドイツ ツッフェンハウゼ工場で量産され、発売時期についてはまだ発表されていません。

また、タイカンの正式モデル名は『タイカン ターボ』および『タイカン ターボS』で、2モデルともターボの名が付いていますが、モーターとバッテリーのみで駆動するため、ターボが搭載されているわけではありません。

ポルシェ・タイカンのエクステリア

ポルシェ・タイカン ターボ / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

ポルシェ・タイカン ターボ / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

タイカンのボディサイズは、パナメーラと911の中間ぐらいで、リアシートがセパレートとなった4人乗りです。

ヘッドランプの形状は、ポルシェの独特な丸形からは大きく異なり、新たなフロントフェイスを形作っており、どこかマクラーレン600LTや570Sのようなマクラーレンスポーツシリーズに似ているような気もします。

対照的に、リアは一直線となったリアランプが新型992型の911を彷彿させ、ひと目でポルシェとわかるデザインです。

屋根は全面ガラス張りで、住宅やオフィスビルに用いられる『Low-Eコーティングガラス』などを5層構造としたものを採用。

100%UVカットと夏は涼しく、冬は暖房のあたたかさを逃がさない特性をもち、車内にいても開放感にあふれています。

ポルシェ・タイカンのインテリア

© 2019 Porsche Cars North America, Inc.

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内装デザインはポルシェを感じさせる直線基調のデザインですが、かなりデジタライズされ、新世代EVモデルであることが実感できます。

メーターパネルには湾曲した16.8インチ液晶ディスプレイを採用し、ポルシェ伝統の丸型メーターを並べたクラシックモードのほか、ナビゲーションマップを全面に表示するフルマップモードなど、4種類から選べます。

インパネ中央には10.9インチモニターの設置と、助手席側のモニターはオプション設定。

センターコンソール上にある8.4インチモニターは、タッチパネル式になっており、空調、オーディオ、ナビゲーションの操作が可能です。

このように徹底してボタン類を排除し、操作性の良さとモダンなデザインを細部まで追及して設計されました。

「ヘイ!ポルシェ」でAI作動

メルセデスベンツやBMWが音声操作可能なAIを搭載していますが、タイカンではポルシェで初めて音声認識機能が搭載されました。

「Hey Porshe!(ヘイ ポルシェ)」と言えば、AIが作動しエアコンやナビ、オーディオなどドライバーのリクエストに応答してくれます。

ポルシェ・タイカンのパワーユニット

ポルシェ・タイカン ターボS / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

タイカンは『ターボ』と『ターボS』の2グレードを設定し、ターボSのほうが出力・トルク共に高く、ホイールが大径化された仕様になっています。

2グレードとも、永久磁石シンクロナスモーターを前後に一つずつ搭載し、ターボSでは最大750馬力を発揮。

トランスミッションはEV専用2速ATを搭載し、高速クルーズ時に2速を使用することで航続距離を5%改善しています。

また、バッテリーは93.4kWhの容量を確保し、WLTPモードにおける航続距離はターボで381~449km、ターボSで388~412km。

加速性能は約100km/hまでの到達時間は、ターボSで日産GT-Rニスモやポルシェ911GT2RSと同等の2.8秒。

ニュルブルクリンク ノルドシュライフェを7分42秒で走ります。

耐久性においても24時間連続走行テストを敢行し、充電時以外は走行を続けて3,425kmをノートラブルで走破しました。

世界初800V充電システムを採用

ポルシェ・タイカン ターボ / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

タイカンはEVで初めて800Vの急速充電を可能にし、約22分で80%までの充電が可能です。

さらに、CHAdeMO(チャデモ)規格に対応させ、日本導入の際はポルシェセンターと公共施設に設置が予定されています。

ちなみに、ポルシェの本社があるドイツや欧州各国にはすでに高速充電に対応する施設が設けられ、販売台数が見込める中国にも今後設置を予定しているようです。

スペック

© 2019 Porsche Cars North America, Inc.

タイカン ターボ タイカン ターボS
全長×全幅×全高(mm) 4,963×1,965×1,381 4,963×1,965×1,381
ホイールべース(mm) 2,900 2,900
乾燥重量(kg) 2,327 2,322
空気抵抗値(Cd) 0.22 0.25
最高出力(kW[hp]) 通常時 460[616] 460[616]
オーバーブースト 500[670] 560[750]
最大トルク(N・m[kg・m]) 848[86.5] 1,049[107.0]
ホイールサイズ 9.5Jx20 ET54 9.5Jx21 ET60
11.0Jx20 ET60 11.5Jx21 ET66
タイヤサイズ 245/45 ZR20 265/35 ZR21
285/40 ZR20 305/30 ZR21
最高速度(km/h) 259 259
1/4mile[約402m](秒) 11.1 10.8
0-60mph到達時間(約96km/h) 3.0 2.6
充電時間 9.6kW 交流[0から100%充電] 10.5時間 10.5時間
50kW 直流[5から80%充電] 93分間 93分間
270kW 直流[5から80%充電] 22.5分間 22.5分間
価格 150,900ドル
(約1,706万円|2019年9月10日時点)
185,000ドル
(約1,985万円|2019年9月10日時点)

まとめ

ポルシェ・タイカン ターボS / © 2019 Porsche Cars North America, Inc.

ポルシェ タイカンのライバルは、サイズや動力性能からテスラ モデルSだと考えられます。

モデルSは1,035万円で売り出されているため、比較すればタイカンはかなり高額。

といっても、伝統と格式のあるポルシェが作り出したEVプレミアムサルーンなので、当然でしょう。

これから電動化が進む自動車市場において、タイカンがポルシェブランドに恥じない存在感あるクルマになることは間違いありません。

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