ホンダ初のピュアEV『ホンダ・e』が、来年には発売が実現するようです。既に日産 リーフ、フォルクスワーゲン e-ゴルフなどの強力なライバル車が存在するなか、ホンダ eはそこに食い込めるほどのポテンシャルを持っているのでしょうか。

© 2019 Honda Motor Europe Ltd.

2019グッドウッドを走った!ホンダ初のピュアEV『ホンダ・e』の発売はもうすぐ

ホンダ初のピュア電気自動車、『ホンダ e』の走行シーンが英 グッドウッドフェスティバルでお披露目されました。

また、海外では一部の外国人ジャーナリスト向けに試乗会もおこなわれ、どうやら日本よりも海外での販売に力を入れているようです。

既に5月21日から英国、ドイツ、フランス、ノルウェーの4カ国では、オンライン予約の申し込みページが開設されており、予約金は英国では800ポンド(約11万2,000円)、ドイツでは800ユーロ(約9万8,500円)に設定。

まずは環境意識の高い欧州各国で売り込み、後に北米、そして日本で販売を開始するとみられます。

ホンダ・eとは

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ホンダは、2017年のドイツ フランクフルトモーターショーで『アーバン・コンセプト』を公開し、2019年スイス・ジュネーブモーターショーでアーバン・コンセプトから更に市販車へ近づけた『eプロトタイプ』を発表。

eプロトタイプから、スタイルを大きく変えることなく市販することが明言されました。

ホンダには、ハイブリッドやプラグインハイブリッドのラインナップはありますが、100%電気で走るEVはこのホンダ eが初。

一見クーペのようにも見えますが、4人乗りの5ドアハッチバックで、軽自動車を除いたホンダの乗用車としては、S2000以来の後輪駆動となります。

クラシックシビックを思わす可愛いルックス

© 2019 Honda Motor Europe Ltd.

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昔のシビックを彷彿させるクラシカルなプロポーションと、丸目のヘッドランプの組み合わせに可愛らしさを感じます。

コンセプトカーの段階から、親近感あるデザインは好評で、特に欧州からは大きな反響を得ており、欧州各国の街中にとても映える雰囲気です。

左上:プラチナムホワイトパール、中央上:チャージイエロー、右上:クリスタルブラック、左下:モダンスチールメタリック、中央下:クリスタルブルーメタリック / © 2019 Honda Motor Europe Ltd.

 

さらに、カメラ式のミラーや格納式ドアノブなど近未来的な装備が採用され、航続距離を稼ぐために走行時の空気抵抗を軽減。

カラーリングは『プラチナムホワイトパール』や『チャージイエロー』のほか、『クリスタルブラック』、『モダンスチールメタリック』、『クリスタルブルーメタリック』から選択できます。

ホンダ・eに乗り込めば5つの画面がずらり!高級な質感の内装

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内装では、インパネ部分に並べられた5画面のフルワイドデジタルコクピットが最大の特徴です。

5画面のうち、左右両端はデジタルミラーのライブ映像を映し出す6インチスクリーン、ドライバー正面は電力、充電状態、走行モード、安全機能の詳細など、運転に必要な情報を表示する8.8インチTFTメーターモニターが配置されています。

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センターコンソール上と助手席インパネに連続して配置される12.3インチLCDタッチスクリーンは、スマートフォンのようにスワイプコントロールが可能で、Appleの『CarPlay』、またはグーグルの『Android Auto』に対応しているので、ソーシャルメディアや音楽、インターネットサービスを楽しむことが可能。

道の駅やSAで充電中の停車では、Wi-Fiホットスポットを利用することが可能なため、インターネットに接続してメディアをダウンロードすることもできます。

「OK、ホンダ!」といえばAI機能作動

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メルセデスベンツやBMWなど、車内にAIを搭載して音声操作可能なクルマが続々と登場するなか、ホンダ eも『ホンダ・パーソナル・アシスタント』と呼ばれるAI機能を採用しています。

「OK、ホンダ」といえば起動し、質問や指示に応えてくれて、学習機能もあるため、使っていくうちにドライバーの好みの設定をAIが認識。

エアコンの好みの温度や、音楽などを勝手に設定してくれます。

ホンダ・eのパワートレインは

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ホンダ eのパワートレインは最高出力150PS、最大トルク300N・mを発揮して、0-100km/h加速は約8秒、最高速度は150km/hを達成しています。

注目のバッテリー容量は33.5kWhで、航続距離がWLTCモードで約200km、DC急速充電をつなげば30分で80%までバッテリーを充電可能です。

ボディサイズは全長3,900m、全幅1,750mm、全高1,495mm、ホイールべース2,500mm、車重は1,400kg。

最小回転半径はフィットよりも0.6m短い4.3mを実現し、シティーユースに使い勝手の良いサイズです。

リア駆動のためモーターは後方に、バッテリーは車体中央に配置され、前後重量配分は理想的な50:50を実現。

ステアリングに可変ギアレシオのVGAと4輪ストラット式サスペンションを搭載している上に、ホンダ得意の低重心設計が組み合わさり、高いスタビリティとキビキビしたコーナリングが期待できます。

タイプRも出す予定だった!?

© Honda Motor Co., Ltd.

ホンダ eの開発を担当したエンジニアは、開発当初からタイプR構想があったことを示唆しています。

しかし、まだ『ホンダ・e・タイプR』が発売されることは公にされていないので、ホンダ e発売後に期間をおいてからホンダ・e・タイプRの発売があり得るかもしれません。

約430万円を高くとる?それとも安くとる?

日産・リーフ / © Nissan 2019

販売価格についてはまだ、公式の発表はありませんが、日本では約430万円とされています。

日産 リーフが約320万円から購入できて航続距離400kmを達成しているのに対し、ホンダ eの価格はかなり強気の設定です。

内装に5つの液晶画面やAI、デジタルミラーなどを装備しているため、高額になったのでしょう。

ホンダは2020年春にホンダ eをデビューさせる予定としていますが、実際に走ってみて400万円の価値があるのか、続報に注目したいと思います。

まとめ

ホンダは、2025年までに欧州で販売するモデルすべてを電動化することを発表しています(ハイブリッドやPHVも含む)。

しかし、ホンダ eはホンダ初のピュアEVのため、ホンダがEV開発に対する技術力を表す重要なモデルです。

ハイブリッドやPHVはガソリンで走行できますが、EVとなれば車両の開発以外に充電ステーションの設置が必要など、まだまだ発展途上の分野です。

EV市場では米 テスラや独 フォルクスワーゲングループの存在感が目立ちますが、ホンダは電気自動車分野でトップクラスのメーカーに割って入ることができるのでしょうか?

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