スーパーGTに参戦するLEXUS GAZOO Racingは26日、2017年から導入する新型マシン「LC500」を初公開した。GT500クラスの車両規定が一部変更になることを受けて、レクサス勢はいち早くマシンをお披露目。来季は一体どんなところが変わるのか?今回は外観のみだが、現行マシンと新型マシンを比較して見ていこうと思う。

Photo by Tomohiro Yoshita

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ベース車両をLC500に変更、市販車は2017年春ごろ発売予定

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2014年からの車両規定変更に伴い、レクサス勢はRC Fで参戦。2014年には4勝、2015年には3勝を挙げてきた。

しかし、今年は日産GT-R勢の先行を許しているのに加えて、新型マシンを投入できる2017年はさらにベースの段階からレベルアップを図ろうと、LC500への変更を決断した。

このLC500はレクサスの新しいフラッグシップクーペとして今年1月にデトロイトモーターショーで発表。発売は2017年春頃になるという。

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この日は、数日前に組み上がったばかりというGT500仕様のLC500と市販モデルのLC500が登場。特にGTマシンに関しては完全に初公開ということで、多くのメディアが集まり注目を集めていた。

全体的に、RC Fとは異なりすっきりとした印象だが、ベース車両に似て前から見たときの強い存在感はレース車両でもしっかり引き継がれている。

 

2017年はどこが変わるのか?

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注目の来年から導入される車両規定の変更点については、発表会に出席した坂東正明会長がこのように説明している。

「2017年の特徴は、安全性のさらなる向上に焦点をあてて規則を変更しました」

「GT500は年々スピードを増しており、各サーキットのコースレコードを更新しており、コースレコードタイムを出してもQ1を突破できないほどのレベルです。まさに世界最速のツーリングカーレースであると自負しています」

「その一方で、行き過ぎたスピード競争がのちに大きな事故につながる懸念を抱いているのも事実。規則によってマニュファクチャラーやタイヤメーカーの技術進化に歯止めをかける考えはないが、今やGT500車両のコーナリングスピードは異次元の領域に入っていると言っても過言ではありません。そのため2017年車両の規則の見直しを図りました」

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確かに、規定変更後のGT500マシンは非常に早くなっており、特に鈴鹿では非公式ながら冬のテストで1分45秒台が出たとの情報も入ってきているほど。

実際に取材をしていてもフォーミュラカーと同じぐらいのコーナリングスピードを発揮しているのが特徴だ。

しかし、スピードが上がる分、万が一マシンがコントロールを失えば大きなクラッシュにつながり、実際に昨年や今年もインパクトの強いクラッシュが起きている。

幸いドライバーに大きな怪我はないが、今後もスピードアップが進んでいけば、さらに危険なクラッシュも懸念されるため、改めて規則見直しに踏み切ったようだ。

 

変更点1:ダウンフォース25%削減

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まずは、速さの源の一つとなっているダウンフォースの削減。フロントスプリッター、リアディフューザー、リアウイングの形状を変更し、全体で約25%のダウンフォース削減になるという。

実際にLC500を横から見てみると、前端と後端部分が小さくまとまっているのが分かると思う。

またリアウイングは富士スピードウェイのレースで使用されるロードラッグ仕様に近いデザインとなっている。

 

<現行規定の前端、後端はこちら>

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基本的にこういった部分は3メーカーとも共通パーツとなるため、日産、ホンダ勢の来年型マシンも同様のものになるだろう。

 

変更点2:コックピット内に後部隔壁

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2つ目は外観からは分かりづらいのだが、コックピットに後部隔壁の設置を義務付けるとのこと。これに伴いリアウインドウの素材にカーボンを使用してもOKということも付け加えられていた。

なお、このLC500に関してはまだまだテスト段階の仕様となっており、9月以降テストを繰り返して行って来年の開幕戦仕様に変わっていくとのことだ。

 

まとめ

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今回はLC500が一足先に登場。日産とホンダは最終戦もてぎ(11月)に発表予定だという。

おそらく日産は2017年バージョンに改良されたGT-Rをベースにし、ホンダは先日発表された新型NSXをベースにすると思われるが、それもアンベールの瞬間を迎えるまでは最終的にどうなるかは分からない。

残る2台も、どんな姿で登場するのか、非常に楽しみなところだ。

 

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