ついに発表となったHonda 新型NSX(NC1)。満を持してモデルチェンジをしたNSXですが、旧型とどの辺がどれくらい違うのでしょうか??スペックやデザインから分かる新旧の比較を紹介します。
NSXとは
1990年9月、ホンダはオールアルミボディの2シーターミッドシップスポーツカー NSXを世に送り出しました。
バブル全盛のこの時代、国内の自動車メーカーから贅を尽くしたスポーツカーが続々と発売されており、ホンダ NSXはその中でも飛び抜けた存在であることは間違いありませんでした。
初代NSX(NA1)の希望小売価格は最安値の栃木県でMT車800万円(税抜)・AT車860万円(税抜)と、1989年に先に発売されていた日産スカイラインGT-R(BNR32)新車小売価格が445万円(税抜)というのを考えると、群を抜いているのがわかります。
1992年11月にはNSX typeRが発売され、ここからのホンダのタイプRが始まりました。
その後、2度のビッグマイナーチェンジを経て、2006年初頭に生産を終了しました。
そこから経済危機などの関係から、次期型NSXが先延ばし先延ばしとなり、2016年8月25日に新型NSXの発表となったのです。
1型NA1
1990年9月に発売され、最も売れたのが初期型のNSXです。
ホンダお得意であり当時のスポーツカーの象徴でもあるリトラクタブルヘッドライトが特徴的で人気を博しました。
V型6気筒 C型3リッターのC30A VTEC(Variable valve Timing and lift Electronic Control system)エンジンを搭載し、最高出力はNA(自然吸気)ながら国内自主規制馬力の280馬力を達成していたり、オールアルミモノコックボディの採用など驚くことばかり。
地を這うようなスタイリングは他社のスポーツカーとはまた違い、多くのファンが魅了されました。
2型NA2/NA1
1997年2月にマイナーチェンジが行われ、エンジンが3リッターのC30Aから3.2リッターのC32Bに変更、6速マニュアルトランスミッションの搭載など、いわゆるビッグマイナーチェンジでした(AT車は3リッターのまま)。
ちなみにC32Bを搭載しているのがNA2で、C30Aを搭載しているのがNA1です。
ベースモデルの他に、快適装備を残したスポーツ志向の強いtypeSやtypeS zeroのグレードがあり、1型NA1typeRとの差別化を図りました。
3型NA2/NA1
2001年12月に2度目のマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトの固定化や各エアロパーツの変更、灯火類の変更等があり、これもまたビッグマイナーチェンジでした。
固定化されたヘッドライトには賛否両論ありましたが、性能重視を求めた所以とも言えます。
2002年5月にはNSXとしては2代目となるtypeRが発売、2005年にはその年から始まるスーパーGTのホモロゲーション取得のためだけに作られたNSX-GT(参考価格5000万円)を5台のみ販売していました。
新型NC1
2016年8月25日に発表となった新型NSXです。
生産はホンダの高級車メーカーに当たるアメリカ ACURA(アキュラ)で行われており、予定日本国内向け生産台数は100台とされています。
諸外国の高級スポーツカーに対抗すべくプレミアムスポーツカーとして生まれ変わった新型NSX。
車体の随所にホンダの拘りが詰まっており、高いと言われがちの車体価格ですが値段相応の仕上がりとなっています。
エンジンはJNC型で、同じくホンダのレジェンドに積まれているJNB(V型6気筒 J型3.5リッター)がベースとなっています。
それのヘッド部分をSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)からDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)に変更し、ツインターボ化しています。
レジェンドと同様にSport Hybrid SH-AWD(SuperHandring-AllWheelDrive)化されており、SH-AWDのシステム上、AWDでありながら前輪軸と後輪軸を繋ぐプロペラシャフトは存在せず、代わりにパワードライブユニット(PDU)がフロントにある2基のH3モーターと、リヤのエンジン側を繋いでいます。
エンジン側のH2モーターと合わせると合計3基のモーターを積んでいることになります。
新旧どの辺が違うのか??
スペック表を見る限り、大型・ハイパワー化が進み、いかにも現代のスポーツカーと言えます。
はっきりと言ってしまうと別の車ともなってしまったようなNSXですが、新型と旧型でどの辺が違っているのか、スペック表からでは分からない部分を比較してみます。
トランクルーム
走りとは全く関係のないところ?と思われがちですが、NSXを説明する上でトランクルームの存在って実は大きいんです。
と言うのも、旧型NSXでは横風対策の空力処理のためリヤのオーバーハング(横から見たとき、後輪の中心からリヤバンパーの端までを指す部分)を意図的に長くしています。
そのため、結果的に「ゴルフバッグが2個詰める」という副産物が生まれたそう。
これには賛否両論あり、「スポーツカーらしくない」など批判的な意見もありますが、「これだからこそのNSX」という意見もあり、好みが分かれるところです。
今回、新型NSXではトランクルームの容量はほとんど考えておらず、結果的に??あくまでも最低限の荷物を詰められるよう容量が確保されています。
また旧型ではエンジンフードとトランクは別体でしたが、新型では一体式となっており、他の高級スポーツカーを意識して作られているのが分かります。
ボンネットスペース
日本のミッドシップレイアウトの車体と言うと、フロントのボンネットスペースにはスペアタイヤが積まれていることが通例でした。
例に漏れず、旧型のNSXのフロントボンネットにもスペアタイヤが積まれており、リヤのラゲッジスペースが足りない時は、スペアタイヤを下ろして確保していた、なんてこともあったはず。
しかし新型NSXのボンネットを開けると、そこにあるのはモーターです。
ミッドシップでありながら、フロントに2基のモーターを積んでいるため、ボンネットスペースはみっちり詰まっているため、荷物は一切積めません。
そのため、スペアタイヤを積むことはできず、新型NSXではパンク修理キットが採用されたようです。
エンジンレイアウト
ミッドシップレイアウトなんだから旧型と大体一緒でしょ?とお思いのそこのアナタ。違うんです。
今回の新型NSX、日本の市販スポーツカー初のエンジン縦置きミッドシップレイアウトなんです(日産R390やトミーカイラZZⅡは市販されていないので除きます)。
旧型NSXはC30A、C32Bエンジンともに横置きのミッドシップで、JGTCやスーパーGTなどのレースシーンでは縦置きに換えられていました。
新型NSXではエンジンをキャビン側、トランスミッションをリアバンパー側となっており、フェラーリ 488GTBやランボルギーニ アヴェンタドールなどと同じレイアウトになっています。
これも速さや実績に裏付けされた所以とも言えます。
材質
オールアルミモノコックボディを売りに、当時としては贅を尽くした旧型NSX。
新型NSXではマルチマテリアルの前後スペースフレームと超高張力鋼板のモノコックキャビンが採用されており、ドライカーボンのルーフやリアスポイラー、アルミのボンネットやドアなど随所に軽量パーツが使用されています。
レクサス LFAのカーボンモノコックとはまた違い、計量化だけではなく剛性も兼ね備えたのが新型のNSXなんです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
満を持して発表されたホンダの新型NSX(NC1)。
生産終了から10年経つも、未だに衰えを感じない先代NSX(NA1/NA2)。
S660にNSX、またスポーツカーのホンダが帰ってきた、という感じでしょうか?
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