今季は非常に激しい王座争いとなっているF1。ドライバーズタイトルでは2014年以来となる最終戦で決着がつく事になりました。ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの2名がヤス・マリーナサーキットでワールドチャンピオンをかけて激突します。そこでレース前におさらいしたい、タイトル獲得の条件をまとめてみました!

©Pirelli

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対決3年目となるロズベルグvsハミルトンの王座争い

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シーズン前からこの両者が王座を争うであろうことは有力視されていましたが、予想以上の接戦となって最終戦を迎えようとしています。

シーズン前、王者の最有力候補には2年連続でチャンピオンに輝いているハミルトンが挙げられましたが、大方の予想を裏切る形でロズベルグが開幕4連勝し、43ポイントものリードを築きます。

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開幕戦から見事な4連勝を達成しガッツポーズを決めるロズベルグ(©Pirelli)

しかし、シーズンが中盤を迎えると3連覇を狙う王者ハミルトンが反撃を開始。

モナコで今季初勝利を手にすると、それ以降は4連勝を含む7戦中5勝の活躍でランキングを一気にひっくり返すことに成功。3連覇へ向け彼に主導権が渡ります。

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モナコを皮切りに怒涛の追い上げを見せたハミルトン(©Pirelli)

昨年の流れを考えるとこのままハミルトンが逃げ切るかと思われましたが、第16戦マレーシアGPでトップを快走中にまさかのエンジンブローで痛恨のリタイア。これで流れは再逆転。

一方のロズベルグはシンガポールGPと日本GPで優勝。マレーシアGPは3位になりましたが、秋のアジアラウンドで一気に65ポイントを稼ぎ再びランキングトップへ。これでハミルトンは自力での逆転王者の可能性を絶たれてしまいます。

それでも諦めずに再プッシュを開始。第18戦アメリカGPから3連勝を飾りタイトルへの望みを繋ぎました。

第20戦ブラジルGPを終えて、ロズベルグが367ポイント、ハミルトンが355ポイント。その差は12ポイントで、決戦の舞台は、最終戦アブダビGPにやってきました。

 

気になる両者のタイトル獲得条件は?

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現在のポイントシステムだと1位でも25ポイントしか獲得できず、両者がポイントを獲得することを想定すると、現状はロズベルグが優位に立っていると言えるでしょう。

分かりやすいタイトル獲得条件は以下の通りです。

 

ニコ・ロズベルグがチャンピオン決定となる条件

1~3位の場合    無条件で決定

4~6位の場合    ハミルトン2位以下で決定

7~8位の場合    ハミルトン3位以下で決定

9〜10位の場合    ハミルトン4位以下で決定

11位以下の場合   ハミルトン4位以下で決定

ロズベルグは表彰台に登れば、無条件で王座決定という優位な条件となっています。

ここまでの成績を考えるとそれほど難しくないように思えますが、初王座がかかっていることもあり厳しいプレッシャーがかかる1戦となりそうです。

 

ハミルトンが王座決定となる条件

1位の場合   ロズベルグ4位以下で決定

2位の場合   ロズベルグ7位以下で決定

3位の場合   ロズベルグ9位以下で決定

4位以下の場合 無条件でロズベルグがチャンピオンに

こうして見るとハミルトンは表彰台が必須ということがお分かり頂けるかと思います。

さらには、自身が優勝してもロズベルグが表彰台に登った時点で、王座の可能性は消滅してしまうという厳しい状況です。

しかし反対に考えれば、ひたすら優勝を目指してライバルの結果を待つという戦いもでき、プレッシャーがかかりにくいことから、F1では追いかける立場のドライバーが逆転で王座を掴んだ例が多くあるのです。

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最近では2007年のキミ・ライコネンが7ポイント差を逆転(当時の優勝は10ポイント)や、現在と同じポイントシステムでは2010年にはセバスチャン・ベッテルが最終戦で15ポイント差を逆転し王座を達成したこともありました。

逆転の可能性はまだ十分残されています。

そして、今回のタイトル争いは両者揃って多くの表彰台を獲得しているため、少し変わった現象が起こる可能性もあるのです!

 

両者のポイント差は12!両者が同点の可能性は2パターン…

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最終戦のアブダビGPを前に両者のポイント差は12ポイント。

そのため、追いかけるハミルトンは最低でもこの差を埋めなければ、逆転の可能性は消滅してしまいます。

すでにご存じかもしれませんが、現在のF1ポイントシステムをおさらいしておきましょう。

1位 25ポイント

2位 18ポイント

3位 15ポイント

4位 12ポイント

5位 10ポイント

6位 8ポイント

7位 6ポイント

8位 4ポイント

9位 2ポイント

10位 1ポイント

このようになっています。

では、両者がアブダビGPを終えた時に獲得しているポイントは以下の表の通りとなります。

F1 王座獲得条件

すると上の表を見ても分かる通り、同点になるケースが2通りあることにお気づきでしょうか。

・ケース1、ロズベルグが無得点でハミルトンが4位(12ポイント)の場合(367ポイントで並ぶ)

・ケース2、ロズベルグが7位(6ポイント)でハミルトンが2位(18ポイント)の場合(373ポイントで並ぶ)

ではこの場合はどのように王者を決めるのでしょうか?

 

同点の場合は上位入賞回数が多い方がチャンピオンに!

F1の規定では同点の場合、優勝回数が多い方がその年の王者となります。

優勝回数が同じ場合は2位の回数、それも同じであれば3位、4位と繰り返していきます。

では今季の両者の上位フィニッシュの内訳を見てみましょう。

F1 王座争い

今季は両者が9勝で並ぶ接戦となっています。

同点の場合は両者優勝していないことが前提となるので9勝のまま。つまり、優勝回数で王者を決めることが出来ません。

次に見る2位の回数では、アブダビGPを前にロズベルグが1回多く獲得しています。

すなわち、先述の367ポイントで並ぶケース1では、2位の回数が多いロズベルグの王座決定となります。

しかし、373ポイントで並ぶケース2の場合では一転して、ハミルトンが王者となるのです。

ケース2の場合はロズベルグが7位でハミルトンが2位という条件ですので、ハミルトンの2位の回数が加算され、両者が2位4回で並ぶこととなるのです。

となると今度は3位の回数が多いハミルトンが王者となるわけです。

ケース1とケース2のどちらでも同点で並ぶのですが、そのパターンによって明暗が分かれるという状況となっているのです。

同点でも王者が変わるなんて少し不思議に感じられるかもしれませんが2名が競い合った結果、このような珍しい現象も起こりうる大接戦となったのです。

 

まとめ

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このようにタイトル獲得条件を見ていくと、ほんの少しの差が明暗を分けることが分かります。

「あの時1つでも順位を上げておけば自分が王者になれた…」なんて事態も実際に起こり得るのです。

これこそが、ドライバー達が常に1つでも上の順位を目指す理由でもあります。

懸命に戦っているからこそ後悔はしたくないですからね。

さらにレースは「たられば」は無しの一発勝負です。

今季の熾烈なロズベルグとハミルトンの戦いが、如何に拮抗しているのかという証明でもあるのではないでしょうか。

F1最終戦アブダビGPは日本時間11月27日(日)22時(フジテレビNEXTでは21時30分から中継)からスタートです!

Motorzのツイッターアカウントではお馴染みのレース中のツイート実況も行いますので、是非合わせてご覧くださいね!

 

 

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