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モータースポーツ最大の晴れ舞台と言えばル・マンのような耐久レースか、それともF1のようなスプリントレースか?軽自動車にも耐久レースあれば短距離のスプリントレースあり、今回はそのスプリント系軽自動車レースをご紹介します!

出典:http://www.gt-produce.com/
新規格NA軽自動車の戦い!660選手権系

出典:https://sportsland-sugo.co.jp
そもそも軽自動車のレースは耐久レースこそ多数行われていたものの、1998年9月以前の旧規格軽自動車によるものがほとんどでした。
それらは安価でチューニングノウハウも確立されていたものの、
・改造範囲が無制限に近く、危険なチューニングもできてしまう例があった
・同じ理由で、パーツ代やタイヤ代が高価になる
・さらにナンバー付き車両では無い場合、積載車の必要が生じる
・勝てる車種が確立されており、見ていても新味が薄い
・ベース車が旧式のため安全性や耐久性に問題あり
上記の理由で、参戦するためにはハードルが高く、ノウハウを持ったレース系のショップなどを除くと、新規参戦が難しかったのです。
そのため、参加者の減少で軽自動車レース自体が自然消滅してしまうことを危惧した一部のレース関係者によって、新しいものが考案されました。
それが「新規格のNA軽自動車を使い、改造範囲も制限したナンバー付き車両のレース」です。
通称「660選手権」と言われ、まず東北から始まったのでした。
東北660選手権

出典:https://sportsland-sugo.co.jp
東日本大震災が発生した2011年に始まったのが「東北660」。
上級者向けと初級者向けでクラス分けを行い、初級者クラスはハイパフォーマンスではないセカンドクラスタイヤに限定されるなどチューニング範囲をかなり制限しています。
参戦費用も安価に収まり、ドライバーにとってもショップにとっても、「安価に新規参入が可能なレース」が最大の魅力。
初級者クラスで経験を積み、表彰台常連レベルとなれば上級者クラスに強制ステップアップするなど、バランスが取られているのもポイントです。
2014年で仙台ハイランド(宮城県)が閉鎖された事に伴い、現在はスポーツランドSUGO(宮城県)とエビスサーキット西コース(福島県)の2箇所で開催されています。
参加台数は50台以上と多く、まず予選を通過しないと決勝に進めないほどです。
事務局:東北660選手権大会事務局
KUMHO ECSTA GrandPrix 関西NA660選手権

出典:http://www.gt-produce.com/
東北に続き、西日本でも開催されるようになった660選手権レースをまとめ、2015年からシリーズ化したのが関西NA660選手権です。
基本的なクラス分けや車両規則は東北660に準じていますが、マフラー音量など若干規制が強化されています。
2016年は岡山国際サーキット(岡山県)、セントラルサーキット(兵庫県)、スパ西浦モーターパーク(愛知県)の3箇所で開催されました。
事務局:NA660実行委員会
JAF公認N1レース!GT66

出典:http://www.sccn.jp/
公道も走れるナンバー付き車両のレースは通称「Nゼロ」と呼ばれますが、では「N1」は何かと言えば、FIA/JAF公認N1車両規則に則って製作された、レース専用車両によるレース。
そして軽自動車のN1車両として2014年6月から開催されているのが「GT66」です。
参加台数が毎回少ないため、日産 K12型マーチによるN1レース「マーチレース」(かつては「マーチカップ」の名称で開催)との混走で開催されています。
2016年もツインリンクもてぎ(栃木県)、筑波サーキット(茨城県)、袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県)の3ヶ所で開催されました。
全国で開催!N-ONE OWNER’s CUP

出典:http://www.n-one-owners-cup.jp/
こちらはホンダ N-ONEのナンバー付き車両による、660選手権同様の「Nゼロ」レース。
現在も「無限」ブランドでホンダ車のアプターパーツやコンプリートカーを販売しているM-TEC内にある「Honda ワンメイクレース事務局」が主催となっている、JAF公認レースです。
レース規則や車両規則はJAF国内競技規則・JAF国内車両規則スピード車両規定に則った上でN-ONE OWNER’s CUPレース特別規則を追加しています。
FFのN-ONEターボによる完全ワンメイクとなっており、北はスポーツランドSUGOから、南はオートポリス(大分県)まで全国各地で開催中です。
毎回30~40台程度が参戦していますので、ワンメイクレースとしては現在でもかなり規模が大きい方でしょう。
走るのは改造範囲も小さく見た目ノーマルのN-ONEだけとはいえ、思い思いの工夫がこらされたカラーリングが為されており、観戦して目立つ車両の走りを追いかけるのも楽しそうですね。
K-UP MEET 2ペダル ラジアルスプリントレース

出典:http://k660.net/
こちらは軽耐久レースの記事でも紹介した、中山サーキットでの行われる360cc軽の祭典「サブロクミート」と併催される軽自動車イベント、「K-UP MEET」内の異色な2ペダル車レースです。
車両規則はシンプルで、基本はAT(3速や4速の多段式オートマ)、CVT、AGS(スズキのシングルクラッチ式セミAT)といった、クラッチペダルを持たない2ペダルの軽自動車。
ほかは「車検に通るナンバー付き軽自動車」で、ラジアルタイヤ使用(Sタイヤやスリックタイヤ不可)、エンジン内部改造不可というだけ。
安全装備(ヘルメット、グローブ、スポーツ走行に適した服と靴、4点式シートベルト)が必須なほかは、フルノーマルで参加可能です。
現在の軽自動車にはまだ素早い変速の可能なDCT(デュアルクラッチ式セミAT)採用車がありませんし、AGSの変速スピードは通常のMTほどではありませんから、なかなかいい勝負になりそうです。
クラス分けは過給機の有無とタイヤで3つに分かれ、合計10台前後が出走と、オートマ限定ながらそれなりに台数が集まってしっかりレースになっています。
2016年はなんと三菱 ekスポーツが2連勝を飾っており、他にも車種が多彩な事から、ノーマルに近いクルマで楽しんで走っている事がわかりますね。
K-CAR MEETING 軽カー最速SB日本一決定戦

出典:http://okayama.zimotylife.com/
西日本では軽自動車レースの祭典とも言うべき「K-CAR MEETING」というイベントが各地で開催されています。
その中では多数のスプリントレースが開催されており、先に紹介した「関西NA660」もそのひとつ。
他にもでもコペンやS660、HA36Sアルトターボ(ワークスとRS)によるワンメイクレースや軽トラレースが開催されています。
その中でも一番激しいレースが「軽カー最速SB日本一決定戦」です。
近年登場した軽自動車レースが「参戦しやすく敷居も低く」というコンセプトが多く、改造制限も厳しいのに対し、その真逆を行く何でもアリのレース!
パイプフレーム化して「軽自動車の形をしたレーシングカー」でも良いですし、スリックタイヤもOKでエンジン排気量アップももちろんOKと、とにかく無制限。
いわば、「とにかく一番速くて強い軽自動車を作ってかっ飛ばしたい!!」というチューナーやドライバー向けの、ストレス解消レースとも言えるかもしれません。
何でもいいから軽自動車で一番速いマシンは何だ!を決めるという、シンプルなレースが日本に1つくらいあってもいいじゃないか、そんな気がします。
主催:
(関西)株式会社サイドポンツーン
(東海)株式会社GTプロデュース
(岡山)岡山K-CARミーティング事務局(有限会社アシスト内)
まとめ
耐久レースとはまた違ったレースが並ぶ軽自動車スプリントレースの世界、いかがでしたか?
複数のドライバーでシェアする事で、参戦費用低減を狙える耐久レースやジムカーナなどと違い、スプリントレースだけは1人のドライバーによる純粋な戦い。
それは軽自動車でもF1でも変わりません。
それだけに参戦費用低減を狙ったレースが多く、そうしたレースのさらに初級者向けクラスでは、勝負するとしても非常に安価で参戦できます。
車両の準備とドライバーの安全装備まで込みで、初期費用100万円以内から始められるレース。
いつか本物のレースを走ってみたかった!という方は、まず観戦からいかがでしょう?
参戦しているショップなどをチェックして、その場でも後からでも声をかければ参戦のための相談にのってくれますし、レンタル車両を準備しているショップもあるかも?
手を伸ばせばそこに、憧れのレースの世界が。
それが軽自動車レースです!
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