TOYOTA Gazoo Racingが主催するワンメイクレースで、2000年から長年開催されているヴィッツレースに続き、ナンバーつき車両レース第2弾として2013年から開催されているのが86 / BRZレースです。かつて本格的なN1レース車両で戦われたアルテッツァレースとは異なり、ナンバー付きとはいえ熱い戦いが繰り広げられる、その魅力に迫りたいと思います。
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トヨタ・スバル合作の本格FRスポーツ誕生、これはレースをやるしか無い!
2007年にMR-Sが生産終了以来、一時的に途絶えていたトヨタの後輪駆動スポーツカーがスバルとの業務提携により、インプレッサのパワートレーンを使ったFRスポーツ「トヨタ 86 / スバル BRZ」という形で2012年にようやく復活を果たしました。
これはトヨタのスポーツカー復活に留まらず、かつてのAE86に相当するエントリーFRスポーツが、長年に渡るユーザーの悲願を受け入れる形で、ようやく復活したという事でもあるのです。
せっかく復活したFRスポーツ、公道の交通規則の中で楽しむだけではもったいない!ということで、これはレースをやるしかありません。
かつてヴィッツレース開始と時を同じくして開催されていた「アルテッツァレース」が2006年で終了してしまってから途切れていた、2リッターFRスポーツカーのワンメイクレースも復活したのです。
86 / BRZレースはナンバーつき!自宅との自走往復も可能
かつてのアルテッツァレースとの最大の違いは、「ナンバー付き車両」であることです。
アルテッツァではN1車両規定を基本としており、ナンバー無し車両で戦われたため積載車が不可欠であったため、それだけでレース参戦のハードルが高いものでした。
しかし、86 / BRZレースではレギュレーションの車両規定で明確に
”道路運送車両の保安基準に適合した有効な自動車検査証を有し、競技中においても保安基準に合致する状態でなくてはならない”
と定められており、同じく車両規定でナンバーについて”加工・変更等の改造は認められない”、つまり外したり装着位置を変更することも認められていないので、参加車両は全てナンバー付きということになります。
車両規定は他にも細かく定められていますが、要約すれば
- カスタマイズは公道を走るナンバーつき車両の範囲に限定。
- 「指定部品」を装着した上で、「認定部品」または「同一型式車両の純正部品」(輸出専用部品を除く)への交換は認められる。
- Sタイヤ(競技用タイヤ)の使用は禁止で、クラブマンは1メーカー1銘柄で指定されたタイヤのみ使用可能
- エンジンは封印されたもののみ使用可能
だいたいこのような規則となっています。
レース用車両でありながら、エアロパーツの追加装着や最低地上高9cmより車高を下げることも認められていないので、見た目は市販車同様で性能面での差もほとんど無い86 / BRZが、熱い戦いを繰り広げるのです。
見た目にベース車のイメージが残っているだけの高性能レーシングカーで戦うレースも魅力ではありますが、市販車そのままの姿で戦うレースが好きという人には、たまらないカテゴリーではないでしょうか。
「クラブマン」と「プロフェッショナル」の2シリーズ、どちらに出る?!
基本的にはJAFのA級ライセンス(条件つきながらASN発給の同様ライセンスでも可)を取得し、T.R.A(トヨタカーズ・レース・アソシエイション)のレーシングパスポートにドライバーと車両、封印エンジンを登録すれば、誰でも参加できます。
その上で、開催日程は同じですがシリーズは2つのクラスに分かれており、アマチュアドライバーであればどちらも参戦可能です。
クラブマンシリーズ
T.R.Aにプロフェッショナルドライバーと認定されていなければ、誰でも参加可能なのがこちらのシリーズです。
車両規定はプロフェッショナルシリーズとほぼ同様ですが、タイヤは1メーカー1銘柄の指定された、5種類のみが使用可能です。
ヴィッツレースと同様に、最大決勝出走台数を上回る参加申し込みがあった場合は公式予選で2組に振り分けてコンソレーションレース(決勝Bレース)が開催される事になっていますが、実際には開催されないレースもある様です。
また、参加費用が43,000円と安価な代わりに賞金の設定も低く(各大会の優勝で10万円、シリーズ優勝で100万円)となっています。これは、賞金目的のドライバーは「プロフェッショナルシリーズ」への参加を促す意味合いもあるのではないでしょうか。
2017年は開催される9大会10戦のうち、獲得ポイントの高い5戦の全得点を合計してシリーズ順位が決定されるため、近場のみスポットで参戦するドライバーにもシリーズ上位入賞のチャンスがある事も、このレースの魅力です。
プロフェッショナルシリーズ
アマチュアドライバーがT.R.Aに認定されたプロフェッショナルドライバーに挑戦する事ができるクラスがプロフェッショナルシリーズです。
タイヤは競技用のSタイヤやそれに準ずるとT.R.Aが認定したタイヤ以外であれば使用可能なのが、車両面でのクラブマンシリーズとの違いとなっています。
SUPER GTやスーパー耐久などで戦うプロドライバーに対し、腕試しをしたい上級のアマチュアレーサーが挑むことで、高い賞金(各大会の優勝で30万円、シリーズ優勝で300万円)やプロに挑んだ実績を得られるのです。
その分参加料も65,000円と高額で、参加申し込みが最大決勝出走台数を上回った場合は予選に落ちると決勝に参加できないのはもちろんですが、コンソレーションレースも開催されません。
また、2017年は9大会10戦のうち獲得ポイントの多い順から7戦のポイントが合計されるため、シリーズ上位に入賞しようと思うと全国で開催されるシリーズを追わなくてはいけないのもクラブマンとの違いです。
まとめ
ヴィッツレースよりも、さらにハイパフォーマンスなナンバー付きワンメイクレースは、そういった意味でかつてのアルテッツァレースとは、かなり異なるレースとなっているようです。
何しろ壊れたとしても、次戦までには公道を走れる状態にしなければならないので、レースもかなりジェントルな展開となっています。
その事からも、サーキットと自宅の往復を自走で済ませたいドライバーでも参加しやすいヴィッツレースの延長的存在となっているのです。
その上で、あくまでサンデーレーサーとして楽しむクラブマンと、プロに熱いバトルを挑めるプロフェッショナルシリーズが分かれているので、自分が目指す楽しみ方に合わせられるのもポイントだと思います。
86/BRZレースはヴィッツレース同様に、今後も長く続けてほしいレースの1つです。
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