日本で初めて「スペシャリティーカー」を名乗ったトヨタ・セリカ。スポーツ性とラグジュアリー性を追究したセリカはモータースポーツでも大活躍でした。そんな「スポーツ・スペシャリティーカー」の歴代モデルをご紹介したいと思います。

出典:http://blog.toyota.co.uk/history-of-toyota-in-world-rallying-1990s

 

スポーツ・スペシャリティーカーと呼ばれた車

©︎TOYOTA

「セリカ」とは、スペイン語で「天上の・神秘的な・神々しい」と言いう意味を持ちます。

1970年にデビューした初代セリカは、その名に相応しいフォルムと性能を与えられていました。

「スポーツ・スペシャリティーカー」と言う位置付だったセリカは、その後も世の中に新しいデザインとパワートレインを提案し続け、2006年の生産終了まで若者から年配の方まで、幅広く支持される車となりました。

そんな時代の最先端を突っ走ったセリカの歴代モデルを、懐かしいCMと共にご紹介していきたいと思います。

 

初代 A20/30型系 セリカ (1970年~1977年)

1970年式 T22型系 セリカ1600GT スペック
全長×全幅×全高(mm):4215×1620×1280
ホイールベース(mm):2425
車両重量(kg):1040
エンジン型式・仕様:2T-G型 直列4気筒DOHC
排気量(cc):1588
最大出力:115ps/6400rpm
最大トルク:14.5kg-m/5200rpm
トランスミッション:5MT

トヨタの大衆車であったカリーナのプラットホームを利用し、価格を抑えて最先端技術を惜しみ無く取り入れた2T-Gエンジンを搭載してデビューした初代セリカGT。

当時アメリカで爆発的な人気を誇ったフォード・マスタングのデザインを参考にした初代セリカは、今までの国産車にはない丸みをおびた形が人気を呼び、「ダルマセリカ」という愛称で親しまれていました。

若者から中高年の方まで、幅広い人気を得た初代GTセリカですが、デビュー当時、大卒の初任給が4万円の時代に約90万円という価格だったため、高嶺の花だったといいます。

そのため、GT以外のモデルも設定されており、好みのエンジン(1.4Lと1.6L)やミッション、内外装を選択できるフルチョイスシステムというユニークな販売方法を採用していたことも、初代セリカの特徴といえるでしょう。

1973年には、リフトバック(LB)と呼ばれるハッチバックスタイルと新たなエンジン(2.0L)もラインナップに加わり、GTグレードは2.0Lへ進化を遂げ、よりアメリカンスタイルを強めたLBは爆発的な人気となりました。

その後、1975年の排ガス規制対策のため、エンジンやボディに変更が加えられ、同時に1.4Lと1.6Lは廃止されることになり、1977年の生産終了まで2.0Lエンジンに統一されました。

革新的だった初代セリカは、排ガス規制などの時代変化に上手く対応しながら、日本の自動車業界に新たな風を吹き込んだ存在だったといえるのではないでしょうか。

 

2代目 A40/50型セリカ (1977年~1981年)

1977年式 A40型系 セリカ2000GTV スペック
全長×全幅×全高(mm):4410×1640×1300
ホイールベース(mm):2495
車両重量(kg):1090
エンジン型式・仕様:18R-GU 直列4気筒DOHC
排気量(cc):1968
最大出力:130ps/5800rpm
最大トルク:17.0kg-m/4400rpm
トランスミッション:5MT

1977年にフルモデルチェンジされ、2代目となったセリカ。

トヨタアメリカ(TMS)が担当したデザインである、クーペとリフトバックのスタイルはそのままに、空力重視のスタイリングが重視され、三次元曲面ガラスが日本で初めて採用されました。

レーシーなスタイルを与えられたこの2代目セリカは、1977年のF1日本GPでオフィシャルカーとしても活躍しています。

1.6L・1.8L・2.0Lと様々なエンジンバリエーションを持った2代目セリカは、1978年の排ガス規制にも対応し、1980年からは、リフトバックのGT系にはリアサスペンションをセミトレーリングアーム式変更し、進化を遂げています。

目新しい技術や先代からの大きな変化はなかった2代目でしたが、直線基調となったそのスタイリッシュな見た目を武器に根強い人気を誇ったのです。

 

3代目 A60型系 セリカ (1981年‐1985年)

1981年式 A60型系 セリカGT-TS スペック
全長×全幅×全高(mm):4435×1665×1310
ホイールベース(mm):2500
車両重量(kg):1110
エンジン型式、仕様:4T-GTEU 直列4気筒 DOHC
排気量(cc):1791
最大出力:160ps/6000rpm
最大トルク:21.0kg-m/4800rpm
トランスミッション:5MT

直線基調となり1981年に登場した3代目セリカは、クーペとリフトバックのスタイルはそのままに、日本で初めてにして唯一となるポップアップ式ヘッドランプを採用。

ショートノーズ・ショートホイールベースとなったこの3代目は、1.6L・1.8L・2.0L・2.4L(コンバーチブルのみ)という幅広いエンジンを搭載しており、クーペとリフトバックというラインナップを継続しながら、北米向けにコンバーチブルも生産されました。

この3代目セリカはモータースポーツ、特にWRC参戦を前提としたラリーベース車両となるGT-TSというモデルが開発・販売されており、ラリーでの活躍を見て感化された若者から絶大な人気を誇ったといいます。

3代目セリカは、そのスポーティーな見た目を裏切ることなく、モータースポーツで活躍を見せました。

 

4代目 T160型系 セリカ(1985年-1989年)

1986年式 T160型系 セリカ GT-FOUR スペック
全長×全幅×全高(mm):4365×1690×1295
ホイールベース(mm):2525
車両重量(kg):1350
エンジン型式、仕様:3S-GTE 直列4気筒DOHC16バルブターボ
排気量(cc):1998
最大出力:185ps/6000rpm
最大トルク:24.5kg-m/4000rpm
トランスミッション:5MT

歴代初となる前輪駆動方式が採用された4代目セリカ。

リトラクタブルヘッドライトはそのままに、なめらかな曲線基調となったデザインは、後のトヨタ車のデザインに影響を与えたといいます。

この4代目セリカから、リフトバックのみの設定となりました。

1986年には、トヨタ初のセンターデフ付きのフルタイム4WDシステムと、2.0Lエンジンを与えられたGT-FOURが誕生し、ラリーで大活躍をするのです。

また、トランクルームを持ったコンバーチブルも加わり、スポーツ・スペシャリティーカーと呼ぶに相応しいラインナップとなりました。

 

5代目 T180型系 セリカ (1989年-1993年)

1989年式 T180型系 セリカGT-FOUR A スペック

全長×全幅×全高(mm):4430×1745×1295
ホイールベース(mm):2525
車軸重量(kg):1460
エンジン型式、仕様:3S-GTE 直列4気筒DOHC16バルブターボ
排気量(cc):1998
最大出力:225ps/6000rpm
最大トルク:31kg-m/4000rpm
トランスミッション:5MT

ニューエアロフォルムと呼ばれる未来的なデザインとなった5代目セリカ。

プラットホームは先代を引き継ぎ、サスペンションが強化されています。

また、日本初となる、トルセンリミテッド・スリップデフが装着され、走りに特化したセリカが誕生しました。

ラリー参戦を目的として作られたラリーベースグレードとなるGT-FOURラリーには、クロスミッションが装着され、快適装備が外されているという、スパルタンな仕様となっていたのです。

前後がブリスターフェンダーとなったGT-FOUR Aも販売されるなど、ラリー目的として作られたセリカだと思わせる一方で、コンバーチブルも販売するなど、スポーツ・スペシャリティーカーとしてのあるべき姿を忘れることはありませんでした。

 

6代目 T200型系 セリカ (1993年-1999年)

1994年式 T200型系 セリカGT-FOUR スペック
全長×全幅×全高(mm):4420×1750×1305
ホイールベース(mm):2535
車両重量(kg):1380
エンジン型式、仕様:3S-GTE 直列4気筒DOHC16バルブ ターボ
排気量(cc):1998
最大出力:255ps/6000rpm
最大トルク:31.0kg-m/4000rpm
トランスミッション:5MT

3ナンバー化された6代目セリカは、よりスポーティーなモデルとなって登場しました。

トップグレードとなるGT-FOURはもちろん、ノンターボFFのSS-Ⅰ・Ⅱも抜かりない技術が投入され、スーパーストラットサスペンションやビスカスLSDなどが標準装備となりました。

大型スポイラーやミスファイヤリングシステムなどを搭載したWRC仕様車も販売されており、トヨタが並々ならぬ決意でWRCに参戦していたことを伺わせます。

コンバーチブルも販売されており、丸目4灯という可愛らしい見た目であったため、女性からも人気が高かったのがこの6代目セリカなのです。

 

7代目 T230型系 セリカ (1999年-2006年)

1999年式 T230型系 セリカSS-Ⅱ スペック
全長×全幅×全高(mm):4340×1735×1305
ホイールベース(mm):2600
車両重量(kg):1180
エンジン型式・仕様:2ZZ-GE 直列4気筒DOHC16バルブ
排気量(cc):1795
最大出力:190ps/7600rpm
最大トルク:18.4kg-m/6800rpm
トランスミッション:6MT

WRC参戦を意識した激しいモデルが印象的だったセリカでしたが、ターボや4WDのモデルがなくなり、この7代目よりややおとなしい印象となりました。

縦長のフロントライトや、直線基調となったデザインはセリカをより近代的なものに進化させていきます。

若者にも受け入れられ易いようにするため、シンプルで安価のSS-Ⅰと、スポーツモデルとなるSS-Ⅱに分けられた7代目セリカは、前輪駆動車にはあまり用いられないダブルウィッシュボーンをリアに与えられ、見た目だけではなく走りの面でもスポーツを追究できるモデルでした。

可能な限り低価格で「スポーツ」と「ラグジュアリー」をできるだけ両立させた7代目セリカは、シリーズの最後を飾るに相応しく、デビュー当初のコンセプトである「スポーツ・スペシャリティーカー」を貫き通したのです。

 

ダブルエックスという優越感

セリカにはXX(ダブルエックス)という上級モデルが存在しました。

2代目と3代目のセリカをよりラグジュアリーにしたモデル!それがXXなのです。

初代A40/50型 セリカXX (1978年-1981年)

1978年式 A46型 セリカXX 2600G スペック
全長×全幅×全高(mm):4600×1650×1310
ホイールベース(mm):2630
車両重量(kg):1180
エンジン型式・仕様:4M-EU 直列6気筒OHC
排気量(cc):2563
最大出力:140ps/5400rpm
最大トルク:21.5kg-m/3000rpm
トランスミッション:4AT

2代目セリカに直列6気筒エンジンを搭載した初代セリカXXは、フロントノーズが延長され、トヨタ2000GTを彷彿とさせるデザインとなっていました。

トヨタでは初となるオーバードライブ付きの4速オートマチックトランスミッションが採用され、内装にも高級感を与えられたXXは、セリカにはないラグジュアリーな雰囲気を持っています。

また、北米にも輸出されており、スープラとして販売されていました。

大卒初任給が10万円の時代に、190万円という販売価格となっていたXXですが、トヨタがそれだけ力を入れて世に送り出した車だということが伺い知れるのではないでしょうか

 

2代目A60型 セリカXX (1981年-1986年)

1981年式 A60型系 セリカXX  2800GT スペック
全長×全幅×全高(mm):4660×1685×1315
ホイールベース(mm):2615
車軸重量(kg):1235
エンジン型式、仕様:5M-GEU 直列6気筒 DOHC
排気量(cc):2759
最大出力:170ps/5600rpm
最大トルク:24.0kg-m/4400rpm
トランスミッション:5MT

2代目セリカXXは、直線基調のデザインとなり、リトラクタブルヘッドライトを採用するなど、空力を意識したスポーティーなデザインとなっていました。

初代がラグジュアリー志向だったのとは対照的に、スポーティーな雰囲気を持った2代目XXは、その優れた空力特製を活かして、200km/hオーバーを記録しています。

スポーティーなイメージの2代目ですが、走行可能距離や燃料消費量、目的地まての距離や時間を計算するコンピューターが搭載されていたり、デジタルメーターやオートドライブシステムなどの当時最先端とされた技術がふんだんに盛り込まれており、スポーティーかつラグジュアリーな仕様となっていたのです。

 

モータースポーツ

出典:http://blog.toyota.co.uk/toyota-gt86-ove-anderssons-celica

 

グループ5

出典:https://www.gtplanet.net/forum/threads/toyota-celica-a40-lb-turbo-group-5-1978.322069/

ドイツのシュニッツァーが初代セリカのリフトバックをベースにして製作したセリカLBターボは、グループ5仕様としてドイツツーリングカー選手権に参戦しており、並みいる強豪を相手に善戦したのです。

このグループ5仕様は後にトムスが日本に導入し、日本のシルエットフォーミュラーにも参戦していました。

この派手なシルエットに憧れを抱いた方も多いのではないでしょうか。

 

GT300

出典:http://ms.toyota.co.jp/

7代目セリカは、SUPER GTのGT300クラスに参戦していました。

駆動方式がFRに変更され、GT500に参戦していたスープラの技術を応用して非常に高い戦闘力を与えられた1台です。

2003年に2チームからエントリーしたセリカは、コーナリングで強さを見せ、デビューシーズンで4勝を挙げる活躍をみせています。

その後、2008年に撤退するまでの間、初年度程の活躍はできませんでしたが、後に活躍するGTドライバーを育成するという、重要な役割を果たしたのです。

 

WRC

©︎トヨタ自動車株式会社

セリカは初代から6代目まで、WRCに参戦しています。

3代目より、ラリー専用の車両が製作され、サファリラリーで3連勝を挙げるなどの大活躍を見せました。

初めて4WDを採用した4代目もラリーで成功しており、1990年にはカルロス・サインツと共に、日本車として初めてのドライバーズタイトルを獲得しています。

熟成を重ねた5代目は、1993年にドライバーズ・メイクスのダブルタイトルを獲得しており、セリカはラリーで大成功を納めたのです。

 

まとめ

出典:http://blog.toyota.co.uk/history-of-toyota-in-world-rallying-1990s

セリカ特集、いかがでしたか?

スペシャリティーカーとはこうあるべき、という姿を36年の長きにわたり世の中に知らしめてくれた車である『セリカ』。

現在は廃盤となってしまいましたが、その車に乗ることにより楽しさを感じ、ステータスさえも感ることができたセリカのような車がまた現れてくれることを願っている方は多いのではないでしょうか。

乗ってよし・見てよし・買ってよしという三拍子揃ったセリカの復活を期待したいものですね。

 

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