かつては名ドライバーを輩出した鈴鹿シルバーカップ・鈴鹿フレッシュマンレースの名を引き継いだ”鈴鹿クラブマンレース”。大きく分けるとフォーミュラークラスとツーリングカークラスに分かれ、そのトップ集団を走っているドライバー達はトップカテゴリーでも通用する顔ぶればかり。それもそのはず!鈴鹿サーキットには「鈴鹿を制する者は世界を制す!」という有名な言葉があるのです。今回はそんな鈴鹿クラブマンレースについて紹介したいと思います。
CONTENTS
鈴鹿クラブマンレースとは
鈴鹿クラブマンレースは、鈴鹿サーキットで開催される参加型モータースポーツです。
かつてはこのカテゴリーからステップアップし、トップドライバーの階段を登っていったドライバーが沢山います。
フォーミュークラス出身ドライバーの中にはF1まで上り詰めた人物も存在し、ツーリングカーであればSUPER GTのシートを獲得した方も。
また、近畿地方と中部地方出身ドライバーの多くはこの鈴鹿クラブマンレース出身であり、中には遠方であっても鈴鹿サーキット付近に引っ越して参戦する人も居たほど。
なぜなら、鈴鹿サーキットはF1ドライバーでさえ難関と頭を悩ませる日本屈指の国際レーシングコース。
「鈴鹿を制する者は世界を制す」という有名な言葉もあり、世界中のドライバー・ライダーがチャレンジしているのです。
そんな鈴鹿サーキットで行われるこのシリーズは、他のサーキットと比較するとレベルが高く、一般的に見れば登竜門カテゴリーとは言えないのが現状。
このカテゴリーで力を付けたドライバーはフォーミュラーであればF3へ、ツーリングカーであればSUPER耐久などへステップアップしていきます。
レースの流れ
鈴鹿クラブマンレースは、基本的にスプリントレース形式で行われます。
例外として真夏に行われるEndurance Stage(通称クラブマン耐久)のみ、耐久レ-スとして運営されているのが特徴です。
また鈴鹿クラブマンレースは、SUPER耐久やSUPER GTのように必ずフルコースでレースが行われるのではありません。
鈴鹿サーキットでは、フルコース以外に西コース・東コースと2つのハーフコースが用意されており、ハーフコースで開催する場合は反対側で2輪レースが開催されています。
そしてレースウィークはプラクティスを含めると2日もしくは3日かけて行われ、ハーフコースの場合は2日間のショートプログラムとなっています。
ちなみに、ハーフコース開催の場合は朝から予選を行い、午後から決勝が行われます。
カテゴリーが多い為に早朝からテンポ良く予選から消化され、午後から決勝が順次行われる流れです。
クラッシュ等の影響でタイムテーブルどおりに行く事はほとんどありませんが、1日で全てのカテゴリーのレースが終了。
ただ、クラブマン耐久等フルコースレースでは3日かけてスケジュールが組まれ、予選日と決勝日は別の日となる事も特徴の1つです。
金曜日がプラクティスで土曜日が予選、日曜日が決勝というイメージで、ハーフコースでの開催と違い、金・土に走行時間が多くとられます。
クラス及び車両規定
フォーミュラエンジョイ
フォーミュラーレースとして、一番下位のカテゴリーです。
使用するタイヤもラジアルタイヤとグリップ力が低く、ドライバーの力量が試されます。
車両規定で改造範囲は非常に狭く、イコールコンディションの中で限られたセッティングのみが他車と差を付ける事ができるポイント。
参加型モータースポーツなので原則誰でも参戦可能となりますが、有効な運転免許証と国内A級ライセンスが必須となります。
ただ、レースにエントリーするには安全の為にも練習が必要なので、チームとよく相談しましょう。
SUPER FJ
本格的なフォーミュラーレース参戦となると、このSUPER FJとなります。
何十年も続いていたFJ1600の後継カテゴリーとなり、タイヤはスリックタイヤとレインタイヤを使用。
フォーミュラーエンジョイと同様で、イコールコンディションを保つ為に改造パーツ等は基本的に認められていません。
テストを繰り返し、ドライバーとエンジニアとでマシンセッティングを行います。
参戦するには有効な運転免許証と国内A級ライセンスに加え、それ相応の運転技術が必要です。
空力パーツが装着されたりデータロガーが搭載されるなどマシンは本格的なので、当然フォーミュラーエンジョイより車速は速くなります。
参戦する為には、しっかり練習を積みましょう。
F4
このカテゴリーまでくると、若年層であればいよいよプロドライバーを夢見る事を許されるレベルになってきます。
ミドルフォーミュラーとして全日本F3選手権の下位カテゴリーに位置し、西日本/東日本に分かれてレースを開催。
F4からはワンメイクとして指定されているのはタイヤメーカーのみで、エンジン・シャーシは選択可能です。
その上でマシンをドライバー・エンジニアで試行錯誤しセッティングを煮詰めていくので、パーツ選択が非常に重要となるのです。
最終戦が終われば、毎年西・東交代で地域代表のサーキットで日本一決定戦が行われ、2017年は鈴鹿サーキットの予定。
このカテゴリーにもなると参戦するのに多額の資金が必要となってきますのでスポンサー活動をしているドライバーも多数います。
企画書を提出し、企業の看板を背負って各マシンが激戦を繰り広げるのです。
FFチャレンジ
いわゆるシビックレースで、1.6リッターVTECエンジンを搭載したマシンが参戦可能です。
参戦できるモデルはEG6・EK4・EK9の3車種で、かつてはB16AエンジンとB16Bエンジン搭載マシンで分けられていました。
しかし、参戦台数確保の為に現在の統一クラスとなっています。
シビックレースは何十年も行われており、チャンピオン経験者の中には後にGTドライバーとなった参加者もいます。
このクラスは箱レースの下位カテゴリーと位置づけされていますが、トップ集団はFF使いとして1LAPアタックであればプロをも凌ぐ程の腕前です。
鈴鹿とシビックというパッケージでは負けれない!という気持ちで参戦するドライバーが多く、レース中も接触やクラッシュが多く見られる激しいバトルが展開されます。
SUPER GT等であればペナルティとなりますが、スプリントレースならではの日本版WTCCを見る事ができる数少ないレースです。
毎年恒例のフルコースで行われる最終戦にはスポット参戦をするドライバーが多く、我こそはシビックNo1と言わんばかりに参戦台数が増加します。
夏場に行われるクラブマン耐久でも盛り上がりを見せ、まさに鈴鹿クラブマンレースの伝統となっているのです。
また、2017年シーズン開幕前にはレギュレーションの変更が行われました。
イコールコンディションをキープする為に配布されていたエンジンコンピューターが、老朽化によって支給できなくなった為です。
その為、使用するコンピューターの制限が解除されてコンピューターチューンが可能となりました。
参戦するには、有効な運転免許証と国内A級ライセンスが必要です。
FIT1.5チャレンジカップ
このレースは長く行われている、FFチャレンジの後継カテゴリーとなるよう開催されているレースです。
本田技研工業のバックアップの元で行われており、FFチャレンジよりもさらにレベルの高いレースが毎戦繰り広げられています。
開催から数年が経ち、現在ではトップ集団であればシビックのレコードタイムに迫る程です。
エントリーしているドライバーの中には現役のS耐ドライバーの名前もあり、SUPER耐久ST-5クラスと掛け持ち参戦しています。
元々FFチャレンジで結果を残しているドライバーや、フォーミュラーからツーリングカーにスイッチしてきたドライバーが多い為、かなりの高レベル。
FFチャレンジと比較すると本田技研工業が協賛しているレースという事もあり、各ホンダディーラーがスポンサーに付いているマシンも見られます。
参戦マシンは期間限定で㈱M-TECより鈴鹿サーキット・ツインリンク茂木にて専用レーシングカーが販売されており、レギュレーションはイコールコンディションです。
参戦する為には国内A級ライセンスが必要となりますが、かなりレベルの高いレースである為、上級者向けのレースと言えます。
クラブマンスポーツ
クラブマンスポーツというカテゴリーが、ツーリングカーレースとして開催されています。
見た目はフォーミュラーカーの延長のようですが、フェンダーがある為ツーリングカー扱い。
マシンはVITAというサーキット専用マシンで、VITAのワンメイクレースとなります。
VITAはストレートスピードこそシビックなどより遅いですが、コーナーが速い為に動きもピーキー。
気軽に楽しめる反面、高い運転技術が要求される為、他クラスの車両と度々接触事故を起こしています。
また、近年はプロドライバーが走行するケースが増えており、その速さはお墨付き!
レースに参戦するには国内A級ライセンスがあれば可能ですが、かなり難しいマシンですので参戦の際にはガレージとよく相談する事が必要です。
CS2
2016年より、クラブマンスポーツのステップアップカテゴリーとして新設されました。
参戦台数もまだまだ少ないので、これから期待されるカテゴリーです。
参戦するには国内A級ライセンスが必要となります。
Neoヒストリック
ボディデザインはクラッシックなデザインとなっていますが、機能は21世紀仕様!
レギュレーションでイコールコンディションが保たれており、レース好きの年配の方に人気のレースです。
参戦台数の関係で他のクラスと混走でレースを行っていますが「アツイ」レースを展開。
参戦するには国内A級ライセンスが必要です。
RS
RSは、速さだけで言えばGT300クラス並みのマシンです。
鈴鹿サーキットのレースではスプリントレースを基本にしながら、クラブマン耐久にもエントリー可能です。
フェンダーが付いている為にツーリングカー扱いですが、その動きはほぼフォーミュラーカー!
フォーミュラーレースで経験を積んだドライバーの、もうひとつのステップアップカテゴリーとして用意されました。
クラブマン耐久ではプロドライバーを雇うチームもあり、他カテゴリーとは異色の存在です。
参戦するには国内A級ライセンスが必要となっています。
まとめ
いかがでしたか??
このように鈴鹿クラブマンレースは、いくつものカテゴリーが用意されています。
毎レース、全てのカテゴリーを行う訳ではなく、2回に一回開催のレースがあるのも特徴です。
また、フォーミュラー・ツーリングカーともにレベルが高く、才能あるドライバーであればその先を夢見る事も可能。
もちろん週末の趣味としても人気は高く、参加型モータースポーツとしても楽しめます。
興味があるカテゴリーはありましたか?
気になった方はぜひ、該当するカテゴリーのメンテナンスガレージを訪問してみましょう。
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