日本が世界に誇る働くクルマ「軽トラ」。そんな軽トラをサーキットに持ち込み行われる軽トラ世界選手権「軽トラワールドシリーズ第5戦」が今回、12/3に山梨県韮崎市のスポーツランドやまなしで開催されました。もちろんMotorz編集部は、現地取材してきたのでその様子をレポート!世界一の軽トラ乗りの称号を手にしたのは、いったいどんなマシンだったのでしょうか!?
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軽トラワールドシリーズとは
軽トラワールドシリーズ(軽トラ世界選手権)は、軽トラックや軽バンカスタムを得意としている、静岡県のGT CARプロデュースが主催し、年間3〜5戦を開催。
各戦の獲得ポイントと有効ポイント3戦(5戦参戦した場合、成績が良かった3戦がシリーズポイントとなる)でシリーズチャンピオンが決まるイベントレースとなっています。
過給器付きやNA、バン、装着タイヤなどで細かいクラス分けがあり、カスタムの程度によってどのクラスでも参戦できるようになっているので、どんなマシンがどのクラスにエントリーしているのかも注目のポイントです。
初開催となったスポーツランドやまなし
通常の軽トラワールドシリーズは、愛知県(スパ西浦モーターパーク、オートランド作手)や三重県(モーターランド鈴鹿)のサーキットを主体に行われていましたが、今回は初めて山梨県韮崎市にあるスポーツランドやまなしで開催されました。
山の中に作られたサーキットは非常にチャレンジングで、ブラインドコーナーやバンクがキツいコーナー、ミニサーキットらしからぬ高低差、高めの縁石など不用意にインカットしたり飛び出してしまうと、故障の原因や横転の危険などが一気に強まる他のサーキットとは一味違うレイアウトとなっています。
荷台カスタムがアツい!
開催地が関東寄りだったことで、関東近郊の軽トラ&軽トラユーザーの参加者が多い中、北は山形、西は神戸&大阪から参加するユーザーがいる盛況ぶり。
そんな中、軽トラのカスタムで一番目を引くポイントといえば、やはり「荷台」。
純正からサスペンションやハイグリップタイヤ、機械式L.S.Dへの交換は普通乗用車のサーキットカスタムとしては定番チューニングですが、軽トラならではの荷台カスタムには、どのようなものがあるのでしょうか?
アオリは「残す派」「外す派」
トラックの荷台といえば、荷物を積む際に必要不可欠な「アオリ」が特徴です。
しかしサーキットでタイムを縮めようとすると「軽量化」が鉄則。
そんな時にアオリを外して軽量化でタイムを縮める派と、あえてアオリを残すことでリアのトラクションを稼ぎタイムを縮める派に分かれるのです。
また、それには何か法則があるわけでは無く、基本的にはドライバーの好みによって分かれるので、コースによってつけたり外したりできるセッティングパーツの一つとしてもアオリの存在があるようです。
ウイングは「鳥居派」「後アオリ派」
走る上でエアロデバイスは非常に重要なアイテムで、それは軽トラックにも欠かせないカスタムパーツです。
特に軽トラの鳥居と後アオリにウイングを取り付けることがポピュラーで、軽トラワールドシリーズを主催しているGT CARプロデュースをはじめとした軽トラカスタムカーショップから、専用のウイングやスポイラーが販売されています。
中には鳥居と後アオリ両方にウイングを取り付けているツワモノがいたりと、カスタムやドレスアップの垣根を超えた軽トラ乗りならではの魂を感じました。
前後重量配分が大事「ダンプ」
スズキのキャリィ、ダイハツのハイゼット共に「特装車」があることをご存知でしょうか?
通常のトラックモデルや農繁仕様(ローギヤードモデル)とは別に、細かなユーザーニーズに答えた特別仕様のモデルとして冷蔵車やゲートリフト車の他にダンプ車が用意されています。
そこには油圧シリンダーやPTO(Power Take-Off)方式により荷台を上下させる機構がついており、その重量からダンプならではの荷台重量によるトラクションの良さが光り、シチュエーションによっては侮れない存在となる要注意モデルです。
編集部が気になったカスタム
小動物の耳のようなものが装着された、DA63Tキャリィ。
なんと、カプチーノ用インタークーラーをキャビンルーフ後端に2機直列で設置し、圧倒的な冷却効率を実現しているそうです。
ドリフト時でも安定した冷却性能を発揮し、グリップ走行でもパワーの源となってタイム更新に貢献。
もちろんインタークーラーに繋がるパイピングは荷台を貫通しており、確実な機能を果たしています。
細かいことは抜きにして、実現したい走りをするためのカスタムとしては、とても清々しい豪快さではないでしょうか。
タイムアタック形式の争い
今回の第5戦スポーツランド山梨では、レース形式ではなくタイムアタック形式によるバトルが行われ、各クラスごとにベストタイムが速かったドライバーが勝利します。
細かくクラス分けされていることから同じクラス同士のタイム差が拮抗し、パドックの和やかムードの中にもどこかピリついた雰囲気が感じられました。
そして軽トラワールドシリーズ最速のターボRクラスは、43秒台が出るなど普通車顔負けのバトルが繰り広げられ、名古屋から参戦したDC51Tキャリィがシリーズチャンピオンを獲得しました。
まとめ
今回は、軽トラワールドシリーズ2017 最終戦スポーツランド山梨の様子をお伝えしました。
参加型モータースポーツとして、様々なジャンルや車種ごとのサーキットイベントが日本全国で開催れていますが、軽トラ&軽バンのイベントと言えば「軽トラワールドシリーズ」。
キャリィやハイゼットを中心にアクティやサンバー、ミゼットなどの豊富な車種が一堂に会し、サーキットを元気に走る様子は圧巻の一言です。
ご興味ある方は是非参戦してみて下さいね!
次のページでは、最終戦スポーツランドやまなしの様子を写真でお伝えします!