「爆走兄弟レッツ&ゴー」「ダッシュ四駆朗」などの漫画は20代以上なら絶対に聞いたことがあると思います。そんな漫画で題材とされてきたミニ四駆!子供の頃に遊んだミニ四駆が、ブーム再燃していることをご存知ですか?今回はそんな懐かしのミニ四駆を大特集!
マスダンパー?極細タイヤ?ホイールスタビライザー?消えていったモータースポーツのように、行きすぎた技術競争が行われている”今”のミニ四駆をご紹介します。
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ミニ四駆とは
田宮模型から発売された手のひらサイズの4輪駆動マシン。1台600円~1500円程度。
モーターによって駆動・走行し、専用のコースで速さを競ったり、ドレスアップしたりと、楽しみの幅が多いのが特徴です。
専用のパーツを買って自分で改造できるということと、アニメや漫画もあったことから、80年代後半から90年代にかけて子供を中心に大流行しました。
一度過ぎ去ったブームが、再燃!
「ジャパンカップ」という全国大会もあったほどのミニ四駆ですが、年月とともに皆が大人になり、90年代後半から徐々にブームが去っていきました。
押入れの奥にしまったマシンが世間から忘れ去られたころ、2000年代後半より、ミニ四駆は徐々に熱を取り戻します!
そう、あの頃の子供たちが大人になり「自分の子供と共にミニ四駆を楽しみ始めた」のです!
ブームは大きくなり、2012年にはジャパンカップも復活!親子でレースに参加する姿も多くみられるようです。
ただし、昔と大きく違うのは「ミニ四駆にハマった子供達」は大人になり、当時は無かった「財力」と「知識」を持っています。
心だけ子供に戻った大人たちによって、昔からは考えられない過激な改造が行われているということです
今と昔、改造マシン比較
過去のブームと現在のブームで、どれだけ改造方法が違うのか比較してみましょう。
1990年代中盤、TVチャンピオンミニ四駆王選手権参加マシン
当時のジャパンカップ優勝者などが多数参戦したTV番組の企画「TVチャンピオン」ミニ四駆王選手権。
既存のパーツをほぼ無加工で搭載し、ボディを肉抜きにより軽量化。
雑誌などでも推奨されていた、当時としては非常にスタンダードな改造です。
では、近年はどうなのか、次の画像をご覧ください。
2015年ジャパンカップオープンクラス優勝マシン
なんだか禍々しいです。
この数年で、マシンの改造技術は極端に進化。
ボディが極端に小さく、タイヤも薄く加工され、バンパーは前後ともに補強パーツを加工して自作。
大きく括ると「タミヤ製であり、既定のパーツと寸法を守っていれば、適度な加工や取り付け位置などは自由(一部除く)」というレギュレーションを上手く利用し、大人の知識と加工技術、財力でマシンが組み立てられています。
このマシン、ボディはアバンテJr.というマシンですが、元の車両の画像を用意しました。
こう見比べると、もはや原型がないです…。
昔のミニ四駆は、ボディに穴をあけて(肉抜きと言います)軽量化していたのに対し、近年は速すぎてコースアウトやクラッシュが多発するため、ウェイトなどを装着してでも安定して走ることがスタンダードとなっています。
もちろん軽量化はするのですが、それだけだと軽すぎる上に速すぎるのです。実車のモータースポーツと同じで、トータルバランスなんですね!
次は、昔からは考えられない、今のミニ四駆改造のトレンドをご紹介します!
勝つためには必須!?の改造まとめ
近年のマシンならほぼ間違いなく行われている改造!
これからミニ四駆を始めようと思ったら、まず間違いなく触ることになると思いますよ!
F1で禁止された機能!マスダンパー!
手前のマシンですが、前輪の後ろ部分に、金色のパーツが付いてるのがお分かりいただけますでしょうか。
一見ローラーに見えるこのパーツこそがマスダンパーと言うパーツで、金色の部分は重りです。
この重りが固定されておらず、車体の状況に併せて上下動します。
車体自体が軽いミニ四駆は、コースを走行中に何度も車体が跳ねます。
その際に、このウェイトが動作し、着地時には重りも落下してマシンを押さえつけることで、車体が安定するのです。
わかりやすい動画があったので、あわせてご覧ください。
ちなみにこの技術、フォーミュラの頂点F1でも使用されており、2006年にルノーが使用禁止の裁定を下されていました。
モータースポーツ好きなら馴染みがあるのかもしれないですね!
ちなみに、この機構をボディと一体化させてしまう「ボディマスダンパー」という改造もあるようですが、それはまたの機会に・・・。
ルール違反スレスレ?の極細タイヤ!
ミニ四駆の場合、もともとの車体が軽いので、軽量化というと0.1グラム単位で行われます。
その軽量化と、タイヤの接地面積を減らして、地面との摩擦抵抗を少なくするのが極細タイヤ。
画像の黄色い部分のみがタイヤであり、通常のタイヤを切って作られます。
ちなみに、公式レギュレーションで「タイヤ幅は8mm以上」となっており、極細タイヤでは車検を通過できません。
そこで、補足させたことで余ったホイールに「地面に設置しない厚みのダミータイヤ」を履かせ、レースに出場します。
ルールの穴を突いた、恐ろしい改造です。
これでコースアウトしない!ホイールスタビライザー。
ミニ四駆には「ポールスタビライザー」という、コースアウトを防ぐパーツがあります。
車体が傾いた際に、コースの壁に接触して「つっかえ棒」のようになって車体が安定します。
このスタビライザー、つっかえ棒として使用するならボール部分は大きい方が良いのではないかという発想から生まれているのが「ホイールスタビライザー」です。
出典:http://yrg.fc2web.com/
車体側面についているのが「ホイールスタビライザー」、スタビライザーポールのヘッド部分に、なんとホイールを加工して取り付けています。
これによって、コース壁との接地面積が増えるため、車体が非常に安定するそうです。
なお、ルール上、ローラーは6個までとされているため、回転しないように固定することが必須。
あくまでもタミヤ製のパーツをつけているのでルール違反とはならないとか。
最初に考えた人がどういう発想でそこに至ったのかまったくわかりません。怖いですね。
始めるのにいくらかかるの?
ここまで改造を簡単に紹介してきましたが、遊びにそこまでお金をかけるのも…と思った方も多いのではないでしょうか。
ミニ四駆の良い点と言えば、コストが安いこと。
もともとは小学生などを対象に販売されていたため、各パーツは子供のお小遣いで買える範囲のものが多いです。
また、これから始める方にオススメなのが、スターターセットシリーズ。
2100円でローラーやマスダンパー、ブレーキにモーターなど、一通りのパーツとマシンが同梱されています。
更にもう1000円出して塗料などを買えば、アナタだけのオリジナルマシンが完成します!
これで遊んでみて、物足りなくなったら本腰を入れてみるのはいかがでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
「童心に帰る」という言葉がありますが、今回の記事を書いていて、知識と技術を持った子供は恐ろしいなと思ったのが素直な感想です。
ちなみに、今回の記事ではルールの隙間を突いた改造を紹介していますが、ルールを無視した改造の世界はもっと恐ろしいことになっています…。
機会があれば、そちらもご紹介できればと思います!
これを機に、ミニ四駆を始めてみてはいかがでしょうか!?
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