GT300はVivaC 86 MCに注目!

Photo by Tomohiro Yoshita

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続いてGT300クラス。次のSUGOで一番注目したいのは、昨年同地を制した#25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝充)だ。

実はドライコンディションとなった初日は、午前は45周と走り込んだが、午後のセッションはわずか8周のみで終了。これはドラブルで走れなかったのではなく、“わざと走らなかった”という。

86 MCのデビューから開発に携わっている土屋武士。昨年から「打倒ワークス」を掲げ、プライベーターとして、このマシンの開発・熟成に力を注いできたが、それがほぼ完成の域に来ているという。

実際にマシンのセッティング変更を、2日間の中で行うことはほとんどなかったとのこと。ここまでマシンが決まっており、かつ速さを引き出せるマシンは、長年レースを経験してきた土屋自身も初の体験だというほど。

また、テストで走り込んでしまうと、エンジンのマイレージが増えてしまい、後半戦どこかでエンジン交換をする必要も生じる可能性が出てくる。8月末の鈴鹿1000kmのことも踏まえて、エンジンの温存のため走行をセーブしたとのこと。それでも、マシンのセッティングを心配する必要がないというのは、本当に凄いことだ。

つまり、次のSUGOはベースの状態からクラス最速レベルのマシンで臨める状態にあるのだ。「あとは、ドライバーとチームがミスなくきっちり出来るか」が勝負の鍵だという土屋。

条件が整えば、SUGOでの2連覇は間違いないだろう。

 

ドライならJAF-GT、雨ならば…

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序盤2戦はメルセデスAMG GT3、日産GT-R NISMO GT3などFIA-GT3勢が優勝を飾ったが、次のSUGOは高速コーナーが多く、ストレートスピードは劣るものの、マシンの軽さを武器にクイックな動きができるJAF-GT、マザーシャシー勢が有利と言われている。

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さらに今年はJAF-GT勢がポイントを稼げておらず#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)、#2シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)はまだノーポイント。つまりウェイトハンデがゼロの状態で臨める。

そのため、ドライコンディションになれば、彼らが予選・決勝と上位にきそうだ。

しかし、雨になると状況が一変しそう。基本的に雨になるとマシン特性の差がドライほどは出にくいということもあり、FIA-GT3勢も迫ってくる可能性が十分ある。

その中で注目なのがBMW M6 GT3勢。雨のテスト2日目で#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)がトップタイムを記録。こちらもGT500の100号車同様に雨量が多めの時間帯でも速さを見せていた。

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今年からSUPER GTにデビューしたBMW M6 GT3。ポテンシャルは高いマシンなのだが、燃費の悪さなど、弱点もある模様。しかしウエット路面ではしっかりとした速さをみせていた。

またチームとしても雨がらみとなった2013年のSUGO戦を制している実績もあり、チームを含めた総合力で55号車の雨の走りは注目だ。

 

まとめ

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今回は、特に注目したいチームをピックアップしたが、現在のSUPER GTは両クラスとも僅差を極めており、誰が勝ってもおかしくない状況。

そして、間違いなく今年も「SUGOの魔物」がレース展開を大きくかき乱す可能性もあり、最後まで目が離せない、そして予選・決勝ともに見逃せないレースとなりそうだ。