カワサキW800が2019年モデルから復活を果たし、すでに海外では発売されています。そんな新型W800は、アップハンドルのストリートとビキニカウルを装備したカフェの二本立て!厳しくなる排ガス規制をクリアし、カワサキWシリーズでしか味わえないベベルギアシャフトのバーティカルツインを、再び新車で楽しむことができます。

 

© 2019 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.

 

排ガス規制を乗り越え2年ぶりにカワサキW800復帰

 

© 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.

 

Wシリーズは、50年以上続くカワサキの由緒正しきモデルの一台。

250ccや400ccなどラインナップもさまざまありましたが、排ガス規制強化に伴いラインナップが激減。

最後に残ったW800も2016年に生産終了となり、長い歴史に終止符を打つことになりました。

そんな年々厳しくなる排ガス規制は、Wシリーズだけでなく二輪車メーカー各社の伝統と格式高いモデルを相次いで生産終了に追い込む事態に。

トライアンフやBMWがエンジンを空冷から水冷に切り替えてのラインナップ存続処置を施したように、Wシリーズの復活はエンジンを水冷化しなければ難しいともいわれていました。

しかし、2018年のEICMA(ミラノモーターサイクルショー)で発表された新型W800は、伝統の空冷バーティカルツインで、排気量773ccのまま排ガス規制ユーロ4をクリア。

しかも従来モデルを継承するアップハンドルを装備したストリートと、ハンドルを低く構えてアッパーカウルを装着したカフェの2モデルをラインナップ。

日本には、2019年の春ごろ導入予定です。

 

カワサキW800とは

 

カワサキW650 / 出典:http://bikeswiki.com/Kawasaki_W650

 

カワサキW800は2010年に輸出専用モデルとしてデリバリーされ、2011年1月に国内販売が開始されました。

また、2008年に生産を終了したW650の後継モデルであり、1966年にカワサキブランド初の大排気量4ストロークマシンとして登場した650-W1から続くWシリーズに属します。

そんなW800はW650の生産終了に伴い、それまでの650cc(スペック値:675cc)から800cc(スペック値:773cc)へ排気量をアップしましたが、50年以上基本デザインを変えることなく650-W1と同じ空冷並列2気筒エンジンを最新モデルまで継承。

一時は生産終了となりましたが、新型W800もオリジナルのデザインをそのままに、エンジンの形も変更せず、O2センサーの追加、触媒容量の変更などにより、欧州の排出ガス規制であるユーロ4規制をクリアし、見事に復活を果たしました。

 

カワサキ新型W800のデザインは昔と一緒だが中身は大改造

 

新型 カワサキW800ストリート / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.o

 

2016年モデル カワサキW800 ファイナルエディション / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.

 

ヤマハSR400と同じく、カワサキW800も登場してから変わらないスタイルを貫く事がその美学とも言えます。

しかし、性能を落としてでも無理やり存続させるだけでは、ユーザーが納得するわけがありません。

排ガス規制ユーロ4のクリアを達成しつつ同時に性能を進化させる事も重要で、もちろん今回のW800にもフレームや足回りなど、いたるところにアップデートを施されています。

また、エンジンパワーもアップし、最高出力は変わらないものの、最大トルクは62.9N・m[6.4kg・m]/4,800rpmを発揮。

2016年に発売されたW800より、0.9N・mのトルクアップを達成しています。

さらにダブルクレードルフレームは完全新設計され、パイプの外径を変えず厚さだけを調整。

特に高速走行時の安定性を向上し、ガスケットとブラケットを最小限にとどめての軽量化も図られています。

そしてタイヤは従来であれば前19インチ、後18インチでしたが、新型では前後共に18インチ化。

また、リアタイヤのドラムブレーキがディスクブレーキに変更され、スイングアームにキャリパーブラケットが追加されました。

シートにも表皮やタックロール風のパターンが施され、スポーティーさを演出するために、リアフェンダーは短くなりテールランプ位置が上がっています。

メーターは、速度メーターとタコメーターを独立させたアナログ式を採用。

これは、クラシカルなバイクを演出するための必須アイテムです。

そしてヘッドランプは、Z900RSのものと共通化。

LED化されるなど現代的な部分もありますが、新型W800には十分マッチしています。

 

カワサキ新型W800ストリートとカフェの主な違いは

 

新型 カワサキW800ストリート / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.

 

新型 カワサキW800カフェ /© 2019 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.

新型W800に用意されたストリートとカフェの2台は、基本設計は同じであっても見た目が大きく異なります。

ストリートは従来のW800を継承するスタイル、カフェはその名の通りカフェレーサースタイルに仕立て上げられたモデルです。

今までカワサキ純正のアクセサリーとして『Cafe Style』と呼ばれるカスタムパーツが販売されていましたが、今回すでにカフェレーサースタイルにカスタマイズされたモデルが登場したことはカフェレーサーフリークにとって嬉しい限りでしょう。

二台の装備は以下のようになっています。

【W800ストリートの装備】
・ブラック塗装のエンジン
・アップライトスタイルのハンドルバー
・シルバーアルマイト仕上げのリム
・W800 STREET用メーターロゴ

【W800カフェの装備】
・ブラック&クローム塗装のエンジン
・専用フロントカウル
・ローポジションハンドル
・スタイリッシュかつ2人乗りが可能なカフェシート
・ブラックアルマイト仕上げのリム
・W800 CAFE用メーターロゴ

 

スペック

 

© 2019 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.

 

新型W800ストリート 新型W800カフェ
全長×全幅×全高(mm) 2,135×925×1,120 2,135×825×1,135
ホイールベース(mm) 1,465 1,465
シート高(mm) 770 770
タンク容量(ℓ) 15 15
車重(kg) 221 223
エンジン種類 空冷4ストローク並列2気筒OHC8バルブ 空冷4ストローク並列2気筒OHC8バルブ
総排気量(cc) 773 773
ボア×ストローク(mm) 77.0×83.0 77.0×83.0
圧縮比 8.4:1 8.4:1
最高出力(kW[PS]/rpm) 35[48]/6,000 35[48]/6,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 62.9[6.4]/4,800 62.9[6.4]/4,800
トランスミッション 5速 5速
タイヤサイズ 100/90-18M/C 56H 100/90-18M/C 56H
130/80-18M/C 66H 130/80-18M/C 66H

※スペックは欧州仕様モデル

 

まとめ

 

新型 カワサキW800ストリート / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.

 

W800でストリートとカフェの2モデルを展開し、ユーザーの好みに沿えるラインナップを実現したKawasaki。

アップハンドルのストリートも、従来モデルよりスポーティーにリファインされ、若返った感じです。

日本正規販売の価格は明らかにされていませんが、一部では100~120万円前後になると予想されています。

Wシリーズの歴史は2年前にいったん終焉を迎えましたが、新型W800となり、さらに魅力を増して帰ってきてくれました。

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