販売価格は5億9500万円、販売台数は5台という驚くような特別仕様のハイパーカーが発表されました。その名もパガーニ・ウアイラ・イモラです。ただでさえずば抜けたスペックのウアイラを更にアップグレードしたこのイモラは、一体どんなクルマに仕上がっているのでしょうか?
ベース車両が既に化け物スペック
そもそも、ベースとなっているウアイラ自体が、かなりの過激なスペックを持った車両です。
ウアイラは、2011年にイタリアのスーパーカーメーカーであるパガーニ・アウトモビリ社が発表したモデルで、2010年に生産を終了したパガーニ・ゾンダの後継車にあたります。
100台のみの限定生産で、ゾンダと同じ6リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載したMRの2ドアクーペです。
最大出力730PS/5,000rpm、最大トルク1,000Nm/3,500rpmを発生し、パワーウェイトレシオは1.85Kg/PSという驚きの数値に達します。
0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は370km/hと、正に超弩級のスペックで、既にウアイラ自体が過激なスーパーカーであることは一目瞭然です。
伝統のサーキットから命名
そんなウアイラのスペックをさらにアップさせたのが、ウアイラ・イモラです。
イモラという車名は、F1サンマリノグランプリが開催されるイモラ・サーキットに由来しており、ウアイラ・イモラがサーキットドライブを意識したモデルである事を示しています。
事実、距離にして1万6000kmもの走行テストをサーキットでこなしており、その運動性能は折り紙付きです。
さらにアップデートされた空力性能
元々優れたエアロダイナミクスを備えたウアイラですが、細かな点がアップデートされて更にレーシングカー然とした姿となっています。
美観よりも効率を重視したといわれるだけあり、多くのエアロデバイスが装着されました。
フロント中央のNACA式エアインテークや大型化されたリップスポイラー、ワイド化された前後のフェンダーは非常にスパルタンかつレーシーな印象です。
大型のリアウイングとディフューザーはレーシングカーそのものの造形と言っても過言ではありません。
4つのウイングレットを搭載しているのも特徴で、走行状況に応じて可変し、エアブレーキとしても機能します。
徹底した軽量化が図られたシャシー
イモラのシャシー及びモノコックは極限まで軽量化されており、その作りは正にレーシングカー。
チタンやアルミ等の軽量なマテリアルを様々なコンポーネントに用い、モノコックにはCarbo-Titanium HP62 G2 ・Carbo-Triax HP62と呼ばれる複合素材をあしらうことで、高い剛性と軽さを両立させています。
また、「アクアレッロ・ライト・ペイント」と呼ばれる軽量塗料の採用により、耐候性と耐衝撃性を向上させつつも約5kmもの軽量化に成功。
これらの結果、車体の乾燥重量は1264kgにまで抑えられており、6リッターものエンジンを搭載したクルマとしては驚異的な軽さです。
AMG製のV12エンジンを搭載
搭載されるエンジンは、通常のウアイラにも採用されていたAMG製の6リッターV型12気筒ツインターボエンジンに、更なるチューニングを施したもの。
最高出力827馬力、最大トルク1100Nmを公表しており、組み合わされるトランスミッションは、Xtrac製の電気機械式デフ付きの7速AMTとなります。
まとめ
パガーニの創設者でありデザイナー、エンジニアでもあるオラチオ・パガーニ氏は、レオナルド・ダ・ヴィンチの哲学からインスピレーションを得ており、ウアイラ・イモラにもその精神が吹き込まれています。
そしてイモラは、パガーニ社の「ルネサンス・ワークショップ」と呼ばれる製造区でのハンドメイドで5台のみが生産され、2020年中頃にデリバリーが行われる予定です。
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