2019年のフルモデルチェンジによって、エンジンがリアに搭載され、遂にミッドシップ化を果たしたことで話題となったシボレー コルベット。コルベットは今やアメリカンスポーツカーの代名詞的存在となっていますが、その金字塔を打ち立て、現在も名車として語り継がれるマシンがコルベットC2です。
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クローズドボディのコルベットC2
1953年にGMからデビューした初代コルベット(C1)に続き、1963年に誕生したのがコルベットC2です。
オープン仕様の先代とは異なるクローズドボディに、空気抵抗もものともしない先鋭的なデザインや、先代から継承しつつも排気量が大幅に拡大されたエンジンなど、各部に大胆な変更が施されました。
この風を切り裂くようなデザインは、1959年に生産されたレース用コンセプトカー、XP‐87 スティングレイ・レーサーがベースであり、その名が「コルベット・スティングレイ」という呼称の由来です。
「スティングレイ」とはアカエイという意味で、デザインを担当したビル・ミッチェル氏が釣り好きだったことから、この名を付けたとされています。
また、C2の特徴として、分割式リアウィンドウの「スプリット・ウインドウ」が装備され、C5まで続くリトラクタブル式ヘッドライトもこの頃から備えられました。
エンジンは、先代の直列6気筒から変更され、排気量5,358ccの水冷V8ユニットを搭載。キャブレターの違いによって300ps、340ps、360psがラインナップされ、特に360ps仕様は実質的なレーシングマシンとしての特徴が強いものでした。
コルベットC2開発に情熱を注いだ2人のキーマン
初代コルベット(C1)によって、アメリカに「スポーツーカー」というジャンルを確立させたGMは2代目コルベット開発時、初代の進化に貢献した優秀な若手エンジニア、ゾーラ・アーカス・ダントフ氏を参加させます。
ダントフ氏は、当初直列6気筒だけがラインナップされていた初代コルベットの車体をモディファイし、フロントにV8ユニットを搭載した人物。彼のモディファイによって、動力性能の低さがネックだった初代コルベットは、その性能を最大限発揮し、1956年のセブリング12時間レースで優勝。
1957年のデイトナでは、ル・マンの王者だったジャガー・Dタイプに続く順位に付けました。
この時のレーシングモデル、コルベットSRがC2の技術的原型と言われており、そのSRで培われた技術は、もう一人のキーマンによって花開くことになります。
そのキーマンは、日系アメリカ人デザイナーのローレンス・キヨシ・シノダ氏です。
彼は戦争中に日系人の強制収容所に入れられたという苦い過去を持っており、正規の教育を受けてはいない人物でしたが、持ち前の才能を活かし、GMで頭角を現します。
そんな彼らとビル・ミッチェル氏の手腕が合わさったことで、コルベットC2は、「アメリカンスポーツーかの金字塔」と呼ばれるほどの名車として完成したのです。
シボレー・コルベットC2のスペックと中古車価格
シボレー・コルベットC2のスペック
1963年式 シボレー・コルベット
スティングレイ コンバーチブル 327 V-8 250-hp
全長×全幅×全高(mm) 4,453×1,768×1,265
ホイールベース(mm) 2,489
乗車定員(名) 2
乾燥重量(kg) 1,362
エンジン種類 V型8気筒OHV
排気量(cc) 5,354
最高出力(kW[PS]/rpm) 186.5[254]/4,400
最大トルク(N・m[kgf-m]/rpm) 475[48.4]/2,800
トランスミッション 2速AT/3速MT
駆動方式 FR
トップスピード(km/h) 179
0-100 km/h (秒) 7.8
燃費(km/L)
※発売時のカタログ値 city:3.6-4.3
highway:4.9-5.9
average combined:5.1
シボレー・コルベットC2の中古車価格
シボレー コルベットC2は現在、本体価格1,330万円から2,798万円と、かなりの高額で取引されています。
購入を考えている方は、それ相応の出費が必要になることを踏まえておきましょう。
まとめ
アメリカンスポーツカーの金字塔を打ち立て、今や伝説的存在として語り継がれるコルベットC2。
1967年にC3が発表されるまでの5年ほどしか販売されませんでしたが、その総生産台数は11万7966台と大成功を収めました。
アメリカ生まれのスポーツカーとしての地位を確立させたコルベットC2は、今後もスティングレイの名で語り継がれていくのでしょう。
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