タクシーといえば、トランクが備わった4ドアセダンの印象が強いでしょう。しかし近年、高齢者や身体障がい者など、多くの人々にやさしい「ユニバーサル・デザイン」を重視したタクシーが増えています。トヨタが生産する「JPN TAXI」は、その代表格に挙げられる1台。そんなJPN TAXIは、タクシー会社でなくても買えることを知っていますか。今回は、JPN TAXIをピックアップしてご紹介しましょ
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トヨタ・JPN TAXIとは
JPN TAXIは、2017年10月に販売が開始されたトールワゴンタイプのタクシー向け商用車です。
「第43回東京モーターショー」に出展されたコンセプトカーをベースに、長くタクシー向け商用車として販売されていたコンフォート(クラウンコンフォート)の後継モデルとして登場したクルマです。
国土交通省が定めている「ユニバーサルデザインタクシー」にも認定。
東京オリンピック2020(東京五輪)の交通機関として期待されて開発され、「おもてなし」をキーポイントにかかげる便利なタクシーを目指し、多くのストロングポイントを持ち合わせています。
JPN TAXIのストロングポイント
それでは、JPN TAXIのストロングポイントを、3つに分けてご紹介していきましょう。
大きいスライドドア×低床設計で乗り降りが手軽にできる
JPN TAXIのストロングポイントは、スライドドアと低床設計です。
背が高いトールワゴンタイプで、大きなスライドドアを左サイドに備えています。
信頼性に長けたコンパクトミニバン「シエンタ」のプラットフォームを採用し、低床フロアを実現。スライドドアにより、車イスに乗ったままでも負担のかからない乗り降りを実現しています。
室内には各部分に手摺りグリップが用意されており、乗り降りを手助けするアイテムが満載。また、運転席からスライドドアを電動操作できるようになっているなど、便利な機構も採用されています。
ハイブリッド仕様で燃費に優れる
JPN TAXIが持つ2つ目のストロングポイントは、ハイブリッド仕様です。
トヨタが誇るハイブリッドシステム「THS Ⅱ」を、タクシーで使用されているLPG燃料でも使用できるように改良がほ施されました。
LPG燃料のボンベ容量は従来より半分となったものの、小型で薄型なニッケル水素バッテリーを搭載し、燃費性能にもすぐれています。
国が定める燃費や排気ガスの基準をクリアし、環境にやさしいクルマに仕上げられているのです。
街なかでの取り回しに優れる
JPN TAXIが持つ3つ目のポイントは、街なかでの取り回しやすさです。
全長4400mm×全幅1695mmと、5ナンバーサイズに収められたパッケージングで、東京など都市部での細い路地で安全に快適な移動を実現できるクルマに仕上げられました。
電車やバスでは細かい移動が難しく、徒歩や自転車では遠距離あるいは行き難い場所でも、JPN TAXIなら、どこにでも移動できるメリットを持っています。
JPN TAXIを一般人が購入するメリットはあるか
JPN TAXIは、タクシー会社などの法人だけではなく、一般での購入も可能です。
個人が購入するメリットとしては、車イスを使用する家庭ならば強みになるでしょう。
車体左側に備えられた大きなスライドドアは、車イスに乗ったままでもスムーズに乗り降りできる仕組みが作り上げられています。
家族での移動のしやすさを求めるなら、本体価格300万円程度で使い勝手のいいクルマです。
しかし反面、燃料の確保が課題となります。
LPG燃料を使用するため、LPGガススタンドが身近にないと所有は難しいかもしれません。
タクシー会社での需要があるため、LPGガススタンドは点在していますが、個人にLPG燃料を販売しているかどうも、併せてチェックする必要があるでしょう。
まとめ
”ユニバーサルデザインタクシー”として、東京オリンピックなどの日本国内でのイベントだけでなく、日常での移動手段として活躍を期待され、数多く普及するJPN TAXI。
一般向けにも販売はおこなわれていますが、購入するには燃料の確保などの課題があります。
しかし、LPG燃料は1リットルあたりの単価ではガソリン燃料を下回っており、手に入れるルートを確保でき、かつ長距離ドライブをするなら新車購入時にかかった費用を回収できるかもしれません。
タクシー運転手になりたかったわけではないけど、タクシーを運転してみたいなど、憧れを持っているみなさん。一家に1台のJPN TAXIを所有すれば、人とは違うカーライフを送れると思います。