日産自動車が販売していた、セフィーロ。セダンタイプの乗りやすいサイズ感と価格帯で、高い人気を誇りました。いったい、どんな車だったのでしょうか。

セフィーロ

1988年〜2003年の間、日産自動車より販売されていた4ドアセダン セフィーロ。

車名の由来は、スペイン語のそよ風から来ています。

販売期間中、3回のフルモデルチェンジが行われ、3代にわたって進化。初代のみ後輪駆動(FR)で、2代目、3代目は前輪駆動(FF)となっています。

初代

Photo by nakhon100

1988年9月〜1994年まではA31型として販売され、「くうねるあそぶ」という、糸井重里氏作のキャッチコピーと、「33歳のセダン」の二つのキャッチコピーによって、若者層に人気がありました。

当時としては珍しい、プロジェクター型ヘッドライトが全車標準装備されています。

バリエーション

搭載されたエンジンの種類によって、

・2000cc 直列6気筒SOHC RB20Eエンジン搭載車がタウンライド

・2000cc 直列6気筒DOHC RB20DEエンジン搭載車がツーリング

・2000cc 直列6気筒DOHCターボ RB20DETエンジン搭載車がクルージング

という名前で呼ばれています。

また、サスペンション型式の違いによって、

電子制御DUET-SS:コンフォート

4輪操舵HICAS-II:スポーツ

の名称が各グレードに追加されました。

さらに、1992年のマイナーチェンジ時には、2500cc 直列6気筒DOHC RB25DE搭載モデルが追加されています。

主要スペック

車両型式:E-A31(電子制御付きサスペンションモデルはE-CA31)

乗車定員(人):5

全長×全幅×全高(mm): 1910×1425×1140

車両重量(kg):1360

最高出力(PS/rpm)

RB20E:125/5600

RB20DE:155/6400

RB20DET:205/6400

RB25DE:180/6000

最大トルク(kgm/rpm)

RB20E:17.5/4400

RB20DE:18.8/5200

RB20DET:27.0/3200

RB25DE:23.0/5200

2代目

1994年8月〜2000年まではA32型として販売。後輪駆動(FR)だった初代モデルから一新されて、前輪駆動(FF)となりました。

日産のV型6気筒エンジンVQシリーズの初代モデル搭載車で、2000ccのVQ20DE、2500ccのVQ25DE、3000ccのVQ30DEを採用。

車体形状も4ドアセダンだけでなく、5ドアステーションワゴンが追加されています。

バリエーション

展開されたバリエーションは、ラグジュアリー仕様のエクシモとイニシア、スポーティ仕様のSツーリングの3種類。

エクシもとイニシアは足踏み式サイドブレーキ、高級感あるグリルやホイールが採用され、Sツーリングはエアロパーツやスポーティなスポーク形状のホイール、レバー式サイドブレーキが搭載されています。

主要スペック

車両型式

2000cc:E-A32

2500cc:E-PA32

3000cc:E-HA32

乗車定員(人):5

全長×全幅×全高(mm): 2075×1480×1170

車両重量(kg):1340

最高出力(PS/rpm)

VQ20DE:155/6400

VQ25DE:190/6400

VQ30DE:220/6400

最大トルク(kgm/rpm)

VQ20DE:19.0/4400

VQ25DE:24.0/4000

VQ30DE:28.5/4400

3代目

Photo by 玄 史生

1998年12月〜2003年まではA33型として販売され、セフィーロ最終モデルとなります。

搭載されたエンジンは2代目のVQシリーズが引継がれ、V型6気筒の2000cc VQ20DE型と2500cc VQ25DD型を採用。車体形状は、4ドアセダンのみとなりました。

展開されたグレードは、2代目と同じくエクシモとSツーリングです。

主要スペック

Photo by 玄 史生

車両型式

2000cc:GF-A33

2500cc:GF-PA33

乗車定員(人):5

全長×全幅×全高(mm): 4920×1780×1440

車両重量(kg):1390

最高出力(PS/rpm)

VQ20DE:160/6400

VQ25DE:210/6400

最大トルク(kgm/rpm)

VQ20DE:20.0/4400

VQ25DE:27.0/4400

中古車相場

Photo by Riley

セフィーロの中古車は、2021年3月現在において市場には、ほとんんど出回っていません。

通常は、初代モデルが100万円〜300万円、2代目が40万円〜50万円、3代目が40万円〜70万円の価格帯で取引されています。

初代モデルはFR駆動で、ドリフトのベース車両としても人気があるため、高値で取引されています。

まとめ

ラグジュアリー仕様からスポーティな仕様まで、多岐にわたって展開されてきたセフィーロは、販売当時高い人気を誇りました。

特に初代モデルは、今日においてもその人気を継続させています。