バブル期真っ只中、三菱自動車が打ち出した大排気量スポーツカーGTOは、高い走行性能を誇りました。そんなGTOについて、詳しくご紹介していきます。

Photo by Andrew Bone

GTO

Photo by Andrew Bone

1990年〜2001年までの間、三菱自動車から販売されていた大排気量スポーツカーがGTOで、型式はE-Z16A。また、モデルライフ途中に追加となった軽量モデルMRは、E-Z15Aです。

「スポーツは、ライバルがいるから、面白い。」というコンセプトのもと開発が行われ、日本国内モデルは全て4WDの駆動方式が採用されました。

そのコンセプトののライバルは、日産自動車のR32 GT-Rです。

車名の由来は、「Gran Turismo Omologato」というイタリア語から取られており、モータースポーツのGTカテゴリーであることを意味しています。

日本国内の市販車としては初搭載の、アルミ製4ポット対向ピストン、ゲトラグ社製のミッション、排気音を変化させるシステム、速度によって可変するエアロシステムなどが装備されました。

今では考えられない大排気量に、多くの最新システムが沢山盛り込まれ、バブル世代を象徴とする一台です。

搭載されたエンジン

ベースとなるエンジンは、V型6気筒3000ccの6G72型で、グレードによって自然吸気かツインターボから選ぶことができました。

ツインターボに関しては、当時の馬力規制の上限値280PSまで引き上げられています。

エンジンスペック

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型式:6G72

種類:V型6気筒

総排気量(cc):2972

最高出力(PS/rpm)

自然吸気:225/6000

ツインターボ:280/6000

最大トルク(kgm/rpm)

自然吸気:28.0/4500

ツインターボ:42.5/2500(中期型以降:43.5/2500)

マイナーチェンジ

GTOは1世代で姿を消していますが、その間に何回ものマイナーチェンジが行われました。

1992年1月

ホイールが17インチ化され、ミラーが電動格納。運転席が電動パワーシートになり、環境規制により、エアコンガスが代替フロンになっています。

1992年10月

ブレーキの強化が行われ、ブレーキディスクを17インチ化。リアブレーキに対向2ポッドキャリパーが取り付けられ、ツインターボ車はキーレスエントリーが標準装備になりました。

1993年8月

このマイナーチェンジを機に、中期型となります。

前期までリトラクタブル式だったヘッドライトが、4灯固定式ヘッドライトに変更され、エンジンの仕様変更により、トルクが向上します。

トランスミッションも変更され、ツインターボモデルは5速から6速になりました。

1994年8月

車両重量がネックだったGTOに、念願の軽量モデル MRが追加されます。

1995年8月

自然吸気モデルの価格を抑え、SRというグレード名を採用。

ヘッドライトのガラス素材が、樹脂製にかわっています。

1996年8月

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このマイナーチェンジを機に、後期型となります。

ツインターボモデルのホイールを、18インチ化。フロントリアのエアロ形状の変更が行われ、アクティブエアロが廃止されています。

1997年8月

安全面での変更が行われ、全車ABSを標準装備。

SRモデルにも、助手席エアバッグが標準装備されました。

1998年8月

GTO最後のマイナーチェンジで、大型リアスポイラーを装着。軽量化が行われたことで、車両重量が約5%軽くなりました。

主要諸元

型式:E-Z16A(軽量モデルMRはE-Z15A)

ボディ形状:3ドアファストバッククーペ

乗車定員:4人

全長×全幅×全高(mm):4575×1840×1285

車両重量(kg):1600〜1730

中古車相場

販売停止から年月が経っているため、2021年3月現在は、中古車市場でも台数が少なく、程度が良いものを探すのが困難な車種になっています。

まとめ

重たい車体に、大排気量エンジンを搭載し直線番長とも呼ばれたGTO。

なかなか見ることも乗ることもできなくなった、レア車です。

機会があれば、一度、乗ってみることをおすすめします。