UAZ 2206は1958年、旧ソビエト連邦で生産が始まりました。その後ソ連崩壊などの歴史の大変動を乗り越え、生産開始から60年が経過した今でも、UAZ 2206は外観をそのままに生産されています。そんな新車で買えるクラシックカー、UAZ 2206をご紹介します。

掲載日:2020/03/17

UAZ 2206 左斜め前

photo by AUTORIESEN

UAZ 2206とは?

UAZ 2206

© Motorz

UAZ 2206は、一般的には聞き馴染みがないと思いますが、ロシアのUAZ社で生産されているバンタイプの車両です。

UAZ社は第二次大戦中は軍用車を生産しており、1958年から軍用車を民生用に転換。UAZ 2206も、そんな軍事転用車の1台です。

UAZ 2206のエクステリア

UAZ 2206 リアビュー

photo by AUTORIESEN

ボディは1950年代の製法そのままで、ボディパネルに複雑な曲面はありませんが、その分シンプル。

日本で言えば、昭和30年代のオールウェイズ的な朴訥とした素朴さを感じるデザインです。

チャームポイントはライト類で、リアコンビ以外は丸型。
猫バスやワーゲンバス的な、かわいらしさを感じます。

ルーフサイドの雨どいは昔ながらの鉄板を上方に曲げたタイプで、フロントウインドウ近くに切れ目が入っていて、乗降時に雨がまとめて降りかかるのを防いでくれています。

オールドルックな外観の極めつけは外ヒンジで、稼働範囲はベルトの長さで限定。

ボディサイズは全長x全幅x全高(mm)がそれぞれ、4,363×1,940×2,064とかなり大柄で、先ごろ発表されたトヨタの巨大ワゴン、グランエースより全長で1,000mm短いものの、全幅・全高はほぼ同じです。

UAZ 2206のインテリア

UAZ 2206 インテリア

photo by AUTORIESEN

UAZ 2206の室内に快適性を求めるのは、タブーです。

なぜならUAZ 2206は1ナンバー登録で、商用車。

さらに生い立ちが軍用車なので、インテリアにソフトパッドなどはなく、鉄板がむき出しになっています。

空調はマニュアルクーラーとマニュアルヒーター(※どちらもエアコンではありません!)を備えていますが、微細な温度調整はできません。

シート表皮は革素材ではないようですが、シートヒーターをオプションで装着可能です。

タッチパネルのオーディオやナビゲーションは、標準での用意はありません。

ただしどんな高級車にも一般的には装備されていない『緊急脱出口』が、リアシート脇に装備されます。

このように戦場や極寒の地、ロシアで生き延びるための装置はありますが、他は期待できないので、カスタマイズ派向けの1台と言えます。

UAZ 2206のメカニズム

UAZ 2206 アンダーシャーシ

© Motorz

もともと戦地を走るための車だっただけに、シャーシは頑強なラダーフレームを採用。

リアサスペンションには、リーフリジットが備えられていて積載向けです。

UAZ社はこのラダーフレームでトラックモデルのUAZ 3303/39094と、バンモデルのUAZ 2206を製造しているので、生い立ち的にはトラックシャーシをベースにしたトヨタ ハイエースや三菱 デリカD:5と同じです。

エンジンはBOSCHのインジェクションを備えた2.7リッター水冷直4DOHCを搭載し、最大出力112.2hp / 4,250rpm、最大トルク198nm / 2500rpmを発生。

車両重量1,850kg、車両総重量2,635kgのUAZ 2206には、必要十分なスペックです。

駆動方式は副変速機付きパートタイム4WDで、変速機はマニュアル5速を装備します。

使用燃料はレギュラー、燃料タンクは77リッターで十分な容量ですが、FUELメーターの精度がイマイチなようなので、まめに給油した方がよさそうです。

タイヤサイズは225/75R16を採用。

ABSが標準装備なのは、設計の古さを考えると驚きです。

UAZ 2206に乗ってみた!!

UAZ 2206は、軍用トラックベースのキャブオーバーバンで、運転感覚や乗り心地はトラックそのもの。

Youtubeチャンネルに試乗動画をアップしているので、是非ご覧ください。

UAZ 2206を購入するなら

株式会社オートリーゼン 名古屋

© Motorz

日本でUAZ車を取扱っている会社はごくわずかで、常にUAZ社の車両を輸入代行してくれるのは名古屋市の株式会社オートリーゼンくらいでしょう。

株式会社オートリーゼンは、自動車の輸入代行だけでなく指定整備工場でもあるので、購入後のメンテナンスもバッチリ!

UAZ 2206だけでなくSUVのHunter(ハンター)も取り扱っているので、UAZ車に興味のある方は是非、株式会社オートリーゼンに問い合わせてみましょう。

まとめ

現代の日本車はブランドアイコンをデザインに多用し、性能も非常に良く出来ています。それだけに日本車は、個性が薄いと筆者は思います。

UAZ 2206は日本車基準で見ると、決して良く出来た工業製品ではありませんが、その分個性や自動車の味わいがあります。

安全性も自動車に頼らず、運転者の技量による部分が大きいため、乗りこなすごとに愛着が湧く1台です。

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