ホンダは2021年3月12日、軽2シーターオープンスポーツ「S660」の生産を2022年3月にて終了すると発表。これにあわせて同日より、コンプリートモデルとして設定されていた「Modulo X」に、S660として最後となる特別仕様車「Version Z(バージョンゼット)」を追加し、発売しました。

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ビート以来19年ぶりの軽オープン! S660誕生秘話

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ホンダ S660は、本田技術研究所設立50周年を記念した新商品企画案が元となり開発されたモデルで、ホンダとしては「ビート」以来19年ぶりの軽規格2シーターオープンスポーツカーとなるモデルです。

社内応募、約800件の中から選ばれたこの企画は、入社4年目の若手によるもので、ビートの焼き直しではない、新しい感性が盛り込まれています。

企画案はコンセプトモデルを経て、2015年4月から販売を開始。

ホンダらしい「走る喜び」や、ワクワク感のある本格スポーツカーが追求され、ミッドシップレイアウトならではのハンドリング性能などが好評を得ています。

匠の技でチューニング、Modulo Xシリーズ

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その後2018年7月には、ホンダアクセスが手掛けるホンダ量販車のカスタムモデルシリーズ「Modulo X」の第5弾として、「S660 Modulo X」がデビュー。

内外装デザインはもちろんのこと、空力性能や足回りなどにホンダの「匠の技」を注入し、上質でしなやかな走りを実現しています。

S660、S660 Modulo X累計での販売台数は3万台超え!多くのファンに愛されるモデルとなりました。

最後の特別仕様車、Version Z発売

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そんなS660ですが、残念ながら2022年3月をもって生産終了が決定。

これにあわせて、S660 Modulo Xに「Version Z」が新たに設定され、S660最後の特別仕様車として販売されています。

これは、S660ファンへの感謝の気持ちを込めた特別なモデル。

ボディカラーは特別色として、ソニックグレー・パールが設定されたほか、インテリアには特別感を演出する加飾アイテムを装備するなど、プレミアム感の高い特別仕様車となっています。

特別ボディカラーとブラック加飾で引き締まったボディに

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Version Zのエクステリアの主な変更点としてはまず、ボディカラーとして、上品さと個性を兼ね備えた特別色「ソニックグレー・パール」を設定。

このほかにも、「プレミアムスターホワイト・パール」の全2色が用意されました。

また、各エンブレムをブラッククローム調とし、フロントとリアの「H」マークや、「S660」、「Modulo X」の文字が、落ち着いた輝きを放ちます。

さらに専用アクティブスポイラー(ガーニーフラップ付)をブラック塗装へ変更するとともに、アルミホイールの塗装をステルスブラックへ変更。

エアロ装備や足回りが、ぐっと引き締まった印象となりました。

インテリアには特別感あふれる追加装備

インテリアカラー「ボルドーレッド×ブラック」でまとめられた内装には、各所にカーボン調のインテリアパネルが盛り込まれました。

メーターバイザー、助手席エアアウトレット、センターコンソールのパネル部が、それぞれカーボン調となり、上質さとスポーティさが表現されています。

またドアライニングパネルには、ブラックのラックススェードとボルドーレッドの合皮製を採用。

グレーステッチが施され、室内全体の質感をアップしたことに加え、「Version Z」ロゴ入りの専用アルミ製コンソールプレートが取り付けられるとともに、普段使いのバッグとしても使用可能な「専用シートセンターバッグ(Modulo Xロゴ付)」が装備されています。

SNSで繋がるコンテンツ「#WELOVES660」

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インターネット上では早くも別れを惜しむ声が聞かれますが、生産終了に向けて、ホンダの公式コンテンツも動き出しています。

特別サイト「#WELOVES660」では、全国のS660オーナーから、S660とともに写った写真や動画を募集し、それらをつなぎ合わせたスペシャルムービーを公開予定。

写真や動画、は2021年3月12日~同年5月16日まで受付けられます。

さらに「S660 History」と題し、S660オーナーをはじめとした開発者や製造者らのエピソードやメッセージが、ホームページとFacebookで順次公開される予定です。

■「#WELOVES660」 https://www.honda.co.jp/S660/WELOVES660/
■「S660 History」 https://www.honda.co.jp/S660/history/
■ S660 Facebookアカウント https://www.facebook.com/S660.official

S660 Modulo X Version Zの主なスペックと価格

■全長:3,395mm
■全幅:1,475mm
■全高:1,180mm
■エンジン:660cc DOHCエンジン
■トランスミッション:6MT
■駆動:MR
■最高出力:47kW(64PS)/6,000rpm
■最大トルク:104N・m(10.6kgf.m)/2,600rpm
■価格:3,150,400円(消費税込み)

まとめ

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昨今、時代の流れやコロナ禍などもあり、車に実用性や機能性が求められる中で、2シーターのスポーツカーはどんどん少なくなっています。

今回のS660生産終了の一報を受け、ファンやオーナーの間には、驚きや動揺の声が広がるとともに、手放したS660を急いで買い戻そうとする元オーナーなども現れました。

やはりドライバーとして走りの楽しさを直接実感できるオープンスポーツは、愛着もまた大きいものです。
早くも中古車市場で高騰の予感さえ見せていますが、今後もこういった流れは続きそうです。