多連スロットルは、どんな作用をするパーツで、どのようなメリットやデメリットが存在するのでしょうか。さらには、純正で標準装備されている車をご紹介します。

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多連スロットルとは

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一般的な車のエンジンは、シングルスロットルと言って、エンジンへ取り込む空気量を調整する、弁のようなものが、一つだけ付いています。

それに対し、多連スロットルは各気筒それぞれに、独立して弁が付いているのが特徴です。

4気筒エンジンなら4つのスロットルバルブ、6気筒なら6個、12気筒なら12個の弁が付いていて、略して「4スロ」や「6スロ」と呼ばれます。

メリット

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一般的なシングルスロットルの場合、各気筒で吸入空気が均等に行き渡ることはありませんが、多連スロットルにすることで、それぞれの気筒に対し、均一に空気を送り込むことが可能。

シングルスロットルでは頭打ちになってしまう、高回転域での、特にエンジンパワーをより発揮し、スポーティーな走りを楽しめるなど、サーキット走行向きの効果を出すことができます。

また、ハイカム仕様やハイコンプ仕様のエンジンに適しており、多連スロットルと合わせることで、より高い効果を期待する事が可能。気持ちのいい独特な、エンジンサウンドも人気です。

デメリット

低回転域が不得意で、シングルスロットルに比べ、トルクが出にくく、発進、停止を繰り返すような街乗りユーザーには適しません。

そのため、ただ単に、ノーマルエンジンを多連スロットル化しても効果は得られず、逆にデチューンとなってしまいます。

セッティングも難しく、一般ユーザーには不向きなチューニングメニューです。

純正で多連スロットルが装備された車

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多連スロットルが純正状態で装備され、スポーツ走行時に、より高回転域でパワーを出せるようにチューニングされたスポーツカーが存在するので、いくつかご紹介します。

カローラレビン、スプリンタートレノ AE110 AE110 AE111

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トヨタより1991年〜1995年の間、販売されていたAE101。

1995年〜2000年の間に販売されていたAE110や、AE111の型式を持つ、トヨタ カローラレビンとスプリンタートレノには、純正で多連スロットルが搭載されており、今日においても、チューニングカーとして流用されることがあります。

エンジンスペック(AE111 BZ-V)

エンジン型式:4A-GE

最高出力: 165ps(121kW)/7800rpm

最大トルク:16.5kgm(161.8Nm)/5600rpm

種類:直列4気筒DOHC

総排気量:1587cc

ビート

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ホンダより1991年〜1996年の期間、販売されていた、2シーターオープンカーのビートに搭載された直列3気筒エンジンには、多連スロットルが標準装備されており、自然吸気エンジンの軽自動車では唯一、馬力規制64PSに達しています。

軽自動車規格の軽量コンパクトボディーに搭載された、軽快な走行フィールが人気のモデルです。

エンジンスペック

エンジン型式:E07A

最高出力: 64ps(47kW)/8100rpm

最大トルク:6.1kgm(59.8Nm)/7000rpm

種類:直列3気筒SOHC

総排気量:656cc

RNN14パルサーGTI-R

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日産より1990年〜1995年の間、販売されていた4代目 N14型系のパルサー3ドアハッチバック GTI-Rグレードにも、純正搭載されています。

チューニングされたSR20DETエンジンに、フルタイム4WDシステムATTESAが搭載され、レース界でも活躍した1台です。

エンジンスペック

エンジン型式:SR20DET

最高出力: 230ps(169kW)/6400rpm

最大トルク:29.0kgm(284.4Nm)/4800rpm

種類:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1998cc

日産 RB26DETTエンジン

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日産が開発したRB26DETTエンジンにも、多連スロットルが純正採用されています。

そして、1989年〜1994年に販売されたスカイラインGT-Rの3代目 BNR32型、1995年〜1998年に販売された4代目 BCNR33型、1999年〜2002年に販売された、5代目 BNR34型、ステージアの特別仕様車260RSなどに搭載されました。

名機として、語り継がれるエンジンです。

エンジンスペック(BNR34)

エンジン型式:RB26DETT

最高出力: 280ps(206kW)/6800rpm

最大トルク:40.0kgm(392Nm)/4400rpm

種類:直列6気筒DOHCターボ

総排気量:2568cc

まとめ

多連スロットル化は一長一短ありますが、チューニングメニューの中でも、人気の高いメニューです。

しかし、単体で取り付けても意味がなく、トータルバランスを考えてセッティングをしないと、逆にデチューンになってしまうため、専門知識と経験があるチューニングショップで設定をしてもらい、幾度もテスをを繰り返し、熟成していく必要があるため、注意しましょう。