国産ではスバルのインプレッサやレガシィ、フォレスター、86/BRZが、海外ではポルシェやワーゲンなどが採用している水平対向エンジン。ボクサーエンジンや、フラットエンジンとも言いますね。では、名前こそよく聞きますが、実際どのような構造なのでしょうか?わかりやすい動画と併せて、今回の記事では、そんなボクサーエンジンについて、ご紹介します。
水平対向エンジンとは
エンジンの形式のひとつ、水平対向エンジン。ボクサーエンジンや、フラットエンジンとも言います。
歴史は古く、初登場は1896年。メルセデス・ベンツを販売しているダイムラー社の創業者、カールベンツ氏が発明しました。
国産車ではインプレッサなどスバルの車両が、海外ではポルシェや、フォルクスワーゲンのビートルなどが水平対向エンジンを採用しています。
このエンジンの特徴としては、直列エンジンなどと違い、クランクシャフトを挟んで左右にシリンダーが配置されていること。
また、V型のように斜めの配置ではなく、水平に配置していることから「水平対向」という名がついています。
ボクサーエンジンとも呼ばれますが、これは並んだピストンの動きがボクサーが打ち出すパンチに似ているところからついたとのことです。
左右対称にピストンが動くことで、お互いのシリンダーの振動を打ち消し合うため、直列エンジンなどに比べて耐振動性に優れています。
ちなみに、左右ひとつずつ、2つのシリンダーが必要なため、2気筒や4気筒、6気筒など、偶数シリンダーのエンジンしかありません。
では、実際どんな動きをするのか?動画で見てみましょう。
水平対向エンジンの動きがよくわかる動画
ピストンが上下に動く直列やV型のエンジンにくらべ、左右同じ方向から向き合って力がかかる水平対向エンジンは、お互いの力を打ち消す。その構造ががよくわかりますね。
また、シリンダーを縦に伸ばす必要がないことから、車自体の重心を下げることが可能。というのもよくわかると思います。
水平対向エンジンの魅力とは
そんな水平対向エンジンのメリットとデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
水平対向エンジンのメリット
・直列やV型エンジンなどの他のレシプロエンジンに比べて、全高を下げることができる。結果的に低重心となる。
・直列エンジンと比べて、同じ気筒数でもクランクシャフトを短く、軽量に製作できる。
・等間隔で左右のシリンダーが動作するため、お互いの振動を相殺。耐振動性に優れている。
・表面積が広いため、空冷エンジンの場合冷却効果の向上が望める。
水平対向エンジンのデメリット
・水平にシリンダーを配置することで、潤滑油が均一に広がらず、偏摩耗などの問題が発生する場合がある。
・左右にシリンダーを配置するため、全幅が広くなりがち。
・吸排気など、各シリンダーにつながるパーツも左右に配置する必要があり、大きくなりがち。
さて、ここまで読んできましたが、水平対向エンジンはどんな車に積まれていたのでしょうか?
そして、180°V型エンジンとの違いとは?詳細は、次のページで!