今、日本で一番盛り上がりを魅せている、ワンメイクレース「86&BRZレース」その結果を左右していると言っても過言ではないタイヤについて調べてみました。
86/BRZレースのタイヤ競争。初年度(2013年)は、ブリヂストンタイヤが大活躍の年となり、2014年はヨコハマタイヤがシリーズを圧巻。2015年は、クラブマンクラス/プロクラスとクラスが分かれ、クラブマンクラスはブリヂストンが圧倒的速さを見せ、プロクラスはブリヂストン、グッドイヤータイヤが巻き返しますが・・・最終的にはヨコハマタイヤがシリーズを制しました。
2013年のシーズン開始時から年々激しさを増しているレースですが、ドライバー以外の要素で重要なタイヤによる争いについてまとめてみました。
CONTENTS
86&BRZレースでタイヤが何故注目されているのか?
スーパーGTと同じで、タイヤはワンメイクではないのです!そして、プロドライバーがプライドをかけて戦っているのです。
と言う事は、タイヤメーカーがスーパーGTと同じように開発競争を行っているので注目されています。
そして、なんと一部のタイヤはレースに出場する同意書を書かないと購入できないとか・・・
86&BRZレースでのタイヤのレギュレーションは、
ラジアルタイヤであること。(皆さんが一般的に使っているタイヤ)
205/55/16のサイズであること。(205幅で、扁平率55%、16インチ)
と決められています。
そして、
[クラブマンシリーズ]
使用できるタイヤ銘柄は、各タイヤメーカーの1銘柄指定とする。指定タイ ヤメーカー以外の他銘柄は使用不可。
出典:2016 レギュレーションブック(規則書・正式版)
[プロフェッショナルシリーズ]
使用タイヤに関しては、下記事項を満たすこと。
1.タイヤ接地面にタイヤを1周する連続した複数の縦溝を有していること。ただし、縦 溝のみを有したタイヤの使用は認められない。
2.当該縦溝はトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)が出るまで維持されていること。
3.国内市販タイヤ。
4.T.R.A.が通称Sタイヤ(モータースポーツ競技用タイヤ)およびそれに準ずると判 断したタイヤの使用は認められない。これに準ずると判断された場合、猶予期間 を持たずに使用禁止にする場合がある。
出典:2016 レギュレーションブック(規則書・正式版)
です。
加熱するタイヤ競争!各メーカーのタイヤを比べてみた。
プロクラスで使われているタイヤ。
クラブマンクラスで使用可能なタイヤです。
左から、ヨコハマ(YH)タイヤ、ブリヂストン(BS)タイヤ、ダンロップ(DL)タイヤ、グッドイヤー(GY)タイヤ、東洋タイヤです。
プロクラス、クラブマンクラス共に、一般スポーツ走行向けラジアルタイヤなのですが、タイヤパターンが普段はいているタイヤと・・・全然違いますね。
※画像の見た目によるサイズ感は正しくないのでご注意ください。
レース結果を見てみると・・・
※PPは予選ポールポジション
2013年はブリヂストンタイヤの年で、2014年はヨコハマタイヤの年であることが分かります。
勿論、ドライバーの実力がレースに一番影響を与えますが、タイヤという側面でみると2015年はほとんど同等性能になったと行っても良いと考えられます。
では、各タイヤがどのように進化してきたのか? をそれぞれ見ていきましょう。
YOKOHAMA ADVAN A08B
2013年の最終戦から登場した、ADVAN A08B。鮮烈な優勝デビュー後、翌年(2014年)は圧倒的速さを見せ、各社のタイヤ開発競争に拍車をかけました。
その、完成度の高さから、2015年も最終戦まで唯一、パターンを変えずに速さを見せつけシリーズチャンピオン獲得に貢献しました!
BRIDGESTONE POTENZA RE11A 4.0
POTENZA RE11A 2.0, RE11A 3.0
2013年のレース初年度に、ポテンザRE11A 2.0を登場させ圧倒的速さを作りだしシリーズチャンピオンに貢献。
86&BRZレースにタイヤ競争を引き起こしたタイヤです。
ブリジストンは2013年から3度の大幅アップデートを行い、現在のタイヤ名称は、ポテンザRE11A 4.0です。
RE11A 3.0は2014年の3月にデビュー後、僅か2カ月という期間のみ販売されRE11A 4.0にモデルチェンジしました。
DUNLOP DIREZZA ZⅡ★β02 (ディレッツァ ズィーツー スタースペックベータゼロツー)
左から、「DIREZZA ZII★α02」、「DIREZZA ZII★β」、「DIREZZA ZII★α」、「DIREZZA ZⅡ★(スタースペック)」
ダンロップタイヤは、2014年に「DIREZZA ZII★α」を販売開始後、僅か1ヶ月後に「DIREZZA ZII★β」へグレードアップ。短期間での、別バージョンの販売は関係者を驚かせました。
2015年にも、「DIREZZA ZII★α02」の発表・販売、1ヶ月後に最新モデルである「DIREZZA ZII★β02」を発表、販売を開始しレースを戦っています。
いまだ、レース結果には結びついていないが、上位で戦えるポテンシャルは十分秘めており優勝も間近と考えられる。
GOODYEAR EAGLE RS SPORT V-SPEC
EAGLE RS Sport R3-Spec,R2-Spec,R-Spec
グッドイヤータイヤは、2014年に複数回のアップデートを行いました。(左からR3、R2、R、-Specです)
R3モデルは2014年9月にデビュー後、僅か数戦のみを戦い、2015年からは使用禁止になりました。
2015年は、RSスポーツ Vスペックをリリースし、常に上位争いを見せ優勝2回と大活躍に貢献しました。
何と言っても、雨の鈴鹿で優勝したことが、タイヤ実力を証明しています。
クラブマンクラス
クラブマンクラスは、5種類のタイヤから選ぶことが出来ます。
左から、YH,BS,DL,GY,TYです。
※「YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD08」、「BRIDGESTONE POTENZA RE71R」、「DUNLOP DIREZZA Z2 STAR SPEC」、「GOODYAER EAGLE RS SPORT S-SPEC」、「TOYO PROXES R1R」
クラブマンクラスは、ブリヂストンのRE-71Rの1強となっており、プロクラスと比べてタイヤ競争が起きていないです。
タイヤ使用比率も、ブリヂストン8割、グッドイヤー1割、他1割という状況が現状を物語っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
タイヤメーカーの予算とプライドをかけた戦い。今年はどのようになるのでしょうか?
楽しみですね!