今回のスーパー耐久第2戦は、グループ1とグループ2に分けて決勝レースが開催。普段は上位クラスのバトルばかり注目され、影を潜めているST-4、5クラスだが、今回のレースフォーマットにより激戦区のバトルがクローズアップ。特にST-4クラスはトヨタ86同士のバトルとなった。
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予選から0.001秒を争う接戦に、ENDLESS・ADVAN・86がポールポジションを獲得
午前に公式予選を行い、その日のうちに決勝レースを開催したグループ2。その中でもST-4クラス激しいポールポジション争いが展開された。
中でも#13ENDLESS・ADVAN・86と#86 TOYOTA Team Tom’s SPIRIT 86は、A・Bドライバーともに1分33秒台をマーク。合計タイムでも、わずか0.060秒差という僅差。
今回は13号車がポールポジションを勝ち取った。
好調の86号車にまさかのペナルティ
14時40分から始まった3時間の決勝レース。スタートでは86号車の松井孝充がホールショットを奪う。序盤は好調で、周回を重ねるたびに後続を着実に引き離す速さをみせた。
このまま今季初優勝に向かって進みたいところだったが、スタート時にコントロールラインを通過する前に13号車を抜いていたのしてジャンプスタート(フライング)と判定。ドライブスルーペナルティを受け、9番手まで後退を余儀なくされた。
一番強敵とも言えるライバルが思わぬ形で脱落。これでレースの主導権を握ったのは13号車だった。13号車は村田、小河、元嶋とバトンをつないでいく。2位以下に20秒以上の差をつけ、開幕2連勝に近づいていった。
これぞS耐?多彩なピット戦略で終盤は激戦に
今回はレース中にドライバー交替を伴うピットストップを2回行わなければならないという義務が設けられた。しかし、ST-Xのように「このドライバーは何分走らなければならない」という細かな縛りがないため、チームによって変則的な戦略をとるところも多く見られた。
トップの13号車は3時間をほぼ均等に割る形でピットストップ。ペナルティで後退した86号車もほぼ同様の作戦を敢行。特に中盤の井口卓人が頑張り2番手まで順位を取り戻した。
これに対し超変則的な戦略をとってきたのが#55 SunOasisネッツトヨタ東埼玉86。スタートドライバーの小野田貴俊が35周まで引っ張りピットイン。
伊藤毅が第2スティントに出て行くが、なんと5周後に早くもピットイン。これはトラブルではなく戦略。残り1時間40分以上のロングスティントをたしろじゅんが務めた。
変則的な戦略により、中盤は順位の把握が難しかったが、ライバルが最終ストップを終えた頃には86号車の背後につき、表彰台争いに加わっていった。
さらに#52埼玉トヨペットGreenBrave86もピットストップを遅めにするような戦略をとり、残り50分となった81周目に2回目のストップを敢行。脇阪寿一が乗り込みピットアウトすると、86号車と55号車の前、2番手で復帰を果たした。
これぞ激戦のST-4クラス!3台のトヨタ86による一進一退のバトル!
終盤にコース上で相対した3台のトヨタ86。3台とも接触寸前の接近戦を繰り広げ、一つでもミスをすれば脱落というシビアなバトルを展開した。
中でも勢いがあったのが86号車の蒲生尚弥。52号車の脇阪寿一を攻略しようと積極的に仕掛けていく。
しかし、SUPER GTで3度のチャンピオンを獲得している寿一も巧みなブロックをみせ隙を与えない。各コーナーで一進一退の展開が続き、集まった観客も3台のバトルに釘付けになった。
こう着状態が続いたが、残り10周を切ったところで4番手で様子を伺っていた55号車のたしろがスパートをかける。
102周目1コーナーで蒲生をパスすると、その勢いで104周目に脇阪をオーバーテイク。一気に2番手に浮上した。さらに蒲生も残り3周で脇阪を攻略に成功。なんとか表彰台圏内を確保した。
結局、終盤まで磐石な走りをみせた13号車が優勝。開幕戦のもてぎに続き2連勝をマーク。2位には55号車、3位には86号車が続いた。52号車の寿一も最後まで粘り強い走りをみせたが、表彰台に届かず4位。それでも次戦に向けて好調さをアピール。今後の活躍に期待がかかる。
まとめ
前述でも触れてきた通り、普段はST-Xなど最高峰クラスにまばかり注目がいきがちだが、ここ数年はトヨタ86の参戦台数も増えたこともあり、ST-4クラスの争いが激化している。おそらく第3戦鈴鹿の4時間耐久レースでもファイナルラップまで誰が勝つかわからないバトルが展開されるだろう。