C-HR以前のコンパクトSUVはダイハツからのOEM供給に頼っていたトヨタですが、その最初のモデルとなったブリザードはトヨタビスタ店の専売車種。OEM元のダイハツ・タフトが1984年にモデルチェンジを迎えた際にラガーと名を変えましたが、トヨタ版は引き続き2代目ブリザードとして1990年まで販売されました。初代スズキ・エスクードの登場で一気に存在感が霞んでしまいましたが、その高い実用性によって、今でも小型オフローダーマニアにとっては貴重な存在です。

 

2代目トヨタ ブリザード / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.All Rights Reserved.

 

ランドクルーザー70系の弟分、2代目ブリザード

 

2代目トヨタ ブリザード / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60012437/

 

トヨタビスタ店創業時にクレスタと共に目玉車種として登場した、初代ブリザードは、傘下のダイハツ工業から小型クロカン4WD『タフト』のOEM供給を受けていましたが、1984年4月にタフトがフルモデルチェンジしたのを受け、翌月ブリザードもフルモデルチェンジし、2代目となります。

そして本家ダイハツ版はタフトからラガーへと名前を変えますが、OEMのトヨタ版はブリザードのままで、サイズがふた回りほど大きくなって『ランドクルーザーの弟分』的なポジションはそのままでした。

また、同時期にランドクルーザーの小型ヘビーデューティー4WD版も40系(FJクルーザーの元ネタ)から70系へと代替わりしており、ブリザードの外観も40系風から70系ランクル風へと変わっています。

というより、OEM元のタフトからラガーへのデザイン変更がそのようになったというのが正しいかもしれません。

 

小さいながらも実用性の高い小型オフローダー、ブームに乗ってRV化!

 

2代目トヨタ ブリザード / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60012437/

 

2代目ブリザードと同時期にデビューした70系ランクルは、初代三菱 パジェロのヒットでクロカン4WDブームが到来しており、乗用車ライクな内外装を持つクロカン4WDの需要に応えた『ランドクルーザーワゴン』が追加で発売されました(日本では1985年10月)。

これは後にランドクルーザープラドとなるモデルですが、2代目ブリザードもそれに合わせて1985年9月に同じ2.4リッターディーゼルターボ(2L-T)を搭載し、乗用車登録のワゴンを追加。

それまでは初代ブリザード同様、メタルトップか幌で実用性一辺倒のバンボディのみでしたが、ワゴンでは後席を後方に動かして足元スペースを広げ、ヘッドレストつきの3人掛けリクライニングシートを採用するなど、後席の居住性を大幅に向上させています。

とはいっても、さすがに5ドアのロングボディまでは設定されず3ドアのままで、サスペンションもコイルスプリングを使ったランドクルーザーワゴン / ランドクルーザープラドとは異なりリーフスプリングのままでしたが、やはり後席の快適性向上のためにリヤスプリングは柔らかめに設定されました。

なお、2段トランスファー付き5速MTで操作するフリーホイールハブ付きパートタイム4WDや3段階調整ショックアブソーバー、ステアリングダンパーによる高い悪路走破性は健在で、1986年8月の改良では2WD / 4WD切り替え用ワンタッチセレクターを採用。

オプションでLSDやフロントに装着するウインチも選択でき、小さいながらも高い実用性を誇るクロカン4WDなのは変わりませんでした。

また、1987年9月にはヘッドライトが丸目2灯から角形2灯になり、グリルガードを持つ大型バンパーが装着されて、当時のRVブームに合わせた外観となり、1990年4月まで販売されています。

 

主なスペックと中古車相場

 

2代目トヨタ ブリザード / 出典:http://automobilio.info/en/Toyota/Blizzard/

 

トヨタ LD20V ブリザード バンLX 1984年式

全長×全幅×全高(mm):3,655×1,580×1,840

ホイールベース(mm):2,205

車両重量(kg):1,400

エンジン仕様・型式:2L 水冷直列4気筒ディーゼルSOHC8バルブ

総排気量(cc):2,446

最高出力:61kw(83ps)/4,000rpm

最大トルク:167N・m(17.0kgm)/2,400rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:4WD

中古車相場:皆無

 

まとめ

 

2代目トヨタ ブリザード / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60012437/

 

ランクル70系の弟分として登場した2代目ブリザードは、時代の要請に応えてかなり乗用車ライクなモデルが追加されましたが、1988年5月に初代スズキ・エスクードの発売により、ユーザーは小型クロカン4WDにも『都会派SUV』の雰囲気を求めるようになりました。

それにより、快適性を高めたとはいえ無骨な2代目ブリザードはユーザーの要望から外れた車となってしまいます。

そのため、OEM元のダイハツ・ラガーは海外での需要もあって生産を続け、日本でも1997年まで販売されますが、トヨタ版としては意義を失ったのか、2代目ブリザードの販売は1990年4月をもって打ち切られました。

そして1990年代末から再びダイハツ・テリオスをOEM元としたキャミ、同ビーゴをOEM元にしたラッシュと小型クロカン4WDの販売を再開したトヨタでしたが、結局はクロスーオーバーSUV路線が正解となったようで、現在のC-HRに至っています。

いわば『長い回り道の始まり』だった2代目ブリザードではありましたが、オフロードファンにとってはむしろ有難いモデルだった事には変わりありません。

今でも小型オフローダーを求める(それもジムニー以外で)ユーザーにとって、2代目ブリザードやダイハツ・ラガーは維持のためなら廃車があれば遠くからでも買い付けるような、貴重な宝石とも言える車となっています。

 

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