マクラーレンは新たなスーパーカー『マクラーレン600LT』を発売しました。エンジンは車名通り600馬力を発揮し、専用設計のエアロパーツや徹底した軽量化により、驚異的な加速性能や高速走行時の安定性を実現。そんなマクラーレンで4台目となるロングテール(LT)は、マクラーレンのカーライナップの中でもかなり異色のモデルといえます。
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4作目となるロングテールモデル!かなり刺激的なマクラーレン スポーツシリーズ『600LT』誕生
マクラーレンの歴史上、LT(ロングテール)の文字がついたクルマは4台存在します。1997年に発売された『F1 GTR ロングテール』、2015年と2016年に発売された『675LTクーペ』と『675LTスパイダー』、そして今回紹介するマクラーレンの新型600LTです。
最初のLTモデルであるF1 GTR ロングテールは、ゴードン・マーレイ氏が手がけた伝説のスーパーカーF1をベースに作られたロングテールモデルで、FIA GT選手権でポルシェやメルセデスベンツがトップ争いをしていた中、マクラーレンはF1ロードカーのテールをおよそ500mm延長するなどエアロダイナミクスを飛躍的に向上させたレーシングカーで、多くの勝利を重ねて来たのは言うまでもありません。
そんな由緒あるLTの称号が与えられた4台目となる600LTは、スポーツシリーズの『マクラーレン570S』をベースに軽量化され、パワートレインの出力やトルクのアップ、そして強力なダウンフォースを得られる形状のエアロダイナミクスを装備したスペシャルマシンとなっています。
マクラーレン600LTとは
マクラーレン600LTは、マクラーレン オートモーティブが6月28年に発表したスーパーカーです。
ロングテールを意味する『LT』を車名に持ち、ベースマシンである『570S』のリアエンドを47mm延長。
リアディフューザーの拡大や大型の固定式リアウィングの装着などに加え、専用のフロントスプリッターやサイドガーニッシュを装着して高速走行での安定性を向上。
全長は570Sより約70mm長く、ロングテール化の恩恵により、250km/hでの走行時に発生するダウンフォースは570Sに比べ、100kgも増えました。
570Sとは全くの別物
もちろん600LTは、570Sのリアエンドを長くしただけではありません。
約4分の1の部品を刷新し、エンジンのパワーアップや、徹底した軽量化が施されているのです。
ダウンフォース増加に寄与するトップエグジット
強力なダウンフォースを生み出す秘密は、エアロパーツだけではなく、排気システムにもあります。
600LTはリアウイングの手前、ボディ上面にエグゾーストエンドを配置。
これはF1にも見られるトップエグジット(上方排気)であり、排気が車体後方を押さえつける役割も担っているのです。
この配置によりアフターファイヤーがリア上部から出てくるのも、いかにもスーパーカーらしい演出ではないでしょうか。
徹底した軽量化で96kgも削減
570Sの車重は1,344kgですが600LTは1,247kgと、97kgも軽量化されてます。
ボディパネルの一部をカーボン製に置き換え、シートなどの内装材にもカーボンを多用。
さらに、軽量化を望む顧客に対しては、マクラーレン史上最速とされる1台『マクラーレン セナ』に搭載される超軽量カーボンファイバー製レーシングシートや、軽量素材を採用したスイッチ、カーボンファイバー製ルーフ、チタニウム製ホイールボルトも用意されています。
これらは、MSO(マクラーレン スペシャル オペレーションズ)クラブスポーツ、またはMSOクラブスポーツ・プロというパッケージオプションを選ぶと装着可能です。
0-100加速2.9秒を実現する3.8リッターV8ツインターボ
マクラーレンは、以前から最高出力値をそのまま車名に加えています。
例えば、マクラーレン570Sなら570PS、マクラーレン720Sなら720PSということ。
600LTの最高出力はもちろん600PSを誇り、最大トルクは620Nmを発揮します。
そんなハイパワーを引き出すのはオールアルミ製の3.8リッターV型8気筒ツインターボエンジンで、これに7速デュアルクラッチトランスミッションを搭載し、0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速8.2秒、最高速度は328km/hにまで達します。
ちなみに600LT発表会のために来日したコマーシャルオペレーションズ ディレクターのアレックス・ロング氏いわく、ライバル車と0-200km/h加速で比較すれば、フェラーリ488GTB、ランボルギーニ・ウラカン ペルフォルマンテ、ポルシェ911GT2RSより速いそうです。
実は快適!? レーシングカーでありながら高級感のあるマクラーレンならではの内装
600LTの内装は、まさにレーシングカー。
ホールド力の高いバケットシートはカーボンファイバー製で、耐久性と高級感を兼ね備えたアルカンターラが包みます。
さらにセンターコンソールにはカーボン、インパネやサイドパネルにはスエード素材など至る所に高級素材が使用され、ダッシュボード中央には7インチの大型タッチスクリーンディスプレイを装備。
見る限りピュアスポーツ感満載のシンプルな内装ですが、エアコン、カーナビ、オーディオは追加料金なしですべて装備されています。
ちなみに標準は非搭載とされていますが、ほとんどのユーザーがこれら装備を装着するのではないでしょうか。
ミッドシップでフルバケッドシート装備なのでリクライニングできませんが、これだけのシステムがあれば長距離ドライブも余裕。
街乗りにも十分な快適性を持つスーパーカーです。
スペック
マクラーレン600LT | ||
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,604×2,095×1,194 | |
ホイールベース(mm) | 2,670 | |
乾燥車重(kg) | 1,247 | |
エンジン種類 | V型8気筒DOHC32バルブツインターボ | |
排気量(L) | 3.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 441[600]/7,500 | |
最大トルク(N・m[lb-ft]/rpm) | 620[457]/5,500~6,500 | |
トランスミッション | 7速セミオートマ(SSG) | |
タイヤ | 前 | 225/35R19 |
後 | 285/35R20 | |
駆動方式 | RWD(MR) | |
燃費値 ※スペック値 |
fuel consumption EU | 11.7リッター / 100km(リッターあたり8.5km) |
Combined | 16.3リッター / 100km(リッターあたり6.1km) | |
Urban | 9.1リッター / 100km(リッターあたり10.9km) | |
Extra urban | 12.2リッター / 100km(リッターあたり8.1km) |
まとめ
さて気になるのは600LTの価格ですが、2,999万9000円。
さすが、高級スポーツカーメーカー マクラーレンというだけあって、約3000万円の価格帯ですが、ライバル車と比べれば実はお買い得な価格設定。
ライバル車と価格を比較 | |
---|---|
マクラーレン600LT | 2,999万円 |
フェラーリ488GTB | 3,070万円 |
ランボルギーニウラカンペルフォルマンテ | 3,419万円 |
ポルシェ911GT2RS | 3,656万円 |
しかも、0-200km/h加速でフェラーリ488GTB、ランボルギーニウラカンペルフォルマンテ、ポルシェ911GT2RSより速ければ、サーキットではライバルに優るタイムを記録できるはず!
3,000万円を高いと感じるか安いと感じるかはユーザーそれぞれではありますが、600LTは高いコストパフォーマンスを実現させたスーパーカーである事は間違いありません。
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