ブガッティは300mph(482km/h)超えを記録したハイパーカー、シロン スーパースポーツ300+の公道仕様を発売することを発表しました。価格は350万ユーロ(4億5500万円)で、30台が製造されます。
世界最速の量産車
テストの舞台に選ばれたのは、フォルクスワーゲングループが所有するドイツのエーラ レッシェンテストコースで、ドライバーを務めたのは、ル・マン24時間での優勝経験もあるブガッティのテストドライバー、アンディ・ウォレスです。
2019年8月2日、シロンに小改造を施した仕様でテストが行われ、304.773mph(490.484km/h)をマークしました。
そのおよそ1ヶ月後に発売されたのが、シロンの特別仕様車とも言うべき、シロン スーパースポーツ300+です。
驚異の1600psを誇るW型16気筒エンジン
エンジンはW型16気筒にクアッドターボを組み合わせた、シロンのチューンアップ版。
これは、テストコースでの速度記録車をベースに公道での走行を想定して開発されたもので、最高出力は1600psにのぼります。
300マイルの壁を破るためのエアロダイナミクス
単純にパワーを上げるだけでは、300マイルの壁を突破するのは容易ではありません。
ボディはレーシングカーコンストラクターとして名高いダラーラ社との共同開発となっており、最先端の風洞実験技術とCFRP整形技術が活かされています。
また、フロントフェンダー上部にはエアアウトレットが備えられており、ホイールハウス内の負圧を低減。ドラッグ現象にも貢献しています。
さらに、ボディをロングテール仕様とすることで、ボディ後端における空気の流速低下を40%も減少させることに成功。
リアウイングは「トップスピードモード」を選択すると収納され、高速域におけるドラッグを低減します。
エキゾースト周辺も大幅な変更が施されており、リアディフューザーを大型化。空気抵抗の軽減に確実な効果をもたらしています。
ビビッドな特別仕様デザイン
エクステリアにおいて、1番目を引くのが「ジェットオレンジ」と名付けられたオレンジ色のレーシングストライプです。
まるでジェットエンジンかのような2本のラインは、ボンネットからルーフを通り、ウイング後端まで大胆に貫いた形状。
ボディカウルはブラックのフルカーボンコンポジット制で、ブラックのエンジンカバー、更にはフロントガラスのワイパーに至るまでもがカーボン制となっています。
さらに、ホイールは超軽量なマグネシウム製となっており、大幅な足下重量の軽減に成功しました。
外装とシンクロしたインテリアデザイン
テスト車ではシングルシーターとなっていましたが、市販仕様では助手席を装備。
インテリアにもカーボンが贅沢に用いられており、カーボンドアシルやヘッドレスト、センターコンソール等に施されたボディカラーと同様のジェットオレンジの差し色が、コントラストを効かせています。
また、ドアを開けた時にLEDライトが地面に照射され、「Super Sport 300+」という文字が浮かび上がるのもニクい演出です。
まとめ
ブガッティオートモビルズ社のステファン・ヴィンケルマン会長は同モデルを、「これはただの特別仕様車ではありません。世界最速のラグジュアリーハイパースポーツでありながら一切の妥協を廃した美しさと快適さをもつ、紛れもないブガッティなのです。」と説明します。
わざわざボディをロングテール化してまで最高速を追求する姿勢にも現れている通り、その言葉に偽りはないと言えるでしょう。
約4億1500万円で販売予定のシロン・スーパースポーツ300+は、30台限定で2021年半ばにデリバリー開始予定です。
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