GTウイングを装着すれば車検に通らないと言われることがありますが、そんなことはありません。GTウイングは、保安基準を満たしていれば十分に車検を通すことは可能で、保安基準適合モデルが多数販売されています。そこでGTウイングや社外品リアスポイラーを装着した際に、車検に合格するための条件について解説します。
GTウイングが一律に車検非対応ではない!
GTウイングや社外品の大きなリアスポイラーを取り付ける際は、その商品が車検に対応しているのか心配なところです。
以前、私がGTウイングを装着した愛車のユーザー車検を受けるために陸運局へ行った際、一度目の検査で不合格になってしまい、陸運局の駐車場でGTウイングを外して再検査を受けた経験があります。
ちなみに、ユーザー車検では一回分の手数料を支払えば、同じクルマで1日3回まで検査を受けることが可能です。
GTウイングは装着すると車検に通らないといと思われがちですが、道路運送車両法の保安基準に適合すれば、問題なく車検に合格することができます。
GTウイングとリアスポイラーの違いとは
GTウイングは、車体後方の高い位置に翼端板を取り付けたエアロパーツで、空気の整流効果とダウンフォースを発生させます。
翼の後ろ半分を上方向へ傾けることにより、車体を地面に抑える力を得ることができ、後輪タイヤのトラクション向上に貢献する仕組みです。
そのため、フォーミュラーカーやタイムアタック車両、GTレーシングカーなど、高速でサーキットを走行する車両には大きなGTウイングが取り付けられています。
一方でリアスポイラーは、走行時に車体に沿って流れる空気を制御するもの。
空気が車体後部を流れるときに、トランク後端やルーフ末端で空気が回転する渦が発生します。
この気流の乱れは、進行方向と逆に引っ張る力となるため、速度の低下、燃費の悪化、ハンドリングの乱れにつながってしまうのです。
リアスポイラーは気流の渦の発生を抑えることができ、気流を整え、走行時の車体を安定させる効果があります。
そのため、クルマに元々装着されていることが多く、メーカーの純正パーツとしても販売。
また、多くのリアスポイラーは合法パーツですが、社外品の大きなリアスポイラーは、車検非対応のものも存在します。
GTウイング合法のための条件とは
んで悔しいのでGTウイングを付けつつ車検にパスする方法を考えた結果翼端板をボディーに接するように付ければ良い事を発見する。
初期はプラ段を挟んだだけで車検に挑んで合格。
んで何枚かの試行錯誤を経て現在の形に。 pic.twitter.com/yj3pPD9zv4— KOT(コトと読みます) (@KOTTYPES) April 27, 2017
GTウイングの保安基準は以下の通り。
・車枠の最後端・最外端にはみ出さず、クルマの元々の標準サイズにとどめること
・ウイングの最側端が、車枠から165mm以上内側に収まること
・車体と翼端の間の隙間が20mm以下であること
・溶接やボルト・ナットで頑丈に固定されていること
・エッジは鋭角ではなく、半径5mm以上のRで構成される形状であること
・鋭角なエッジまたは半径5mm以上のRで構成されない場合は60ショア硬さ以下の硬度であること
ショア硬さとは材料の硬さを表す量のことで、ショア硬さ試験機で測定されます。
60ショアとは消しゴム程度の硬さ、つまり人間に当たったとしてもゴムのようにカバーをすることでケガを防ぐことが目的です。
このようにGTウイングに関する基準は多々ありますが、保安基準に沿って設計されたGTウイングは多く販売されているため、それを頑丈に取り付けることで、車検には問題ありません。
まとめ
GTウイングを車検に通すことは、なかなか難しいことです。
保安基準を満たしていても、最終段階の判断は検査員次第。
そのため、指定整備工場やディーラーでの車検では、GTウイングを装着していると断られることもありえます。
保安基準を満たしているGTウイングであれば、街乗りでも使用して問題ありませんが、保安基準を満たしていないと警察官に止められて、不正改造で違反点数・反則金が発生することもあります。
GTウイング装着車は目立つため、警察官の取り締まりの目も厳しいのです。
そのため、きちんと保安基準を満たした合法のGTウイングやリアスポイラーを取り付けましょう。
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