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BMWらしさの象徴!キドニーグリル80年の歴史を振り返る!!

『キドニーグリル』という言葉にピンと来たあなたは、かなりのクルマ好きかBMWフリークでしょう。BMWの長い歴史の中で、多くの車種に採用されたグリルデザインで、同社を象徴する存在とも言えます。そんなキドニーグリルに最近異変が……?今回はキドニーグリルの歴史と、最近のBMWの現行ラインナップやコンセプトカーに採用されているキドニーグリルの特徴について紹介したいと思います。

キドニーグリル

出典:https://bimmerlife.com/2019/04/13/evolution-of-the-kidney-grille/

「キドニーグリル」ってどんな意味?

キドニーグリル

出典:https://xlraceparts.com/bmw-kidney-grill/

そもそも「キドニーグリル」とは、どういう意味を持つ言葉なのでしょうか?

まず「キドニー」は、英語で「腎臓」という意味で、言葉のまま、ふたつに並んだ様子が腎臓のように見えるという所に端を発しています。

「グリル」は御存知の方も多いと思いますが、エンジンを冷却するための空気をとり入れる為の網状の穴のこと。

水冷エンジンが主流になってからは、「ラジエーターグリル」と呼ばれることもあります。

つまり直訳すると、「腎臓のような形をした空気の取り入れ口」ということになりますが、最近のキドニーグリルには実際にはラジエーターを冷やす役割を持っていない、ダミーグリルも存在します。

キドニーグリルが初めて採用されたクルマは?

キドニーグリル

出典:https://www.autoevolution.com/cars/bmw-303-1933.html#aeng_bmw-303-limousine-1933-12

BMWにおいて初めてキドニーグリルが採用されたクルマは、1933年に発表された「BMW 303」と呼ばれるモデルです。

現代のキドニーグリルと比べると、かなり縦に長い形状をしているのが特徴的。

これは当時の自動車のエンジンルームが大きく、高さもあったことに由来しています。

グリルにこれだけの面積を確保しないと、エンジンを冷やせなかったのです。

徐々に横長の形状へと進化

キドニーグリル

出典:https://www.bmw-m.com/en/topics/magazine-article-pool/bmw-m3-e36-portraet.html

以降、およそ80年に渡ってBMWのシンボルであり続けたキドニーグリルは、最初の縦型からエンジンルームの小型化に伴い、徐々に横長の形状へと変わっていきます。

そして90年代には、ボディの直線的なシルエットに同調して四角形に近い形状になっていたり、2000年代以降は四隅の角が取れてなめらかなシルエットに変化していたりと、時代に合わせて少しずつ意匠を変化させている事が分かります。

キドニーグリルの最近のトレンド

キドニーグリル

出典:https://www.motor1.com/news/270164/bmw-x7-vs-bmw-x5/

では、直近のキドニーグリルはどのような形状をしているのでしょうか?

BMWのSUVラインを担うXシリーズでは、大型化が顕著に見られます。

特に2018年にデビューした3列シートのフラッグシップSUVである、新型X7のキドニーグリルは非常に大きく、見るものにかなりのインパクトを与える存在となっています。

これは、近年の高級車の購入者層に中国の富裕層が多分に含まれていることが影響しているようで、中国では派手でわかりやすく、押し出しの強いデザインが好まれる傾向にあるのです。

さらに大型化の一途を辿るキドニーグリル

キドニーグリル

出典:https://www.motor1.com/news/369819/bmw-concept-4-unveiled-frankfurt/

先日のフランクフルトモーターショーで公開された、BMWコンセプト4シリーズクーペは、その名の通り次期4シリーズのコンセプトカーです。

何より目を引くのは、その巨大なキドニーグリル。

フロントフェイスの中でかなりの割合を覆うその面積は、やや大胆すぎるようにも見え、オールドスクールなBMWを好むファンからすれば賛否両論かもしれません。

縦に長くなった比率は、前述した初めてキドニーグリルが採用されたモデルである328からインスピレーションを受けているとも言われています。

まとめ

キドニーグリル

出典:https://www.pinterest.jp/pin/13862711327128268/?lp=true

時代を超えて常にBMWにとっての大切なデザインアイコンであり続けるキドニーグリル。

フロントグリルという車のデザインにとって最も大事なパートの1つに同じモチーフを使い続けるのは、デザイナーにとっては悩ましいポイントかもしれません。

しかしそれ以上に、ブランドの強いシンボルとして、多くの人々に認知されているのも事実です。

大型化のトレンドは、果たして今後のキドニーグリルのスタンダードとなっていくのでしょうか?

いちBMWファンとしても、今後の動向が楽しみです。

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著者:石井 義平

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