2019年9月10日、ドイツで開催されたフランクフルトモーターショーで、ランドローバーが新型ディフェンダーを発表しました。オフロードにおける走行性能をひたすらに追求し、無骨でタフな印象を長年貫き続けてきたディフェンダーですが、ここに来て遂にフルモデルチェンジ。エクステリアはもちろん、インテリアやパワートレインも含めて全てが新しくなっており、伝統のラダーフレームからアルミニウム製のモノコック構造に変更された点にも注目が集まっています。
CONTENTS
そもそもディフェンダーってどんなクルマ?
ディフェンダーは、ランドローバーが1948年に発表した初の市販車、「シリーズ1」に端を発します。
シリーズ1はシリーズ2、シリーズ3と進化を続けましたが、1983年に『ランドローバー90/110/127』が登場。
“シリーズ〇”という表記を改め、ホイールベースをインチ表記した数字が車種名となりました。
デビュー当時からコンセプトにブレがなく、高剛性のラダーフレームにフルタイム4WDと、悪路走破性の高さを追求した作りとなっています。
1990年「ディフェンダー」のモデル名が誕生
当時のランドローバーのラインナップは、90/110以外には高級SUVのレンジローバーのみでしたが、1989年にディスカバリーが登場すると、車名の混乱を防ぐために、ディフェンダー90/110/130と車名を変更されます。
これが1990年の出来事で、今に繋がるディフェンダーという名前の始まりとなりました。
その後数回のモデルチェンジを繰り返し、2015年12月に生産終了。
およそ67年もの歴史に、幕を下ろすことになりました。
新型ディフェンダー(L663)
待望の新型も、過去のネーミング規則に従い、ショートホイールベース仕様のディフェンダー90、ロングホイールベース仕様のディフェンダー110がラインナップされます。
いかにも道具然としていたこれまでの無骨なデザインと比べ、新型はやや角が取れて丸みを帯びた印象となっており、これは往年のファンにとっては賛否がわかれる所でしょう。
オフロード走行に必要のない前後のオーバーハングは短く設計され、横開きのテールゲートやスペアタイヤ等は先代からの踏襲となっています。
構造から考え直された新型フレーム
シャシーには、未舗装路や雪道等の悪路における走破性を追求して新開発された「D7x」アーキテクチャーを採用。
D7xは、これまでのラダーフレームではなく軽量アルミニウムを用いたモノコック構造となっており、非常に高い剛性を誇ります。
サスペンションは前後共に独立懸架式で、エアサスとコイルサスを選択することが可能です。
数字で見る悪路走破性
最低地上高は291mm、アプローチアングル(バンパーと前輪を繋いだ線が地面となす角度の事。前後のバンパーの地面への干渉しやすさを示す)が38度、ブレークオーバーアングル(全後輪それぞれの接地点から車体中央部までを繋いだ角度)が28度、デパーチャーアングル(アプローチアングルの後輪版)が40度。最大渡河水深は900mmとなっており、この他にもボンネットの真下をカメラでリアルタイムに確認できる「クリアサイトグラウンドビュー」や、路面に応じて走行モードの切り替えができる「テレインレスポンス2」等、ハイテク装備の導入にも積極的です。
時代に適応したパワーユニット構成
エンジンはガソリンとクリーンディーゼルから選ぶことが可能で、ガソリンエンジンはマイルドハイブリッドを採用した4気筒のP300と、ハイパワーな6気筒を搭載したP400を用意。
ディーゼルは2リッターのD200と2.4リッターのD240から選択可能で、2020年にはなんとプラグインハイブリッドの追加が予定されていますが、日本国内導入は2.0リッター4気筒ガソリンエンジンのP300のみが予定されているようです。
伝統のオフローダーにPHVという組み合わせは新鮮ですが、環境への配慮も忘れないメーカーの姿勢が伝わってきます。
まとめ
頑なに守り続けてきたラダーフレーム構造に別れを告げ、新たな「D7x」アーキテクチャとハイテク装備を武器に、更なる走破性の向上を掲げる新型ディフェンダー。
日本への導入時期/価格ともに未定となっていますが、今後のアナウンスが楽しみな1台です。
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!