輸入車オーナーの悩みとして多いのが、”ブレーキダスト”でしょう。国産車に比べてダストの量が多く、洗車をしてもすぐに汚れてしまうだけでなく、ブレーキの鉄粉でホイールが傷付いてしまうことも。モタガレで中古車の仕入れを担当している弊社ヨシダも、そんな悩みを抱える1人です。今回は愛車のBMW 325iツーリングに国産ブレーキメーカー『DIXCEL』の低ダストブレーキパッドを試してみるという事で、長期テストを行いました!

text&photo:モタガレ

なぜ欧州車はブレーキダストが酷いの?

国産車に比べて欧州車、特にBMWやメルセデス・ベンツに代表されるドイツ車は、ブレーキダストが多いと言われています。

実際に愛車BMW 325iツーリングのMスポーツパッケージに乗る、モタガレ中古車担当のヨシダも、ブレーキダストに悩むひとりです。

ヨシダ:「洗車は好きで、なるべく週に1度は洗うように心がけてます。

忙しくても月に1度は絶対にクルマを洗ってますが、BMWのブレーキダストはモノスゴイです。

洗車は好きですけど、車が汚れるのは嫌なので、なんとかしたいと思っています。」

実際にオーナーではなくても、確かに街ゆくBMWやメルセデスで、ホイールが汚れてるクルマをチラホラ見かけます。

なぜ、欧州車の足元は汚れやすいのか?
ズバリ、その答えは材質です。

かつてはアスベストが用いられていたブレーキパッドですが、現在はNAO材(NON STEEL NON ASBEST ORGANIC)が主流となっています。

これは特に国産車によく用いられており、主成分はグラスファイバーやアラミド、銅、セラミック。

特徴としては、ローターへの攻撃性が少ないほか、ブレーキの鳴きも少なくて低コスト。

さらには、快適性にも配慮された材質となっています。

対してBMWやメルセデスベンツのような欧州車系のクルマに用いられるのが、メタル系と呼ばれるパッド。

前述のNAO材にスチール成分を10~30%配合したもので、NAO材より耐熱性が高く、効きが強いのが特徴ですが、その分パッドやディスクの摩耗も激しいのです。

アウトバーンがあったり、ずっと陸続きで数千kmと移動することも考えられるヨーロッパのフィールドでは、島国の日本よりも激しいブレーキの使われ方が想定されており、パッドだけでなくローターも消耗品という考え方が文化として根付いています。

日本の高速道路では一部区間での120km/hが法定速度の最高値だと思いますが、無制限区間のあるアウトバーンで200km/hオーバー域からのブレーキングでも安心して止まれる製品を提供するために、メタル系がチョイスされているのです。

まずは、純正パッド/ローターをチェック!

検証開始前の純正ローター/パッドの状態(右フロント)

検証開始前の純正ローター/パッドの状態(右リア)

「理屈は分かったけど、実際にはどのくらい汚れるの?」という訳で、早速検証開始。

まずはヨシダ行きつけの洗車場へ行き、汚れたホイールをピカピカに掃除します。

500km走行時の純正ローター/パッドの状態(右フロント)

500km走行時の純正ローター/パッドの状態(右リア)

洗車からちょうど1週間後、500kmほど走行した状態がコチラです。

うーん、たった1週間でここまで汚れちゃうと、いくら洗車好きのマメな人でもショゲちゃいますよね。

しかも幸か不幸か、ちょうどこの検証中にブレーキパッド警告灯も点き、どのみちパッドを交換せざるを得ない状況に。

そういう訳で、これまたヨシダ行きつけのショップでブレーキパッド&ローター、ついでにフルードも交換してもらいましょう!
(※ダメージの激しいメタル系パッドを使用した際は、ローターの残量もキチンとチェックしましょう)

今回交換したのはコレ!

今回交換したのはDIXCELの低ダストタイプブレーキパッド『Type M』とブレーキローター『PD type』。 / ©︎モタガレ

今回、ヨシダがチョイスしたのはDIXCELの低ダストタイプブレーキパッド『Type M』と、ブレーキローター
がスタンダードな『PD type』を前後セット。

それに合わせて、ブレーキセンサーやブレーキフルードも交換しました。

(…ちなみにモタガレでも取り扱っています……)

DIXCEL製、低ダストタイプのブレーキパッドはNAO材で出来ているので、メタル系のブレーキパッドに比べてダストは少ないはずですが、果たしてどうなのでしょうか。

ヨシダ行きつけのショップ、横浜市都筑区の『Revolfe S.A.』さんにて交換。 / ©︎モタガレ

ブレーキ周りは、国の認証を受けた整備工場で交換する必要があります。

今回作業をお願いしたのは、ヨシダ行きつけのショップ、Revolfe S.A.さん。

横浜市都筑区に店舗を構えるこちらのショップは、チューニングカーのイメージが強いのですが、車検整備やレストアまで幅広い作業に対応しています。

上がDIXCELの低ダストパッド『Type M』で下が純正パッド / ©︎モタガレ

警告灯が点いていたブレーキパッドですが、ご覧の有様。完全に天命を全うしておりました。

上が今回交換する低ダストタイプの『Type M』です。

ちなみにBMWのようなメタル系のパッドを使っている車種は、パッド交換の度にローターも交換するのが理想だと、担当のメカニックさんが教えてくれました。

ショップ情報

Revolfe S.A.(レヴォルフェ エスアー)
住所:〒224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町3960
定休日:土曜日、第二/第四日曜日、祝日
営業時間:10:00〜19:00
TEL:045-929-6087
FAX:045-929-6086
URL:http://revolfe.com/

交換費用比較

DIXCEL品番 DIXCEL定価 純正定価
ブレーキパッド
Fr 1213794 21,000円 17,000円
Rr 1251577 19,000円 10,500円
ブレーキディスク
Fr 1214643 20,000円 44,000円
Rr 1254653 20,000円 40,000円
ブレーキセンサー
Fr 0312-L635 2,000円 2,200円
Rr 0313-L1093 2,000円 2,500円
合計 84,000円 116,200円

気になる結果は……?

さて、おニューのブレーキパッド/ローターに交換し、ウキウキのヨシダですが、工場から出荷したてのパッド/ローターには、まずアタリを付ける必要があります。

ストリートのみを走行する場合のメーカー推奨は、300~1000kmほどです。

この時に急制動など激しい動きを行うと、ローターの歪みが発生してしまう可能性があるため、安全運転を心がけましょう。

今回は長期テストということで、ここまで。

後編ではアタリをつけ終わり、そこから更に500km走行した際のブレーキパッド/ローターの状態を確認します!

メーカー情報

DIXCEL(ディクセル)

URL:http://www.dixcel.co.jp/
E-mail:info@dixcel.co.jp

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