昨今のスマートフォンやPCなどデジタル家電に囲まれた私たちは、どこかアナログさを求めている風潮があります。そんな流れに乗って、あえてアナログなクルマで運転の楽しみを感じてみるのはいかがでしょうか?1990年代初頭に登場した、通称「ABCトリオ」と呼ばれる、オートザム(マツダ)AZ-1、ホンダ ビート、スズキ カプチーノの3台は適度にアナログで、なおかつ軽自動車なので維持費も安価。そんなABCトリオの中でも、“高回転まで回るNAエンジン”を“ミッドシップ”に搭載し、“オープン2シーター“のボディを持つ趣味性のカタマリのようなビートを専門的に取り扱うお店。所沢にある「ポジションオートサービス」の碇谷さんと共に、「今ビートに乗る。」ということについて、勉強していきましょう!

Text : Koichi KOBUNA
Photo : Takanori ARIMA

そもそもビートとはどんなクルマ?

ホンダ ビートは、1991年5月に発売された軽自動車です。

8100回転で64馬力の最高出力を発生させる高回転型、E07A型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンをミッドシップに搭載し、5速MTを組み合わせたモデル。

特別仕様車はいくつかリリースされましたが、パワートレインはすべて共通となっています。

ルーフ部には、ひとりでも開閉が容易な手動ソフトトップが採用され、手軽にオープンエアモータリングを楽しむことができるのも魅力のひとつでした。

とは言ってもビートの一番の魅力は、そのシンプルさからくる運転の楽しさでしょう。

低速で交差点を曲がるだけでもニヤけてしまうそのフィーリングは、現代の電子制御が満載となった車両とは異なり、ドライバーの操作に素直に呼応するもの。

そんな運転の楽しさこそが、多くのユーザーの心をとらえて離さない一番の要因なのかもしれません。

限られた軽自動車の規格内に収めつつ、正しいドライビングポジションを実現するために、センタートンネルごと25mm助手席側にオフセットしていることからも、ドライバーズカーであることは明確です。

そんなビートは、1996年に販売を終了するまでに34000台弱が生産されましたが、その半数以上が現在も現存していると言えば、どれだけ愛され続けたモデルなのかが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

中古ビートを狙うときの注意点とは

今回はビートをメインに扱うポジションオートサービスの碇谷さんに、ビートに乗る注意点を聞いてみました。

碇谷さんによると、生産が終了してからすでに20年以上が経過したモデルにも関わらず、ビートはまだまだ部品の供給が豊富とのこと。

さらに、2017年からは一部絶版パーツの再生産がホンダからアナウンスされ、今後は今まで以上に維持しやすいモデルになるのではないかということでした。

高スペックな軽自動車と言えば、大半がターボエンジンモデルですが、ビートはNAエンジン。

そのため、基本的に致命的なトラブルは出にくいそうで、定期的なオイル交換などのメンテナンスさえしっかりしておけば、長く楽しめるそうです。

オープンモデルということで、幌の劣化による雨漏りなどは避けられませんが、現在も部品の供給はされているので、ウェザーストリップまで含めた一式のリフレッシュでも、15万円前後できるそう。

これは、これからオーナーになる人も、すでにオーナーの人も安心できるポイントです。

また、屋外駐車で幌の劣化、雨漏りが心配という方には、ポジションオートサービスがオリジナルでリリースしている「ハーフボディーカバー(幌カバー)」がオススメ。

少量生産ゆえ、生地の値段で価格が変動してしまうとのことですが、それでも1万円以下で購入できるこのカバーは、同様の他製品と比べても、高品質なところが自慢だそうです。

固定方法は、ビートの幌の鋲を生かしているので、簡単に脱着可能で見た目もスッキリ。

これも、専用設計だからこそなせる技です。

ボディについては、ミッドシップということで左右にエアインテークダクトが備わっているのですが、そこから水が入ることも度々。

通常であれば水抜き穴から抜ける構造になっているのですが、ここにゴミなどが詰まってしまうと水が溜まり、サイドシルなどを腐食させてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

20年以上前のモデルながら、現代でも普通に乗ることが可能なビートの乗り味は、今の電子制御で完成された自動車に慣れた方には、新鮮かも知れません。

しかし、それこそが本来の”運転”の楽しみと言えるのではないでしょうか。

とは言え、やはり最新のモデルに比べると、不測のトラブルや部品供給の悪さは心配なところ。

そのあたりが気になる方は、スペアパーツを多くキープしているだけでなく、ビートの酸いも甘いも知り尽くしたポジションオートサービスに相談してみるのも一つの手と言えるかもしれません。

ちなみにポジションオートサービスでは、だいたい30万円前後で購入可能なビートを販売しているそうです。

ショップ情報

POSITION AUTO SERVICE有限会社
(ポジションオートサービス)
住 所:〒359-0015 埼玉県所沢市日比田110-1
TEL:04-2951-5050
MAIL:info@position-as.com
営業時間:10:00~20:00
※営業時間内でも不在の場合がございますので、ご来店の際には一度お電話にてご確認下さい。
定休日:不定休
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