2019年7月に発表された新型スカイライン。そのスポーツグレードとして設定された「400R」の文字に、ピンと来た方もいるかもしれません。実はスカイラインに400Rの名が与えられるのは今回が初めてではなく、過去にR33スカイラインGT-RにNISMOが特別なチューニングを施した、「NISMO 400R」と呼ばれる希少な限定車がありました。
掲載日:2019.10/18
そもそもNISMOって?
ニスモこと、ニッサン モータースポーツ インターナショナル株式会社は、日産の連結子会社で、主にモータースポーツ向けパーツの設計、製造、販売やレース活動を行っておりいます。
また、車両トータルでのチューニングを施したコンプリートカーの販売も行っており、ライトチューンからレーシングスペックの本格仕様まで、過去にも様々なモデルを発表しました。
ニスモの技術を結集させた特別な1台
NISMO 400Rの当時の車両価格は1200万円とかなり高額で、55台のみが製造されました。
名前の「400R」は、最高出力である400馬力に由来しており、通常の280馬力から大幅なパワーアップを果たしています。
アグレッシブなエアロパーツ類
カーボン製のリアウイングやダクトの付いたフロントスポイラーとサイドスカート、エンジンフード等は、当時のGT選手権を彷彿させるレーシーな造形です。
ワークス謹製のチューンドエンジン・「RB-X GT2」
エンジンは元々2.6リッターのRB26DETTの排気量を2.8リッターにアップしたもので、「RB-X GT2」と名付けられました。
これに当時のN1マシンと同様のギャレットN1メタルタービンが組み合わされ、最高出力は400ps/6800rpm。
トルクはノーマルと比べて50%アップしつつもターボラグを感じさせず、どの速度域でもパワフルなエンジン特性を持っています。
さらに、高出力に耐えるために駆動系も特別なパーツのオンパレードとなっており、クラッチはツインプレート化。
プロペラシャフトはカーボン製で、ブレーキパッドやマスターシリンダーといったパーツ類も専用品が奢られていました。
また、足回りにも抜かりはありません。
ビルシュタイン製の専用ショックアブソーバーがセットされており、ホイールは10J×18とワイドで、力強くレーシーな印象を与える5本スポークの専用デザインとなっています。
「走り」重視のインテリア
内装は快適性を犠牲にしたレーシーな雰囲気となっており、ストイックに走りを追求するユーザーに向けて仕立てられました。
NISMOロゴが施された専用のバケットシートにチタン製のシフトノブ、400Rのロゴが入ったステアリング等、コンプリートカーならではの豪華仕様です。
専用のメーターは320km/hまで表示されていることから、その本気度が伺い知れます。
まとめ
わずか55台しか生産されなかった希少なコンプリートカー、NISMO400R。
単にエンジンパワーを追求しただけでなく、外装、駆動系、内装までトータルにチューニングを施すことで、「走る・操る楽しさ」を追求したパッケージングは、ベース車を知り尽くしたメーカー直系の子会社であるNISMOだからこそ出来た車作りであると言えるでしょう。
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