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佐藤琢磨がインディ2017開幕戦で5位!好結果の裏側で支えになった存在とは?

今年もアメリカのインディカー・シリーズに挑戦する佐藤琢磨。2010年から参戦を開始し早くも8シーズン目に突入。チームを移籍して臨んだ初戦は、5位という結果でした。この順位だけを見れば「良い結果だ!」という人もいれば、「5位って別に普通じゃないか」と思う方も多いでしょう。しかし、チームを移籍し、さらに週末の流れを考えていくと、彼にとっては“価値ある5位”だったのです。

©︎Indy Car

名門アンドレッティへ移籍、正念場のシーズンがスタート

©︎Indy Car

2017年、琢磨にとっては、全てをかけたシーズンとなっています。

2013年の日本人初優勝など輝かしい活躍を見せていましたが、ここ1・2年は成績が低迷。特に昨年は最高位が5位と表彰台争いに絡めず、トップ10でゴールするシーンも少なくありませんでした。

そんな中でのAJフォイト・レーシング離脱。2017年に40歳を迎えるということもあり、このままキャリアを続けていくのは厳しいのではないか?と思われていましたが、逆に数多くのチャンピオン経験を持つアンドレッティ・オートスポーツへ移籍が決定します。

アンドレッティ・オートスポーツについての詳細はこちら。

©︎Indy Car

このチームは、特にオーバルコースでの速さに定評があり、インディ500の優勝経験も豊富。伝統の1戦での勝利を最大の目標と掲げている琢磨にとって、今シーズンは大きなチャンスとなっているのです。

しかし、チームメイトにはマルコ・アンドレッティ、ライアン・ハンターレイ、アレキサンダー・ロッシなどトップ争い常連メンバーがおり、今まで以上にシビアな目で周りから見られ、言い訳のできない環境。

その中で、開幕戦のSt.ピーターズバーグでどんな走りを見せるかに、大きな注目が集まりました。

 

チーム力に救われ、ピンチを脱出

©︎Indy Car

金曜日のプラクティスセッション。昨年とはガラリと変わり青いレーシングスーツに身を包み、カーナンバー26のマシンに乗り込んだ琢磨。初日から何番手につけるかと注目が集まりましたが、いきなりクラッシュに見舞われてしまいます。

本人も「史上最も厳しい状況に置かれた」というほど、厳しい走り出しとなってしまいました。

これにより、チームメイトから大きく出遅れてしまいますが、逆に今季の体制が彼の「助け」になったのです。

チームは迅速な作業でマシンを修復。さらに彼が走れていなかった部分はチームメイトの走行データを共有し、土曜日のセッションで走行を再開していきます。

すると予選では順調に勝ち上がっていき、上位6台で争われる「ファイアストン・ファスト6」に進出し5番グリッドを獲得しました。

ストリートコースでの予選では久しぶりの好結果だった。予選を終えた琢磨も「チームのおかげだった」とコメントしました。

©︎Indy Car

「昨日はとても難しい1日だったので、今日のこの結果は本当に嬉しいです。僕のクルーはマシーンをまとめ上げるために最善を尽くしてくれました。3人のチームメイト、アレクサンダー(・ロッシ)、マルコ(・アンドレッティ)、ライアン(・ハンター-レイ)にも感謝しています。

昨日は充分に走行できませんでしたが、彼らが手伝ってくれたおかげでエンジニアリング面の遅れを取り戻せました。今日はすべてがうまくいきました。

昨日は不運に遭っていたので、短時間でクルマに馴染めるかどうか、今日のプラクティスを迎えるまで少し不安がありました。

予選でのフィーリングはまた違ったものとなりましたが、マシーンに関してはとても満足しています。今週末、ホンダは本当に素晴らしい仕事をしたと思います」

佐藤琢磨コメント(アンドレッティ・オートスポーツのプレスリリースより)

開幕前から、アンドレッティ・オートスポーツでは、他よりも多い4台体制になっていることと、2012年王者のハンターレイを中心に優勝経験者が揃っています。

それだけに高いレベルでマシンセッティングのデータ等も豊富。もちろんチームメイト同士での共有が行われいます。これらが今シーズンの琢磨の躍進にもつながるのではないかと言われていましたが、いきなり開幕戦からそれが証明されたのでした。

 

不運にも屈する事なく、5位を獲得

©︎Indy Car

そして、日曜日の決勝。レース展開により順位の変動はあったものの、琢磨は常にトップ争いを展開。終盤には2周にわたってラップリーダーにも立ちます。

昨年まではマシンセッティングがうまく決まらずペースが上げられなかったり、不運で後方集団に埋もれてしまうレース展開になる事が比較的多かったですが、今回のレースではそう言った場面がほとんどありませんでした。

©︎Indy Car

しかし、レース終盤のピットストップで右フロントタイヤの作業で使ったインパクトレンチのトラブルで約12秒ほどタイムロス。それでも上位争いから脱落する事なくコースに復帰。結果、5位入賞を果たしました。

「チームのメンバー全員が素晴らしい働きをしてくれました。金曜日に起きたことは、これまで経験したなかでももっとも厳しいもののひとつだったので、今週末のスタートはとても困難でチャレンジングだったといえます。

それを助けてくれたのがチームメイトとエンジニアリングチームだったことは間違いありません。そうした状況のなかで、僕たちは予選でベストを尽くし、今日の結果についても心から嬉しく思っています。

決勝レースも難しい戦いとなりましたが、4位と5位という結果はアンドレッティ・モータースポーツにとって素晴らしいものでした。とりわけ、このチームでの初戦となった僕にとっては嬉しさもひとしおでした」

佐藤琢磨のコメント(アンドレッティ・オートスポーツのプレスリリースより)

どんなにチームの戦闘力があっても、ドライバーがミスなどをして良いレースができなければ結果はついてこないですし、逆にドライバーがどんなに頑張ってもマシンのセッティングが高い次元で合わせ込めていないとレースでは競り負けてしまいます。

©︎Indy Car

昨年までであれば、こう言った不運があると後方集団に沈んでしまう事が多かった琢磨ですが、今回は4台体制の良さを存分に生かしているアンドレッティ・オートスポーツのチーム力と、与えられたマシンで最高のパフォーマンスをみせた彼自身の走りが、好結果につながったのです。

まだ開幕戦だけなので、なんとも言えませんが、両方の要素が噛み合えば彼にとっての2勝目は、十分に実現可能なのではないかと感じる事ができた1戦でしたね。

 

まとめ

©︎Indy Car

もちろん、彼にとっての最大の目標はシリーズ戦での勝利であり、インディ500での優勝。まだまだ乗り越えていかなければいけないハードルはあります。

しかし、参戦当初から諦めずに挑戦し続けてきた結果、今年はアンドレッティ・オートスポーツへの移籍が実現しました。

本当に彼がこのチームに移籍して良かったと言えるかを判断できるのは、まだまだ先になるかもしれませんが、彼の目標達成と言う部分では、一歩前進しているのは間違いなさそうです。

続く第2戦は4月9日にロングビーチで開催。今度はどんなレースを見せてくれるのか、注目ですね。

 

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Writer Introduction
Tomohiro Yoshita

フリーのモータースポーツジャーナリスト。サーキット取材は2011年からスタートし、最近ではSUPER GTスーパーフォーミュラを全戦取材。この他にもF1をはじめとする海外レースや、2輪レースもカバー。レースに関する記事だけでなく、サーキットに来場するファンに役立つ情報発信も展開しています。http://www.kansenzyuku.com

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