今年もいよいよ開幕を迎えるF1。昨年王者に輝いたロズベルグの引退とマノーの消滅に伴ってドライバーの顔ぶれは大きく変わることになりました。今季は10チーム20名のドライバーによって争われるますが、その勢力図も変化が見られそうです。今回は2017年に参戦するドライバーたちをまとめてご紹介したいと思います。
CONTENTS
王者の引退、マノー消滅でラインナップが大幅に変化
今季、F1のエントリーリストは2つの大きな出来事により、昨年と比べて大きな変化が起こりました。
1つ目は昨年王者に輝いたニコ・ロズベルグの引退です。
3年連続でタイトルを獲得したチームのシートが空いたことで、ドライバーの移籍が活発になりオフシーズンから彼の後任が話題となりました。
2つ目は2010年から参戦してきたマノーの消滅。
これによって昨年までの11チームから10チームへ減ることになり、ドライバーの枠が減少したことでシート争奪戦は例年以上に激化したのです。
最終的には20名ドライバーの内5名がチームを移り、それに加えて3名が今季初めてフル参戦を果たすことになりました。
そんな、2017年のF1を戦うチームとドライバーはどのような顔ぶれになったのでしょうか。
昨年のチームランキング順に見ていきたいと思います。
※番号はカーナンバー。☆はチャンピオン経験者、△は移籍、〇はルーキー。
メルセデスAMG ペトロナス・モータースポーツ
No.44 ルイス・ハミルトン ☆
英字:Lewis Hamilton
中継表記:HAM
国籍:イギリス
生年月日:1985年1月7日
優勝:53回
ポールポジション:61回
ファステストラップ:31回
表彰台:104回
2007年に鮮烈なデビューを飾って以来多くの勝利を重ね、F1を代表するドライバーとして知られるハミルトン。
これまで3度の王座だけでなく勝利数では歴代2位となる53勝を挙げ、32歳という若さで既に偉大なドライバーたちに肩を並べる活躍を見せてきました。
特に2014年以降は誰も手の付けられない強さを発揮し連覇を達成。しかし昨年は最終戦までタイトルを争うも同僚のロズベルグに及ばず、3連覇を逃すという悔しい1年を送りました。
それでも彼の速さに疑いの余地はなく今季もチャンピオンの有力候補に推され、自身4度目となるドライバーズタイトルを目指して戦います。
No.77 バルテリ・ボッタス △
英字:Valtteri Bottas
中継表記:BOT
国籍:フィンランド
生年月日:1989年8月28日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:1回
表彰台:9回
ロズベルグの引退によって空いたメルセデスのシートを射止めたボッタスは、今季大きな飛躍が期待されるフィンランド人ドライバーです。
2013年にデビューを飾ってからは堅実な走りで高い評価を獲得すると、参戦5年目にして王者メルセデスへの移籍を果たしました。
チームメイトのハミルトンは手強い相手ですが、これまで見せてきた若手らしからぬ安定感を武器にどのような戦いを見せるのか興味津々です。
まずは自身初となる優勝を目指して戦い、その活躍次第ではタイトル争いは大きな盛り上がりを見せることになりそうです。
レッドブル・レーシング
No.3 ダニエル・リカルド
英字:Daniel Ricciardo
中継表記:RIC
国籍:オーストラリア
生年月日:1989年7月1日
優勝:4回
ポールポジション:1回
ファステストラップ:8回
表彰台:18回
ニコニコとした笑顔がトレードマークのリカルド。
いつも明るいキャラクターで周囲を楽しませ、昨年は表彰台で靴にシャンパンを注いで飲み干す”シューイ”でファンを沸かせました。
走りでも多くの魅力を持ち、鋭いブレーキングで追い抜きを仕掛けたり、接触ギリギリの攻防に強いことも彼の特徴です。
昨年は素晴らしい走りを見せながらも不運に見舞われることが多く、チームのミスによって優勝を逃すというシーンも見られました。
それでもマレーシアGPでは優勝を飾り、メルセデス勢に次ぐランキング3位を獲得しています。
今年こそ王者メルセデスを倒し、アラン・ジョーンズ以来27年ぶりとなるオーストラリア人F1王者を目指して戦うのです。
No.33 マックス・フェルスタッペン
英字:Max Verstappen
中継表記:VES
国籍:オランダ
生年月日:1997年9月30日
優勝:1回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:1回
表彰台:7回
昨年大ブレイクを果たしたフェルスタッペン。
スペインGPではF1史上最年少での優勝を飾り、シーズンを通して何度も表彰台に上がるなど素晴らしい活躍を見せました。
まだ10代とは思えぬ勝負強さと速さを持つ彼は、将来F1を背負って立つドライバーと称されることも少なくありません。
マシン次第では昨年以上の結果も期待でき、今季は弱冠20歳でのF1王者という前人未踏の大記録に挑戦します。
スクーデリア・フェラーリ
No.5 セバスチャン・ベッテル ☆
英字:Sebastian Vettel
中継表記:VET
国籍:ドイツ
生年月日:1987年7月3日
優勝:42回
ポールポジション:46回
ファステストラップ:28回
表彰台:86回
レッドブルで4連覇を達成し、近年はフェラーリから厚い信頼を置かれるベッテル。
昨年はエースとして高い期待を背負いましたが、彼らしからぬ不用意な接触が多く見られ十分な結果を残すことが出来ませんでした。
今季は昨年の不振を払拭するかのようにテストでは好調さを見せ、シーズンに向けて前向きなコメントをしていることからも、期待される速さを見せてくれそうです。
約10年遠ざかっているフェラーリの王者に向けて彼は重要な役割を担い、また自身にとって5度目となるドライバーズタイトルにも大きな期待が寄せられています。
No.7 キミ・ライコネン ☆
英字:Kimi Raikkonen
中継表記:RAI
国籍:フィンランド
生年月日:1979年10月17日
優勝:20回
ポールポジション:16回
ファステストラップ:43回
表彰台:84回
フェラーリで最後にタイトルを獲得した2007年王者のライコネン。
一時はF1を離れWRCに参戦するも、2012年にロータスから再びF1復帰を果たし、強烈な存在感を示しました。
その後2014年にフェラーリへ復帰したのですが、その後は極度の不振に陥ってしまい、引退も噂されるほど厳しい時期を過ごしてきました。
しかし昨年は調子を取り戻しチームメイトと互角の速さを見せるなど、今季は王者に輝いた頃の走りを取り戻すかのように開幕前テストでは好タイムを連発しています。
近年は若手の成長が著しいなか、現役最年長として貫禄のある走りが楽しみなドライバーです。
サハラ・フォースインディア・F1チーム
No.11 セルジオ・ペレス
英字:Sergio Perez
中継表記:PER
国籍:メキシコ
生年月日:1990年1月26日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:3回
表彰台:7回
かつてザウバーでは小林可夢偉のチームメイトを務めたペレス。
昨年は初開催のバクーで殊勲の3位表彰台に上るなど、チームのポイント獲得に大きく貢献しました。
今季からはチームメイトに若手のオコンが起用されたため、彼のお手本となるような走りが求められます。
2014年のフォースインディア加入後は徐々に評価を高めており、今季もチームを引っ張る活躍が期待されています。
No.31 エステバン・オコン △
英字:Esteban Ocon
中継表記:OCO
国籍:フランス
生年月日:1996年9月17日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
昨年F1デビューを飾ったオコンは若手のフランス人ドライバーです。
これまで彼はメルセデスの支援を受けており、F1参戦以前はDTMなどに参戦してきました。
昨年はシーズン途中からマノーに加入し、F1で高い順応性を見せつけチームから信頼を勝ち取ることに成功。
すると、今季からはフォースインディアへの移籍が決まりました。
戦闘力のあるマシンで彼がどれだけやれるかという点にチームは注目しており、高い期待度のなか初のフル参戦に臨みます。
ウィリアムズ・マルティニ・レーシング
No.19 フェリペ・マッサ
英字:Felipe Massa
中継表記:MAS
国籍:ブラジル
生年月日:1981年4月25日
優勝:11回
ポールポジション:16回
ファステストラップ:15回
表彰台:41回
昨年、引退を宣言し涙の母国ラストランがまだ記憶に新しいマッサ。
一度は引退を決意したもののチームからの強い希望もあり、ボッタスの離脱を埋める形でウィリアムズに残留が決定しました。
16年目を迎えた今季は再び引退するという見方が強く、長年F1で愛されてきた彼も今季で見納めとなる可能性が高いと思われます。
彼は最後のF1シーズンをチームのために戦うと語っており、これまでの経験を生かした熟練の走りが期待されています。
No.18 ランス・ストロール 〇
英字:Lance Stroll
中継表記:STR
国籍:カナダ
生年月日:1998年10月29日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
18歳の若さでデビューを飾るカナダ人ドライバー。
昨年はヨーロッパF3でタイトルを獲得し、今季はウィリアムズからF1デビューを飾るシンデレラボーイです。
まだ経験が少ないなど不安要素はありますが、今後どのような成長を見せるかという点で楽しみな選手で、経験豊富なチームメイトから多くを学べる環境でキャリアをスタートさせます。
開幕前のテストでは度重なるクラッシュを喫し、デビュー前にも関わらず厳しい意見も多いですが、そんな声をレースでは払拭する速さを見せたいところです。
マクラーレン・ホンダ
No.14 フェルナンド・アロンソ ☆
英字:Fernando Alonso
中継表記:ALO
国籍:スペイン
生年月日:1981年7月29日
優勝:32回
ポールポジション:22回
ファステストラップ:22回
表彰台:97回
2度のF1王者に輝き、現役最強との呼び声も高いアロンソ。
しかしここ数年の成績はその評価から大きくかけ離れた結果となり、優勝はおろか表彰台にも上れないシーズンが続いてしまいました。
開幕前のテストでは早くも2017年型のマシンに不満を示していますが、類まれなる技術で上位へ進出してきた彼の技術はチームの武器になるはずです。
今季こそチーム浮上の立役者になることが望まれており、チームからは熱い期待が寄せられています。
No.2 ストフェル・バンドーン
英字:Stoffel Vandoorne
中継表記:VAN
国籍:ベルギー
生年月日:1992年3月26日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
2015年のGP2王者で、昨年はスーパーフォーミュラに参戦し日本国内でも注目を集めたバンドーン。
スーパーフォーミュラでは走りなれていないコースにも関わらず、すぐさま好タイムを刻むなど高い順応性を見せつけ、F1でも同様の活躍が期待されています。
昨年はアロンソの代役として急きょ迎えたF1デビューで10位入賞を達成し才能を示すと、今季は満を持してレギュラードライバーに抜擢されました。
ルーキーながら近年低迷しているチームを立て直したいと語っており、若手ながらも彼の速さはチームの助けになるかもしれません。
スクーデリア・トロ・ロッソ
No.26 ダニール・クビアト
英字:Daniil Kvyat
中継表記:KVY
国籍:ロシア
生年月日:1992年3月26日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:1回
表彰台:2回
2014年にトロ・ロッソでデビューし、その翌年にはレッドブルへ昇格するという華々しいキャリアを歩んでいるクビアト。
しかし、昨年はシーズン序盤に度重なる接触事故の末にまさかの降格を言い渡され、再びトロ・ロッソへ舞い戻ることになりました。
その後は元気のない走りが目立ってしまい、シーズン終盤にはスーパーフォーミュラに参戦することが決まったピエール・ガスリーとの交代が噂されました。
終盤は堅実な走りを見せるようになり残留が決定。2017年は明るいニュースが少なくなっていましたが、今季は名誉挽回となる奮闘を誓っています。
No.55 カルロス・サインツ
英字:Carlos Sainz Jr.
中継表記:SAI
国籍:スペイン
生年月日:1994年9月1日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
WRC王者を父に持つサインツは2015年にデビューを飾って以来、光る速さを示し今後が期待される若手ドライバーです。
コース幅を目いっぱい使ったライン取りが特徴的で、活きの良い走りは彼の最大の魅力。
しかし、同時期にデビューを飾ったフェルスタッペンと比較すると、なかなか光が当たらず恵まれない環境に置かれています。
それでもチームからの信頼は厚く、今季は上位チームへのアピールも含めて周囲を驚かせるような結果を残したいところです。
ハース・F1チーム
No.8 ロマン・グロージャン
英字:Romain Grosjean
中継表記:GRO
国籍:フランス
生年月日:1986年4月17日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:1回
表彰台:10回
昨年は新たに誕生したハースへ移籍し、好走を見せつけたグロージャン。
新興チームという事もありそれほど注目される存在では無かったのですが、開幕戦でいきなりの7位入賞を飾るとファン投票で決められるドライバー・オブ・ザ・デイに選出され、一躍ヒーローとなる活躍を見せました。
そしてそれを皮切りにシーズン序盤は立て続けに入賞を重ね、チームランキングの8位獲得に大きく貢献したのです。
今季もチームの牽引する活躍が期待され、チーム初となる表彰台も視野に入れた速さを持ったドライバーです。
No.20 ケビン・マグヌッセン △
英字:Kevin Magnussen
中継表記:MAG
国籍:デンマーク
生年月日:1992年10月5日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
2014年からF1にやって来たマグヌッセン。
デビュー戦では新人らしからぬ攻めの走りで2位表彰台という快挙を達成し、いきなり周囲を驚かせる結果を残しました。
しかしその後は目立った活躍が見られず、またアロンソが加入してきた事も重なり、わずか1年限りでテストドライバーに降格。
昨年からはレギュラードライバー復帰を果たすべくルノーに移籍しましたが、非力なマシンに苦しめられ好成績を上げることは出来ませんでした。
ハースへ招かれた今季はチームの信頼を勝ち取り、デビュー戦以来の表彰台に返り咲きたいところです。
ルノー・スポーツ・F1チーム
No.27 ニコ・ヒュルケンベルグ △
英字:Noco Hulkenberg
中継表記:HUL
国籍:ドイツ
生年月日:1987年8月19日
優勝:0回
ポールポジション:1回
ファステストラップ:2回
表彰台:0回
玄人好みの堅実な走りで高い評価を得ているヒュルケンベルグ。
これまでは中堅チームを多く渡り歩き、今季からはフォースインディアを離れワークスチームであるルノーに移籍します。
チーム体制が整ってから間もないこともあり最初の数年は厳しい戦いとなりそうですが、長い時間をかけてでも着実にチームと成長していきたいと語っています。
ウェットコンディションでの速さは現役トップクラスであり、荒れた展開のレースでは力強い走りを見せてくれるドライバーです。
No.30 ジョリオン・パーマー
英字:Jolyon Palmer
中継表記:PAL
国籍:イギリス
生年月日:1991年1月20日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
F1ドライバーのジョナサン・パーマーを父に持ち、昨年デビューを飾ったばかりのパーマー。
開幕戦ではいきなり巧みな守りの走りを見せ、入賞まであと一歩に迫る健闘を見せましたが、最終的にはわずか1度の入賞と物足りない結果に終わってしまいました。
それでもミスの少ない安定した走りが評価され、今季もチームに残留することが決定。
今季は安定感に加えて一発の速さにも磨きをかけ、経験豊富なチームメイトに匹敵する活躍を見せられるのかが注目ポイントです。
ザウバー・F1チーム
No.9 マーカス・エリクソン
英字:Marcus Ericsson
中継表記:ERI
国籍:スウェーデン
生年月日:1990年9月2日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
2014年にデビューを飾り、4年目のシーズンを迎えるエリクソン。
F1では唯一となるスウェーデン人ドライバーで、国旗にちなんだ青と黄のヘルメットが彼のトレードマークとなっています。
ザウバーへ移籍した2015年には入賞も経験しましたが、昨年はノーポイントに終わり目立った結果を残せませんでした。
今季は2年振りとなるポイント獲得とチームランキングの浮上を目指して戦います。
No.94 パスカル・ウェーレイン △
英字:Pascal Wehrlein
中継表記:WEH
国籍:ドイツ
生年月日:1994年10月19日
優勝:0回
ポールポジション:0回
ファステストラップ:0回
表彰台:0回
マノーが消滅し、今季からザウバーへ移籍したウェーレイン。
F1参戦前はDTM(ドイツツーリングカー選手権)で史上最年少王者に輝くと、昨年堂々のF1デビューを飾りました。
昨年はルーキーながら力強い走りで高い評価を勝ち取り、ロズベルグの引退後はメルセデスへ移籍も噂されましたが結局叶わず、ザウバーへ加入することになりました。
また12月に開催されたレース・オブ・チャンピオンズでは激しいクラッシュによる負傷の為、テストには途中から合流し準備に時間を割けませんでした。
このオフシーズンはあまり上り調子とは言えない彼ですが、開幕後にはそれらを払拭する結果を見せつけたいところです。
まとめ
今季も個性豊かな顔ぶれのドライバーたちが出揃いました!
ラインナップが変わった王者メルセデスにどのような変化が起こるのか?またそれを追いかけるフェラーリとレッドブルからも目が離せません。
またマクラーレンホンダの3年目はテストこそ厳しい結果に終わりましたが、いざ開幕を迎えてどれほどの進化を見せてくれるのか!?見どころは尽きません。
2017年のF1は3月26日(日)日本時間で14時にスタートを迎えます。
大幅にスピードアップを遂げたマシンで王者に輝くのは誰なのか。ぜひ開幕から注目してみてください!
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