自動車は車検証を見れば車名欄は大抵メーカー名、個々の車の識別は型式になっています。しかし、クルマの呼び方はそれだけではありません。メーカーで付けられた車名に加え、ユーザーから「あだ名(愛称、通称)」で親しまれた車も多数あるのです。そんな車を集めて紹介させて頂くシリーズが、好評につき第二弾となりました。懐かしの車を思い出してみてくださいね。

 

Photo by Shelby Asistio

 

カロゴン / カロバン(E100系カローラワゴン / カローラバン)

 

Photo by RL GNZLZ

 

今回のトップバッターは、プロボックス / サクシードの登場まで長くトヨタの主力ライトバンとして活躍したカローラバンと、その乗用登録版カローラワゴンです。

1967年に初代カローラが登場して以降、4代目からはワゴンも追加され、5代目E80系を除きバンは7代目E100系まで、ワゴンは9代目以降現在もフィールダーとして継続中のモデルとなっています。

転機はあくまで「乗用登録できるビジネスワゴン」だったカローラワゴンが、90年代前半のステーションワゴンブームにより7代目E100系で一躍大ヒットしたこと。

手頃な価格で販売台数を伸ばすと、トヨタは抜かりなくお化粧直しを施し、ビジネス色を払拭。

CMでは篠原ともえとユースケ・サンタマリアによる「カロゴンズ」が「カ~ロゴン、カ~ロゴン♪」と歌いまくり。

通称「カロゴン」として一躍スターダムにのし上がると、4A-Gと6速MTを搭載したスポーツワゴンとしても活躍しました。

同型のE100系カローラバンも「カロバン」の名で親しまれ、カロゴンほどスペシャルでは無かったものの、スターレットやタコII(ターセル / コルサ / カローラII)同系のDOHC16バルブエンジンを搭載。

実用的なハイメカツインカムとはいえ、ライバルのSOHCエンジンより気持ちよく吹け上がり、それを4速 / 5速MTを駆使して痛快な走りを可能にするカロバンは、元祖「高速道路の星」な1台でした。

 

エボゼロ(三菱 CD5A ランサーGSR)

 

Photo by FotoSleuth

 

ランエボ以前のランサーターボ、特に最初のA175Aは通称「ランタボ」の愛称で親しまれていたのは前回(http://motorz.jp/car/race/34572/)紹介しましたが。

そのランタボの中でもランエボ登場直前のものは「エボゼロ」と言われることがあります。

4代目ランサーGSRの4G93型1.8リッターDOHCターボで195馬力・27.5kgmというパワーは、直後にデビューした「エボI」CD9AランサーエボリューションI(4G63型2リッターDOHCターボで250馬力・31.5kgm)に比べて見劣りするのは確か。

しかし、エボ登場前は紛れも無い三菱最強4WDターボでした。

エボIIIで安定するまでのランサーエボリューションや、ガラスのミッションと言われた初期のGC8インプレッサWRXは高価な割に信頼性で今ひとつでした。

そのため、ダートトライアル競技のようにタフさを求められる競技ではランサーGSRが引き続き活躍し、隠れた傑作モデルとして、いつしか「エボゼロ」と呼ばれて親しまれるようになったのです。

なお、エボIIと同じ頃に4G93ターボを205馬力・28.0kgmにパワーアップしたランサーRS-Xも1994年に登場しており、人によってはこちらを「エボゼロ」と呼ぶかもしれません。

なお、テンハチターボのランサーGSR自体は次の代(CM5A)でも設定されており、ステーションワゴンのリベロGT(CD5W)ともども、速いだけではなくベース車の入手が容易なことも重要なダートトライアルで長く活躍しました。

 

バラスポ(ホンダ AE / AF / AS バラードスポーツCR-X)

 

 

出典:http://www.honda.co.jp/

 

初代CR-Xはシビックセダンの姉妹車、2代目バラードの一族として登場しました。

もっともバラードと共通していたのは前期型のみ採用されたセミリトラクタブル・ヘッドライトのみで、実質的には3代目ワンダーシビックの3ドアハッチバック車からスパーン!とリアを断ち切りホイールベースも短縮!

「バラードスポーツ CR-X」として1983年7月にデビューしました。

当初「デュエットクルーザー」の名の通り1.3~1.5リッターSOHCエンジンを搭載した小型デートカーでしたが、デビュー翌年シビック同様ホンダ久々のDOHCエンジン「ZC」を搭載したグレード、Siが追加されてから真価を発揮。

バラードスポーツを略して「バラスポ」または型式から「AS」とも呼ばれた初代CR-Xの快進撃は、ここから始まったのです。

 

トラッド・サニー(日産 B12 サニー)

 

Photo by RL GNZLZ

 

歴代サニーの中でB110やB310のように型式で著名なものを除けば、もっとも愛称として親しまれたのが6代目B12型「トラッド・サニー」です。

とにかく「カクッとしてる」としか言いようが無いスクエアなボディは、当時フォルクスワーゲンから生産権を買って日産でも作っていた4ドアセダン、サンタナの影響を受けたと言われています。

しかしその徹底的に直線的なデザインは、むしろ510ブルーバードの再来というべきで、余計な装飾の無いシャープなデザインから大ヒット!

1986年9月に国内月間販売台数1位となり、2016年11月にe-powerを追加して大ヒットしたノートの登場まで、日産車として最後に国内販売トップに立った車でした。

1988年には1.6リッターDOHC搭載車のフロントグリルにナイトラリー用大型補助灯を追加した、FFのラリーベース車サニーVRなんてのも登場しますが、同じクラスにマーチRがいたので人気はそちらに集中し、サニーVRはレア車と化す事に。

次代のB13ではキープコンセプトながら角を丸くしVRも継続しましたが、このB12とB13が80年代以降のサニーでは一番好きと言う方も多いのではないでしょうか。

なおB13はつい先日(2017年5月)まで「日産 ツル」の名で生産されていました。

 

段付き(アルファロメオ ジュリア・スプリントGTシリーズ初期型)

 

Photo by David Merrett

 

「段付き」といきなり言われても、わからない人にはわからない話かもしれませんが、わかる人なら「ああ、アルファのジュリアね!」とすぐわかってしまう不思議なキーワードを知っていますか?

1963年にベルリーナ(4座セダン)のアルファロメオ ジュリア、そのスポーティなクーペバージョンであるジュリア・スプリントGTとしてデビュー。

時期や排気量により「ジュニア」や「ヴェローチェ」、「GTA」など多彩なモデルがあるのはここでは省略しますが、それらジュリア・スプリントGTシリーズの中で初期型はフロントノーズに特徴的な段差があるデザインが「段付き」と呼ばれて親しまれました。

この段差は1970年登場の中期型以降で無くなってしまいますが、アルフィスト(アルファロメオのマニア)からの人気は「段付き」に集中。

段付きの方が速そうだという印象や、段付きならDOHCエンジンが載っているというような、誤解を生むほど印象的なデザインでした。

バブル時代の日本でも人気で、今でも「段付き」と言えばニヤリとしながら「あの段付きは良かったな!」と、いろいろ語れる人は多いかもしれません。

 

まとめ

 

今回もCMコピーや車名の短縮、名車のプロローグ的な意味で「ゼロ」と呼ばれた車、特徴的なデザインと、さまざまな由来から「あだ名」を持つ車を紹介させていただきました。

誰でもわかるほどメジャーなあだ名もあれば、知る人ぞ知るマニア向けのあだ名もありますが、共通するのはどれも「愛されたがゆえ」についたあだ名だということです。

まだまだ「あの車が出ていないぞ!」(特にスカイラインなど)という車は多いと思いますが、それはまたの機会に紹介させてくださいね。

 

あわせて読みたい

みんなこうやって呼んでいた!?あだ名のついた名車5選

ドラマでもレースでも大活躍!異端児と呼ばれた名車DR30型スカイラインRSとは

ラリーで勝つために生まれた名車!ランサーエボリューションⅣ~Ⅵの魅力とは

 

[amazonjs asin=”4622072696″ locale=”JP” title=”あだ名の人生”]

 

Motorzではメールマガジンを始めました!

編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?

気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!