クラッシャブルゾーン、アクティブセーフティー、先進安全装備など、クルマの安全性は、月日を追うごとに進歩し、次々と新たなアプローチが試みられています。では、安全な車とは、果たしてどのような車なのでしょうか?

XC90 フロントオフセット衝突 衝突安全テスト

ボルボ XC90 フロントオフセット衝突テスト/© 1999-2019 Volvo Car Corporation

現代の自動車に求められる安全性とは?

安全 運転

出典元:https://www.photo-ac.com/profile/1190445

ガソリン自動車の黎明期から、安全性を訴求してきた自動車メーカーといえば、1927年に創業したボルボです。

今となっては当たり前の装備である、3点式シートベルトを発明したボルボは「安全は独占されるべきものではない」という考えから、この特許を無償で公開。
このおかげで3点式シートベルトは世界中の自動車に装着される安全装置のスタンダードとなったのです。

また、北欧という創業地の環境柄、大きい個体では体重1トンにもなるというヘラジカとの衝突を想定されたクルマ作りが古くから行われてきたこともあり、古くから安全を追求し続ける自動車メーカーとして世界中で認識されています。

そんなボルボ創業から90年余りが経過した現代では、自動車に求められる安全性は運転者や同乗者のみならず、周辺の歩行者、自転車などの軽車両、他車両などの交通環境にまで及んでいます。

従来の安全性とは、また少し考え方を変える必要が生まれてきたのです。

ボディが大きい車、硬い車は本当に安全なの?

フルラップ前面衝突試験 JNCAP NASVA

©本田技研工業株式会社

最近の自動車はどんどんとボディサイズを拡げていますが、その要因のひとつとして挙げられるのが、クラッシャブルゾーンです。

車体が大きくボンネットやトランクが長い方が、前後からの衝撃はボディに吸収されやすく、万が一、自車が他車に追突してしまった場合でも、運転者・同乗者が搭乗するキャビン部分の保護につながります。

しかし、反対に衝突された側の立場となって考えた場合はどうでしょうか?

同サイズの自動車が衝突しても、互いに大きなダメージはないでしょう。

軽自動車のような小型車がFセグメントの大型車に激突したら、軽自動車はいとも簡単に潰れてしまうでしょう。

これではボディの大きな自動車が、周囲の交通環境に対しても安全とは言い難いですね。

衝突安全テストの基準とは

XC90 フロントオフセット衝突 衝突安全テスト

ボルボ XC90 フロントオフセット衝突テスト/© 1999-2019 Volvo Car Corporation

自動車メーカーは安全性のアピールポイントとして、衝突安全性テストの結果を公表しています。

みなさんは、衝突安全性テストの内容をご存じですか?

独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が実施する自動車アセスメント(JNCAP)のフルラップ前面衝突試験の場合、運転席にダミー人形(身長178cm、体重78kg、付属物を含むと85kg)を乗せた試験車を、時速55kmで試験車と同程度の重量のコンクリート障壁に衝突させ、ダミー人形や室内の変形度合いで安全性能を5段階で評価します。

同じクラスの自動車同士の事故なら、テスト結果通りに安全が確保されます。

しかし、軽自動車がCセグメントのプリウスやEセグメントのクラウンに衝突した場合は、想定されていません。

もちろん、軽自動車では、より大型で車中の重いプリウスやクラウンの前ではひとたまりもないことは、想像に難くありません。

現実の交通環境下で、衝突安全テストの結果通りに安全性を発揮できる自動車は、より車重の重い車両であると言えます。

最近の新型車の安全性は?

Toyota Safety Sense作動イメージ

© トヨタ自動車株式会社

最近の新型車は、パッシブセーフティ、アクティブセーフティを重視した設計になっています。

視界がよく、自動車の基本性能の「走る・曲がる・止まる」を磨き上げ、多くの運転者に運転しやすい自動車となっています。

運転のしやすさは、安全性に直結します。

加えて現在製造されている車種の多くが、先進安全装備を標準装着しています。

2017年の日本自動車会議所のデータによると、衝突軽減ブレーキ(自動安全ブレーキ)の新型車の装備率はどの自動車メーカーでも90%前後となっています。

ぶつかりづらい自動車なら、事故発生の危険度も下がります。

先進安全装備は他にも、高速走行や渋滞時に速度を周囲に合わせて制御する「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」、走行レーン逸脱を防ぐ「車線逸脱防止支援システム」、車両姿勢を制御して安全な運転に寄与する「ESC(Elertoric Stabirity Control)」、後方駐車を支援する「駐車支援機能」などがあり、事故防止に役立ちます。

最近の新型車は運転しやすくて先進安全装備で事故を起こしづらい、運転者・同乗者や周辺の交通環境にも安全な自動車です。

まとめ

近年、高齢者による自動車暴走事故が頻発しています。

対策として日本政府は2019年6月18日に、75歳以上の後期高齢者専用免許導入を、2020年以降なるべく早期に創設する決定をしました。

その内容は、「眼鏡使用限定」「AT車限定」と同様、「先進安全装置装備車両限定」の免許になる見込みです。

より安全な自動車に乗りたいのなら、先進安全装備車を選択すると良いですね。