Photo by Tomohiro Yoshita

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今年も東京・お台場のMEGAWEBで「LGDA夏祭り2016」が開催された。このイベントはSUPER GTのGT500クラスで活躍するレクサスドライバーが中心となって行っているファンイベント。2006年の初開催以来、今年で11年目を迎えた。毎年、ファンに楽しんでもらおうと様々なコンテンツが用意され、盛り上がりをみせているが、改めてこういったファンイベントがモータースポーツの認知度向上には欠かすことができないものだと感じた。

普段、サーキットでしか会えないドライバーたちに会えるイベント!

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基本的にサーキットでドライバーに会えるチャンスというのは少なく、ピットウォーク等でサインがもらえると言っても、彼らはレースのことに集中していて表情も固いことが多い。

またレースウィーク中は忙しいため、なかなかファンサービスの対応もできないというのが現状だ。

しかし、このLGDA夏祭りではファンとの交流が最優先だ。

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サイン会の時間はもちろん、会場内でもできる限りサインや写真撮影などの対応をしている姿が印象的だった。

やはりドライバーたちにも普段サーキットで対応できない分、こういった機会でファンの皆に楽しんでもらおうという気持ちが強いようだ。

 

ドライバーとファンが垣根を越えて交流

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今年のLGDA夏祭りではドライバーやレースクイーンが私物を持ち寄ってのフリーマーケットや、子どもたちと協力しての「ハンドルカー耐久レース」やタイヤ交換体験、ドライバー交代体験などもコーナーも設置された。

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フリーマーケットでは、サーキットでは絶対に味わえないほどフレンドリーな姿のドライバー、レースクイーンの姿を垣間見ることができたほか、各体験型コンテンツでは、ドライバーとファンが協力をする姿も。

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例えばハンドルカー耐久レースでは子どもたちとチームを組んで挑戦したり、ドライバー交替の体験コーナーでは、実際にファンの人たちに自らマシンへの乗り込み方を教える姿も見られた。

これもLGDA夏祭りの1日だから実現することなのだ。

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また、屋外エリアではレクサスRC F、GS Fを使用しての同乗走行イベントも開催。

抽選で選ばれたがファンが、GTドライバーの全開走行を体感できるというもの。これも朝から多くのファンが参加し、1日中盛り上がったコンテンツのひとつとなった。

レーシングドライバーだから伝えることができる「交通安全」

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また、ここ数年は「交通安全」という部分にも力を入れている。今年も警視庁と協力し、交通安全教室を開催。今まではトークショー形式で日頃から気をつけてほしいことを伝えてきたが、今年は各小学校などでも実施されるような模擬の信号と横断歩道を使っての実践形式を導入。

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ドライバーたちも多数参加し、子ども達と一緒に、普段から気をつけなければならないポイントを歩行者目線から伝えていた。

自動車レースというのは「速く走ろうとする人たちの集まり」「危険・危ない」「安全を軽視している」という誤った捉え方をされることが多いが、実際はその逆。

確かに走行スピードは高いが、彼らは事故を起こさないために細心の注意を払い、マシンを目的地(ゴール)まで届ける走りを心がける。

それでなければ、レースに完走するという最低限の結果が得られないからだ。

そのため、彼らが持っているドライビングテクニックは、一般ドライバーよりも高いものがある。それを「交通安全」に役立ててもらいたいという思いも含まれている活動として、今でも継続されている。

こうした取り組みで生まれた「新しいレースファン」

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今年も多くのファンで賑わったLGDA夏祭り。最後に伊藤大輔がこんなエピソードを披露した。

「今日実は嬉しいことがありました。同乗走行に参加してくれた方が、実はレースは元々観ていなかったんだけど、LGDA夏祭りがきっかけでレースを知って、我々レクサスドライバーを知って、そこからテレビで観るようになって、サーキットに行ってものすごい感動したという話をしてくれました。このイベントをしている意味を感じることができた1日でもありました。また是非ここにいる全員で来年もイベントを続けていきたいなと思っています」

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私自身もサーキットに一人でも多くの人に足を運んでもらうべく、記事の執筆を通して様々なことを伝えようとしてきたが、それでもサーキットに行くには交通費もかかるし時間も労力もかかるため、なかなか気軽にモータースポーツ観戦を楽しむことができない。

その影響もあり、なかなか新規のファンが増えていかないというのも、現在抱えている厳しい現状の一つだったりする。

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しかし、このLGDA夏祭りは、前述の通りドライバーやレースクイーン、さらにサーキットでは当たり前のように目にするレーシングカーを、皆さんが住んでいるところに近い街中に持ち込むことによって、レースに興味を持ち、実際にサーキットまで観に行こうと思うきっかけとなるイベントなのだ。

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以前はGTマシンのデモランもあり華やかなイベントだったが、最近はファンとの交流イベントが中心で迫力や華やかさという点では少し欠けている部分があるという意見もあるが、このイベントの影響力はまだまだ大きく「11年も続いている理由はここにあるんだな」と感じることができた1日だった。

まとめ

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今年も、たまたまお台場に遊びに来た人がLGDA夏祭りに参加して、何かしらの思い出を作って自宅に帰られた人も少なくないだろう。その人の中に、1人でもいいからモータースポーツい興味を持つきっかけになってくれれば…幸いだ。