なんだかバリバリの走り屋仕様とは、少し趣が違う?それもそのはず。この86は、チューニングファクトリーが丹精込めて作った正真正銘のタイムアタック仕様!現在は400ps代後半にデチューンされていますが、タイムアタック時は約500psのパワーと50kgmのトルクを叩き出したモンスター86!前人未到の315.66km/hという最高速を記録した日本最速マシンの魅力に迫ります!
Text : Isao Katsumori Photo : Yukio YOSHIMI
掲載日:2019.10/1
走りを極めた究極のストリート86!
グラフィックの派手さに目を奪われそうになりますが、車高が特段低いわけでもなく、いわゆる峠の走り屋的な空気は感じさせません。
見せるための仕様……というよりは走りを極める必然から生まれた“機能美”を感じさせるこの86。
作ったのは京都府のA.C.E(オートクラフト・エボリューション、以下:オートクラフト)です。
オートクラフトといえば、RX-7やRX-8などのロータリー車のイメージが強いチューニングプロショップ。
最近では86のチューニングにも力を入れています。
オートクラフト拘りのチューニングメニュー
オートクラフトの86は、排気量は2リッターのまま。
純正ボディにこだわりコンセプトは車検対応のストリート仕様で、外装で目立つのはオリジナルのフロントリップと車検対応サイズのリヤウイング程度です。
しかし、エンジンには徹底的にこだわり、鍛造ピストンとH断面コンロッドで強化し、さらにEFR7670タービンをボルトオン。
そしてオリジナルセッティングのECU+TRUSTのブーストコントローラー『プロフェック』等も装備し、ブースト圧1.7kg/cm2で500psを発揮するスペシャル仕様に仕上がっています。
また、空力性能向上のため、床下にはGTリミテッド用のフラットパネルを装着しています。
ホイールはボルクレーシングTE37RTをワイドな10Jサイズで前後セットし(18×10+44)、タイヤはRE05D(265/35)を選択。
ブレーキは制動屋のフロント4ポット、リア2ポットに変更されています。
室内に目を移すと、60φのメーターを装着するための助手席ダッシュボードの3連メーターパネルが。
こちらも同社の人気アイテムで、右から油圧、油温、水温の各メーターになっています(メーターはデフィー製)。
シートは運転席にはブリッドの次世代型フルバケXERO(ゼロ)を、助手席にはフルバケの標準モデルZETA(ジータ)3を装備。
高いアピール度を誇るエンジンルーム内はオリジナルのバルクブリッジバーとタワーバーを構え、それ以外のパーツは基本ワンオフで制作。
剛性アップの基本パーツとも言えるタワーバーは、左右ストラット部を連結することでコーナーでの回頭性が各段にアップします。
ハンドリングが更に向上するバルクブリッジバーとの同時装着も可能で、Wで装着すればより効果も高い逸品です。
リアサスペンションのアッパー部を連結するリアタワーバー。
ボディ全体のねじれを解消しコーナーでもスムーズにリアが追従する感じが得られます。
足まわりには、車両の仕様やニーズの変更にともない仕様変更&オーバーホールも可能にしたアドバンス ラピッド車高調。
こちらは3つのラインナップが用意され、街乗りメインのストリート仕様の「タイプS」、そこにサーキットでの走行会なども視野に入れた「タイプS+」、レースやタイムアタック時などに使用する完全サーキット仕様の「タイプR」。
純正交換タイプのハイフローエアフィルターは、ステンレスメッシュと特殊繊維フィルターのハイブリッド構造で高い剛性と耐久性を確保します。高い集塵効率と吸気抵抗の削減を高次元で両立させたフィルターです。
ドライビングの妨げにならない位置に追加メーターを取り付けできるアルミ素材のメーターホルダー。取り付けメーター径は60φで、現在はデフィーのブースト計が入っています。
ホルダー外周にはエアコンの風が通るよう通風加工が施されます。
まとめ
「チューニングカーはレーシングカーではない。そして、格好良くなくてはならない」というのがオートクラフトのこだわり。
「チューニングの際には予算をお聞きしながらコンピューターチューンをオススメしています。
クルマの仕様に合わせた価格分けをしていることもあり、コンピューターチューンは体感もできるのでオススメです。
またテストしてダメなものは商品としては出していません。
いいなと思ったものをチューニングショップとして良かったものをユーザーにオススメしたいと考えています。チューニングショップには敷居が高いイメージがあると思うのですが、大阪や京都のGRガレージでも取り扱っていただいています。
ぜひ気軽にお越しください。
クリップの向き、角度ひとつからプロショップとしての作業を心掛けています。」
というのは同社アドバイザーの梶原さん。
愛媛からロアアームの取り付けや、福岡からチューニング依頼があるなど、遠方からのチューニング依頼が引きも切らない信頼度の高さは長年積み上げた努力の賜物と言えます。
これだけのポテンシャルを持つチューニングプロショップながら敷居は決して高くないので、まずはオートクラフトの門を叩いてみてはいかがですか?
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