「コラムシフト式」のマニュアルトランスミッションを知っていますか?以前は、この仕様を採用したクルマが多くありました。今回はそんな、今では希少価値が高い、マニュアルトランスミッションでコラムシフトを採用していたクルマたちをご紹介します。

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マニュアルミッションでもコラムシフト採用車が存在した!

コラムシフトといえば、オートマチックもしくはCVT(無段変速機)が採用され たクルマを思い浮かべるでしょう。

しかし一昔前の日本では、マニュアルトランスミッション(以下、MT)でも、コラムシフトを採用したクルマがありました。

右ハンドル車なら、ステアリング左横を見るとワイパー用レバーの奥に、シフトレバーを構える方式です。

コラムシフト式マニュアルミッションのメリット・デメリット

メリット

コラムシフト式マニュアルミッションのメリットは、ステアリングに近い位置にシフトレバーがあるため、運転中に手の移動が最小限で済む点です。

シート横の足下に近い位置に配置されるフロアシフトや、インストルメントパネルでエアコンなどのボタン類の真横に配置されるインパネシフトとは異なり、ステアリング周りにシフトレバーがあるため、シフトのアップ・ダウンが簡単です。

MTの場合はATとは異なり、ドライバーの手動操作でギアチェンジをしなければならないので、手の移動は少ないほうが、運転に支障をきたしません。

デメリット

デメリットは、ステアリングから近い反面、何速にギアが入っているかが判りにくい点です。

フロアシフトではすぐに1速や2速など、ギア位置が目視で判りやすい反面、コラムシフトでは横向きのレバーになっているので、変速ミスが生じやすい難点があります。

そのため、5速や6速への多段化が進むと同時に、タクシーやバン、トラックといった「はたらくクルマ」に使われるシフト位置となったのです。

採用されていた主なクルマたち

マツダ・BA2型ボンゴ

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出典:https://gazoo.com/

マツダの業績を支える商用バンおよび乗用ワゴンとして、長く販売されている「ボンゴ」。

1977年に登場した2代目 BA2型では、コラム式4速MTおよび5速MTが採用されていました。

さらに、オートマチック搭載車が設定されないといった珍しさを持ち合わせた1台です。

フロントシートの真下にエンジンを配置した、キャブオーバータイプのクルマで、商用タイプはたくさんの荷物を、乗用タイプは大人数での移動を楽にしてくれる1台でした。

トヨタ・S130系クラウンセダン

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出典:https://gazoo.com/

街なかを駆け巡るタクシーとして活躍するクラウンコンフォート。

旧「クラウンセダン」にあたるS130系までは、コラムシフト式MTの設定がありました。

生産台数が少なく、中古車市場では高値で取り引きされているほか、通常のフロアシフト車両をコラムシフト仕様へ改造するユーザーがいるなど、根強い人気を備えたモデルです。

日産・Y31セドリックセダン

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出典:https://gazoo.com/

日産がラインナップしたクラウンの好敵手が、セドリックです。

クラウンセダン同様、コラムシフト式MTが採用されており、なかでも注目したいのはタクシー仕様。

燃料はLPGガスという、普通の乗用車には無い珍しさで、コレクションの1台として所有しているオーナーも居るほど、高い人気を誇ります。

まとめ

いまや街なかで見かける機会が激減してしまった、コラムシフト式マニュアルトランスミッション。

現存するクルマたちも、タクシーやバン、トラックなどの商用車が大半です。

もし、運転できるチャンスがあれば、ラッキー!

インパネシフトなど、時代が移り変わっていく中で、いまなおコラムシフト式MTのクルマたちを持つオーナーには、未来へ語り継ぐ「財産」として、これからも大切に守り抜いて頂きたいモデルです。

 

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