「レースで勝つためにはどうしたらいいのか・・・」その問いに対する答えとして開発された特別な市販車(ホモロゲーションマシン)たち。モータースポーツファンなら誰もが所有してみたい名車をご紹介します!
掲載日:2018/11/18
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ホモロゲーションマシンとは?
モータースポーツの各カテゴリーにはそれぞれ参戦するための条件が規定されています。
その中でも車両に関するレギュレーションは大変シビアであり、最低生産台数・車体形状・改造範囲などなど、細かく分類することによって性能の均一化を図っているんですね。
そのため自動車メーカーはレギュレーションの盲点を探りながら、それぞれの時代でレースに勝てるベース車(市販車)を開発してきたわけです。
時にはレギュレーションに対する帳尻合わせとして製作されたマシンもありました。
今回は主に海外で活躍したGT1カテゴリーのホモロゲーションマシンをご紹介します!
Mercedes Benz CLK-GTR
ホモロゲーションマシンの代表的存在であるCLK-GTR。メルセデスが1997年FIA-GT選手権へ参戦するために25台のみ生産されました。
搭載される6.9リッターV型12気筒エンジンは612馬力を発生。
レース仕様車そのものと言えるようなエクステリアデザインとなっていますが、エアコンやオーディオ、はたまたABSなんていう快適装備も充実しています。
1999年当時でなんと2億5000万円だったとか・・・。
しかも誰でも買えたわけではなく、購入者はAMGによる審査を受けた上で決定されるというシステムだったそうです。
Mclaren F1 GTR Road Version
90年代中盤のGT1カテゴリーを牽引したマクラーレンF1 GTR。
1997年から開催されたFIA-GT選手権へ参戦するため、この年にボディー形状を大幅に変更しました。
皆さんもご存知の通称ロングテールと呼ばれる仕様ですね。
そのホモロゲーションマシンをご紹介するにあたって、もっと市販車らしい風貌の「GT」というモデルが存在します。
しかし、今回はプレミアム感を重視させていただき、あえて「Road Version」をご紹介。
このモデルは計3台生産されたようですが、ルックスは完全にレース仕様!
「レース仕様車以外に、市販用ロードカーを1台生産すれば公認を与える」というレギュレーションが生んだスペシャルマシンです。
Nissan R390 GT1
1997年・1998年のル・マン24時間耐久レースに日産が送り込んだR390 GT1。
当時のレギュレーションに合わせる形で、市販仕様のロードカーが1台のみ生産されました。
その価格は1億円以上とも言われていましたが、残念ながら市販されることはありませんでした。
エンジンはレース仕様車と同じく3.5リッターV型8気筒ツインターボで、発生するパワーは550馬力。
GTウィング等の大型空力パーツやフォグランプは省略され、より市販仕様らしくまとめられたエクステリアです(写真は1998年仕様)。
インテリアは、なんとインパネセンター部分のイッチパネルがマーチ用、ヘッドライトはZ32型フェアレディZから流用していました。
Toyota TS020 GT-One
1998年にトヨタが総合優勝を目指してル・マン24時間耐久レースに送り込んだTS020。
レース参戦用のTS020は、3.6リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し600馬力を発生。
あまりにも一般的な市販車の定義からかけ離れていたため、当時「これが市販用のロードカーと言えるのか」と物議を醸したのは有名な話。
Porsche 911 GT1
1998年にル・マン24時間耐久レースを制したポルシェ911GT1。
1996年からロードカーが発表されていましたが、実際に販売されたのは1997年型からとされています。
今回ご紹介するのは1998年型です。
価格は大台の1億円オーバーとのことで、とても一般人が買える代物ではございません。
1998年型からカーボンモノコックが採用され、ボディー形状も大幅に低重心化されています。
エンジンは3.2リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンで、堂々の544馬力を発生(1996年型スペック)。
Nismo GT-R LM
1995年のル・マン24時間耐久レース参戦に合わせてニスモが製作したホモロゲーション取得用車両。
実車というよりは、ゲームで見たことのある人が多いのではないでしょうか。
エンジンは2.6リッター直列6気筒ツインターボで305馬力を発生。
大型のブリスターフェンダーによって全幅が100mmも拡大されていますが、車重がベース車よりも40kg増加してしまいました。
スカイラインGT-Rの特徴でもある4WDを排し、後輪駆動のFRに変更されています。
まとめ
どの車も「こんなのアリ!?」といったものばかりだったかと思いますが、これらは当時のレギュレーションが生んだ遺物なのです。
結局は発売されなかった車両がほとんどですが、これが実際に街中を走行していたとしたら・・・。
そして、その車を皆さん自身が運転していたとしたら・・・。
とても夢のある話ですね!