タイヤは約ハガキ1枚分の面積で車を支え、「走る」「止まる」「曲がる」という、車の操作を司る重要なパーツです。しかし、デザインや車種にはこだわるものの、タイヤにこだわりを持っているという方はあまり多くありません。運転免許取ってまだ3か月というモーターズ編集部のクリガミも、タイヤに対して関心を持ったことが無いという車好きの一人です。そこで今回は、これまであまり意識したことが無かったタイヤを、クムホ ECSTA(エクスタ)PS71に交換。走りや乗り味がどう変化するのか、初心者でもその変化に気が付くのかを検証します。
Photo : Takanori ARIMA Text : Shingo MASUDA

免許取得3か月の若者がタイヤ交換の変化に気が付くのか?

今回の検証に使用するのは、フォルクスワーゲン シロッコ2.0TSI。20代の若者が人生で初めて買う車としては、なかなかマニアックなところを攻めています。

愛車の車種からも分かるように、クルマメディアで働く編集部員らしく、クリガミはクルマ好きなわけですが、やはりタイヤの違いや重要性には、まだあまり気が付いていないようです。

かく言う筆者も、運転免許を取って初めて買った車の右フロントタイヤのローテーションが逆だったことに気が付かなかったくらいなので、無理もありません。

シロッコ本来の性能が台無し

Motrzでお馴染みシノハラタイヤで交換する前に、中古車で購入時についてきたそのままの状態で、試乗させてもらうことに。乗り出し数メートルで、「コレは無い!」と思わず口から出てしまうひどさです。

左:8年落ちのヴィンテージもの/右:クムホ ECSTA(エクスタ)PS71

その原因は明白で、フロントに履かれているのはあまり効き馴染みのないメーカーの、いわゆる激安に分類されるタイヤ。

加えてリアタイヤは有名国産タイヤではあるものの、摩耗し、ひび割れしまくりの8年落ちというヴィンテージものです。

乗り味はお世辞にも良いとは言えず、例えるなら着心地がゴワゴワしたシャツのようで、シロッコが持つドイツ車らしいどっしりとした安定感が完全に損なわれています。
さらにシロッコ2.0TSIの特権であるDCC(アダプティブシャシーコントロール)の設定を弄っても、乗り味やハンドリングに変化はほとんど感じられず、本来持つ素性の良さをタイヤがすべてスポイルしてしまっている印象でした。

そんな状態からの交換となるため、違いに気が付くのは間違いありませんが、あえて筆者の感想は伝えず、オーナーの素直な感想を楽しみに待つことにします。

しっとりとコシのある乗り味はまさにヨーロピアンスポーツ

今回交換するクムホ ECSTA(エクスタ) PS71は、PS91を頂点に持つクムホタイヤのスポーツタイヤシリーズ。型番にあるPSは、Performance(パフォーマンス)Summer(サマー)の略で、オンロードでのウエット性能とスポーツ性能、そして公道での乗り心地を重視した、正統派ヨーロピアンスポーツタイヤです。

また、サイドウォールだけでなくトレッド面にまでチェッカーフラッグ柄があしらわれているのも注目ポイント。

タイヤをただの機能性パーツとしてではなく、ドレスアップの要素も取り入れられた、クムホタイヤならではのこだわりが見て取れます。

走り出しですぐに感じるのは、路面に吸い付くようなしっとりとしたしなやかさと、車重が軽くなったかのような転がりの良さです。

高速道路のつなぎ目で不快な振動を感じることもなく、パターンノイズも静かです。

さらに、レーンチェンジではタイヤがしっかりと下支えする、コシのある乗り味が感じられます。

エクスタ PS71は、左右非対称パターンが採用され、外側のトレッドパターンに、大き目のブロックを配置。

その結果、コーナリングでタイヤの外側に掛かる重さをしっかりと受け止め、安心感のあるハンドリングが実現されています。

また、タイヤがホイールと接合しているビート部にも補強を入れることで、路面のギャップをいなすしなやかさと、コシのある剛性感が両立されています。

その剛性感は一般道でも効果抜群で、交差点やワインディングのコーナーを立ち上がる際の修正舵は大幅に少なく、車は素直に前へ進もうとします。

この修正舵の少なさは非常に重要で、何度もハンドルを切ることになる運転での疲れに大きく関係します。

気持ちよくドライブできるスポーツタイヤがこの価格!

もちろん、サーキットでのコンマ1秒を狙うタイヤではなく、エクスタ PS71はあくまでもストリートでの使用を前提としたスポーツタイヤです。

そのため、絶対的なグリップや体を窓にぶつけるような鋭いレスポンスはありません。

しかし、ワインディングをやや高いペースで走る分には、十分なグリップ力。そしてハイパフォーマンスタイヤにありがちな過敏すぎるレスポンスはなく、かえって肩の力が抜け、ストレスなくドライブすることができます。

そして驚くのは、インターネットで1本12,000円程度という、クムホ エクスタ PS71の実売価格です。

235/40ZR18というサイズのスポーツタイヤで、欧州の某有名メーカーがラインナップする高名なタイヤが1本25,000円以上。この性能で半額以下というのは、コスパ最強と言って差し支えありません。

※価格は2021年4月現在のインターネット上の実勢価格

愛車が持つ本来の魅力と実力を再認識

ありがたいことに、筆者は職業柄さまざまな車や新品タイヤを乗り比べることがありますが、そんなマニアックな視点より、気になるのがシロッコのオーナーであるクリガミの反応です。

「どうでしたか?」と、あえてざっくりとした質問をぶつけてみたところ、最初に返ってきた答えは「車が静かになって、道路の段差で“ガタン!”という振動が無くなり、なんて言うか乗り心地が良くなりました!」とのこと。

加えて、シロッコ2.0TSIに搭載される電子制御サスペンション「DCC(アダプティブシャシーコントロール)」の差をハッキリと感じることができた!と大満足のご様子でした。

タイヤ交換で車の性能を取り戻すことができる

シロッコ2.0TSIは、ゴルフ6を源流に持つスポーツクーペで、2009年に日本へ導入されると、多くのメディアや自動車評論家から高い評価を受けたモデルです。

クムホ エクスタ PS71に交換したことで、その剛性感あるボディとゴルフよりも低くなった重心、そして広げられたトレッドにより、安定したシロッコ本来の走りを取り戻したとも言えるでしょう。

今回のシロッコ2.0TSIのオーナーであるクリガミは、車メディアの編集に携わる身。

車に合ったタイヤに交換することの重要性と、愛車に起きた変化に気が付けたことは、彼自身にとって大きな財産となることは間違いありません。

世界中で認められた実力!新たな選択肢として十分検討の余地アリ

最後に、改めてクムホタイヤについておさらいしておきましょう。

クムホタイヤの設立は1960年と古く、1992年には世界トップ10入りを実現。

今では世界180カ国以上で販売されるグローバルタイヤメーカーで、多くの自動車メーカーに新車装着タイヤ(OEM)を供給しています。

さらに、欧州の自動車メディアが行ったテストでは、名だたる有名メーカーを含めたタイヤの中で、トップの評価を獲得。

日本国内でも年々その評価は高まっており、性能が担保された新たな選択肢として、注目を集めています。

前述したように、クムホ エクスタ PS71の実売価格は、有名メーカーがラインナップする同クラスのタイヤと比較しても半額以下となっています。

論より証拠、そろそろタイヤ交換を考えている方は、検討候補に加えてみてはいかがでしょうか。

 

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