好きな場所へ出かけ、愛車の中でひと晩を過ごす。そんな自由な旅を楽しめるのが、車中泊の魅力です。しかし、そんな魅力に惹かれて実際に車中泊に挑戦してみたものの、2回目の挑戦に向けた意欲が下がってしまった方も少なくないかもしれません。

そうさせてしまう、車中泊の難しさのうち、筆頭に挙げられるのが暑さ対策です。これまで複数回ハイエースで車中泊をしてきた筆者が感じていることは、就寝中はエンジンを止めて過ごすことを前提に、快適な車内をつくるかということに尽きます。

今回は、その悩みに応えるアルパインの「車載専用 DCクーラーECOシステム」を、200系ハイエースでチェックしました!

寝床ができれば準備完了? 車中泊で直面する「暑さ」の問題

広い荷室を持つハイエースは、車内で過ごす空間をつくりやすいクルマです。ベッドを用意して、荷物を積んで、旅に出る。準備をしている時間から楽しめるのも、車中泊の魅力です。

しかし、実際に泊まってみると、寝る場所を確保するだけでは解決できないことがあります。そのひとつが暑さです。

自動車ライターという職業柄、夜明け前に遠方のサーキットに集合なんてことも珍しくありません。そんなときは、無理をせず全日の夜に移動し車中泊をしてきましたが、そこで春から秋にかけて悩むのが車内の暑さ問題。

そのため、筆者自身も200系ハイエースのオーナーとして、車中泊では暑さへの対応が欠かせないと感じてきました。走っている間は車両のエアコンが使えても、就寝中までエンジンをかけ続けるわけにはいきません。

車中泊ができる施設であっても、周囲への配慮と施設のルールに従い、宿泊中はエンジンを止めて過ごすのが基本。その状態で車内をどう快適に保つかが、準備のポイントになるのです。

エンジンを止めても使える車載専用のクーラー

そこで注目したのが、アルパインの車載専用 DCクーラーECOシステムです。今回チェックしたのは、ハイエース用パッケージ「CLP-DCC01-HI」。

クーラーをポータブル電源で動かすことで、エンジンを停止している間も冷房を使用できます。車内で休憩したり、就寝したりする時間のために、車両のエアコンとは別の冷房を用意するというわけです。

公称の冷房能力は2.6kW級で、実際にクーラーとして十分な冷却性能。エンジンを止めた車内でも冷房を使えることのありがたさを、改めて実感します。
※参考値:室内用(8畳用相当)エアコンで約2.4kW

そして、使い勝手の面でうれしいのが、付属のリモコンです。

温度や風量などを調整するたびに、わざわざ本体まで移動する必要がありません。ベッドで横になってから少し設定を変えたいときも、手元で操作できます。車中泊では、こうした小さな使いやすさが快適さにつながります。

また、運転モードを切り替えられる点も、車内で快適に過ごすための便利な機能です。冷房に加えて、ドライや送風、ECOモードなどを備え、車内の状態や過ごし方に合わせて選べます。

湿気によるジメジメが気になるときはドライ、冷房を使うほどではなく風が欲しいときは送風、消費電力を抑えながら冷房を使いたいときはECOモード。暑さだけでなく、湿気や電力の使い方まで考えて運転を切り替えられます。

運転モードはリモコンからも変更できるので、くつろいだ姿勢のまま調整できるのもうれしいところ。限られた電源で過ごす車中泊では、そのときに必要な運転を選べることが、使い勝手のよさにつながります。

室外機はどこにある? 後ろから見ても目立たない収まり

車載クーラーを導入する際、気になるのが室外機の取り付けです。冷房が使えるようになっても、クルマの見た目が大きく変わってしまうのは避けたいところ。

その点、今回のハイエースは、後ろから見ただけでは室外機があることに気が付かないほどです。実物を確認すると、薄型でコンパクトにつくられていることが分かります。

車中泊の装備を充実させながら、愛車の外観も大切にできる。機能はもちろん、使い勝手や見た目などにも抜かりがないあたり、これまで多くの製品が車好きから支持されてきた「アルパインらしいポイント」です。

車内に目を向けても、室内機はすっきりしたデザイン。アンビエントライトも備えていて、休憩や就寝のために整えた空間になじむつくりになっています。

ハイエースは、仕事にも遊びにも使えるクルマです。装備を追加しても、いつもの愛車らしさを大きく変えずに済む。その点にも好感が持てます。

電源や走行充電器までひとつのパッケージに

この製品の特徴は、クーラーと電源まわりをまとめて導入できることです。

ハイエース用パッケージには、クーラーと室外機、ポータブル電源に加え、取り付け用のブラケットや配管、走行充電器まで含まれています。

ポータブル電源の容量は1,408Wh。400Wクラスの走行充電器も同梱され、移動中に充電する仕組みが用意されています。目的地で過ごす時間と、そこまでの移動を含めて考えられた構成です。

なお、メーカーが示す最大10時間の稼働は、外気温28℃、冷房24℃設定、断熱施工車での参考値。実際の稼働時間は断熱の程度や湿度、バッテリーの状態などによって変わるため、使用環境に合わせた電源計画が必要です。

車載クーラーの導入には、本体だけでなく、電源や充電方法、取り付け部品の検討も欠かせません。その一式がハイエース向けにまとめられているため、必要な機器の組み合わせが分かりやすい点も魅力です。

さらに、拡張バッテリー(PTB-EB1500)を追加すれば、合計2,816Whの大容量を実現。長期の車中泊旅行はもちろん、様々な電気製品を安心して使用することができます。

遊びに出かける日も万が一の備えにも

セットのポータブル電源は、クーラー以外の電子機器にも使用できます。

レジャーに持ち出す機器の電源や充電に使えるので、活躍する場面は車中泊だけに限りません。使用する機器の消費電力を確認する必要はありますが、冷房以外にも用途が広がるのは、大型の電源を導入するうえでうれしいポイントです。

さらに、災害や避難時に電源を確保するための備えにもなります。普段は遊びに使いながら、万が一の際にも役立てられる。この汎用性も、「車載専用 DCクーラーECOシステム」大きな魅力です。

車中泊の快適性に加えて、日常のレジャーや非常時にも使える電源が手に入る。この点も、パッケージ全体の価値を考えるうえで見逃せません。

安くはないが一式の内容を見れば納得

ハイエース用パッケージ「CLP-DCC01-HI」の標準小売価格は79万2,000円(税込)。取り付け工賃を含む導入総額は、販売店での確認が必要です。

工賃まで考えると、決して気軽に購入できる金額ではありません。ただ、クーラーとしての機能に加え、大型ポータブル電源、走行充電器、専用の取り付け部品まで含まれる内容を考えると、価格には納得できます。

冷房だけでなく、それを動かす電源や充電の仕組みまでまとめて導入できる。さらに電源はほかの用途にも使える。その全体を見れば、パッケージならではのお得感があるのではないでしょうか。

導入の判断には、車中泊の頻度や愛車の使い方も関わります。筆者のように仕事で車中泊を行うことがある、またはハイエースで車中泊を楽しみ、暑さへの対応を課題に感じているオーナーにとって、このシステムは魅力的な選択肢です。

寝床や収納に加えて、車内の温度も整える。エンジンを止めて過ごす時間を快適にするアルパインの車載専用DCクーラーECOシステムは、ハイエースでの車中泊を充実させてくれる装備です。

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