自動運転技術の話題がお昼のワイドショーなどでも取り上げられる事が増え、新時代の足音がすぐそこまで迫ってきている昨今。自動運転技術は確かに素晴らしい技術の1つですが、クルマ好きとしては少し寂しくも感じます。どんどん自動車がハイテクになっていく一方で、シンプルでアナログな時代に生まれた自動車にだって魅力はあるはず!今回はそんな、アナログ時代のクルマとして代表的な初代フォード・マスタングを中心に、クラシックカーの気になる維持の方法やコストをご紹介していきます。

 

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古い車の魅力とは

 

©Motorz

 

現在の車には、車外騒音規制の法律をはじめとして車をより安全なものにするための様々な規制が存在しています。

また、最近話題の自動追尾やレーンキープアシストなどはとても便利な技術ですが、メーカーが売りにしている自動ブレーキ用のカメラ、エアバッグはその下請けの部品メーカーが作ったり、特許を持っている事がほとんどです。

その為、これから先、電気自動車が普及すると、各部品メーカーが共通化の主導権を握る可能性が出てくる事に。

自動車メーカーはコモディティ化が進まぬよう努力するでしょうが、同じような車が更に増える可能性も!!

現代の車に個性が無いとは言いませんが、排ガス規制や安全規制がなかった、今よりも自由な時代に作られたクラシックカーはデザインを含め個性に溢れていました。

速くなくとも、ダイレクトに操る楽しさがあったと思います。

 

近年のクラシックカー事情

 

Photo by pyntofmyld

 

近年、東京オートサロン2018内で開催された日本国内BHオークションで、トヨタ2000GTが7600万円で落札されたり、2017年12月にはマツダがユーノスロードスターのレストアサービスを開始する事を発表したりと、クラシックカーへの注目度が高まっています。

現にユーノスロードスターのレストアサービスの開始が発表されてから、NA型ロードスターの価格が高騰していることはご存知でしたか?

クラシックカーの魅力は、クラッシャブルゾーンの確保やボンネットの高さ等の安全規制で現在は作れなくなってしまったプレスラインや、シンプルなインパネ、電子制御のないダイレクトな操作性などが挙げられると思います。

しかし、すぐに部品が壊れたり、また部品が壊れても出てこないのではないのかと不安に思い、購入をためらってしまう方は多いのではないでしょうか。

今回は現代車にはない魅力を持つクラシックカーの中でも、フォード・マスタングに着目してご紹介していきます。

 

なぜ、マスタングがオススメなのか?

 

出典:https://pixabay.com/photo-2581477/

 

まず、フォード・マスタングについておさらいしましょう。

1964年に初代モデルが発表されて以来、49年間で900万台以上を売り上げた(しかもこれはアメリカ国内のみの売り上げ台数!)超人気車で、2018年現在はシリーズ7代目のマスタングが販売されています。

また、1968年に公開された映画「ブリット」の中で、スティーブン・マックイーン演じる主人公のフランク・ブリットの愛車として登場した1968年式マスタングの現代リメイク版として「2019 フォード・マスタング・ブリット」が発表されたり、6代目で復活したシェルビーGT500を7代目も引き続きデビューさせたりと、最近話題が尽きない1台!

そんなマスタングは発売から1年11ヶ月で100万台を売り上げるという記録も残しています。

ちなみに生産していた年代は違いますが、トヨタのプリウスは同じ100万台を売るのに11年かかっている事を考えると、この記録の驚異的な数字が理解して頂けるのではないでしょうか。

これだけ人気の車である為サードパーティーがとても賑わっており、生産終了から50年以上も経つにも関わらず、数多くのアフターパーツが出回っていて、これらの新品パーツでクルマが1台作れてしまうほど。

 

出典:https://www.cjponyparts.com/dynacorn-complete-body-shell-fastback-1967/p/67FB/

 

例えばCJ Pony Partsというアメリカのサイトでは1967年型のマスタングのホワイトボディーを買うことができ、他にもエンジンブロックからシート、フロアマットまで25000点以上のパーツ販売されています。

ホワイトボディーから丸々新車(設計は50年以上も前だが)を1台を作り上げたり、eBay等のオークションでレストアベースの古い車体を買って直したりと選択肢の幅もかなり豊富。

クラシックカーでここまでパーツが出回ってる車種も珍しく、同じ時期に発売されていたポルシェ911に比べると、アフターパーツの量は圧倒的ということもあって、維持しやすいのではないでしょうか?

更に、初代マスタングは同時期にデビューしたライバル車のカマロと比べても、一番排気量が小さいグレードでは2.8リッターと3リッターを切るのでグレード次第では思いの外、自動車税も安価です。

また、初代マスタングはボディーサイズも小さいため、国土が小さい日本でも運転しやすい大きさだということも付け加えておきましょう。

アメリカ車というとエンジンも車体も大きく、日本には不向きなイメージですが、初代マスタングは例外なのです。

つまり、日本でアメ車のクラシックカーに乗りたいという方には、マスタングが最良の選択肢と言っても過言ではありません。

他にもシトロエン2CVやクラシック・ミニもマスタング同様にボディやアフターパーツが充実していて、これからクラシックカーに乗りたいという方にはオススメです。

 

賢くクラシックカーと暮らす方法

 

出典:https://pixabay.com/ja/

 

1969年式マスタングmach1(5751cc)の場合、毎年の自動車税が101,200円となります。

なぜなら、日本では新規登録から13年を超えてしまうと15%も税金が高くなってしまうからです。

この制度が日本でクラシックカーを乗りづらくしてしまっている最大のハードルであることは、言うまでもありません。

そして、税金が高くなれば必然的に2年に一回の車検の費用も高くなってしまいます。

しかし、アメリカからマスタングを並行輸入して、国内で新規登録すれば、12年間は年間で13,200円だけですが、抑えられるという裏技もあるので、気になる方は詳しく調べてみてくださいね。

 

まとめ

 

 

フォードジャパンが撤退してしまい、新車のマスタングが正規のサポートを受けて乗れなくなってしまった事はとても残念ですが、現行型がディーラーで買えないなら、いっそのこと思い切って初代マスタングに乗ってみる、というのはいかがでしょうか?

自動車を単なる機械として考えるのであれば当然、最新のもの、現行のモデルが最良だと思います。

その反面、高性能なことがイコールで運転する楽しさに繋がっているかと言われれば、そうではない事も。

“ポニーカー”という新たなジャンルを産み出し、現在まで連綿と受け継がれてきた「マスタング」というモデルの礎となった初代マスタングには、なかなか簡単に言葉では言い表せない強烈な魅力があるのです。

それを裏付けるのが流通しているアフターパーツの量や、50年以上に渡り一度もその歴史を途切れさせることなく、フォードのカタログに載り続けているという事実。

時代はどんどんと電気自動車へと進んで行く中で、クラシックカーと気軽に接する事ができる時間というは、もしかしたら今だけなのかもしれません。

 

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