ロータス・エリーゼ/エキシージのチューニングショップとして有名なBSK。現代ロータス車のスペシャリストとして名高い同社代表の小林 輝彦さんにショップの成り立ちや、エリーゼ/エキシージの魅力などを伺って参りました!「まるで等身大のラジコンのようだ。」とその魅力を語る小林さんの本心やBSKと小林さんが目指す理想のロータスについて、詳細に迫ります!
小林さんがロータス屋になるまで
元々、実家が自動車の整備工場だったという小林さんは15歳の頃から整備工場で汗水を流してきた、この道40年近いエキスパート。
そんな小林さんは16歳になるとすぐにバイクの免許を取り、同様に自動車免許もすぐに取得。
最初の愛車はサバンナRX-3だという小林さんは、教習所に通いながらサバンナをイジリ倒し、免許証が交付になる日にはかなりのチューニングカーになっていたのだそうです。
そして20歳の頃までは、自動車の整備をメインで行なっていたのですが、ちょうどこの時期に排ガス規制が施行されたことにより「ただ整備だけをやっているのでは厳しいかもしれない……。」との判断で鈑金塗装を学び、23歳の頃に独立して現在まで続くBSKの礎を築きます。
その後、鈑金塗装などの修理屋さんの下請けをやっていた際の顧客の1人がロータスディーラーを始めたところから、小林さんとロータス車との関わりが生まれる事に。
FRPボディのロータス車の修理などを手がけていく中でノウハウを溜め込み、現在のBSKのスタイルが確立されていきました。
また、1996年頃からはロータス車の修理を請け負うようになると、お客さんは段々と直接小林さんの所に車両を持ち込むようになったそうで、口コミでその噂が広まっていき、次第に『ロータス車ばかり修理するショップ』というようになっていき、現在に至るそうです。
エリーゼはクルマという名のオモチャ
ちょうどロータス・エリーゼのデビューと同時期の1996年ごろから20年以上もロータス車の整備に携わっている小林さんから見た、エリーゼ/エキシージの特徴を訊ねてみました。
「やっぱり、なんといってもシャシーだよね。
アルミニウムのバスタブシャシーは押出し材をふんだんに使い、リベットではなく接着剤を使って組み立てられているので、剛性は高いし、軽い。
これはどちらかというと航空機作りに近い手法で、クルマ造りの業界としては最先端の手法で、革新的なボディだと思った。
この辺はライトウェイトスポーツが得意なイギリスらしいクルマだなって感じだよね。」
そして、そんなシャシーに加えてエンジンもキモであると小林さんは考えます。
「例えばエリーゼもシリーズ1がデビューしてから20年以上が経過して、シリーズ2、シリーズ3と正常進化をしているわけだけれども、そのコンセプトは全くブレてないんですよね。
器として軽量で高剛性なシャシーを用意していて、じゃあそれにどのエンジンを載せようか?って選ぶことができるっていうのが何より面白い所だと思いますね。
更にユーザーの視点になってみると、いきなり大パワー車に乗るのではなく、徐々にエンジンのパワーアップを図ることができます。
自分のスキルに合わせてエンジンをチューンしていくと、ズルズルとロータスの沼にハマっていきますよ(笑)。
ラジコンみたいな感覚で遊べちゃうオモチャなんですよね、ロータスって。」
と、エリーゼ/エキシージの魅力を語る小林さん自身も、別の倉庫に多数のエリーゼシャシーを保有しているそうで、お客さんからのオーダー次第でエンジンを選んだり、ミッションを選んだりすることで現行のラインナップにないエリーゼのコンプリートカーを制作することもBSKでは可能だそう。
「ミッションを持ってきて、セミA/Tのパドルシフト化した2ペダルのロータスも作れますよ!」とのことでした。
モノ作りが大好き
元々、小林さんが自動車整備を始めた頃からやりたかったことが”コンプリートカー制作”だったそうです。
モノ作りが好きだった小林さんは、RUFやAMGのようなコンプリートカーを作りたいな!と密かに思い続けていました。
しかし、自動車屋さんに限らず、仲間や繋がりが増えていく事でチームを作って仕事をこなしていく、ということが独立したての20代の頃はなかなか難しかったのも事実。
モノ作りとは1人で作るものではなく、心意気を共有できた、誰かと一緒に作っていくものなのです。
「自動車の組み立て工場だってそうじゃないですか、1人では作ってないし、それはボクらみたいな小さい町の工場だって同じなんですよ。
まあ、最近の組み立て工場は自動化が進んでいますから、機械にモノを作らせたら全部似たり寄ったりな感じになるけど、ロータスは違います。
決して大量生産に向かない作り方をしているし、だからボクらがやるモノ作りはそうではないんですよ。
ロータスが作るクルマにはどこか人間臭さがはいっているし、ボクらが作りたいモノ作りが目指す所もそこなんですよ。」
BSKでは小林さんが起こしたスケッチを元にスタッフがモデルを作り、オリジナルのボディやシートなどを制作しています。
例えばエリーゼ/エキシージ専用のオリジナルシートは、生地の素材やクッションの厚さを選ぶことも可能。
小林さんの描いたデザインスケッチから始まり、お客さんのイメージと擦り合わせて、個人専用デザインのものを作り上げていく。
BSKではコンプリートカーの制作もそうですし、車両のトータルコーディネートも請け負っています。
中でもサスペンションセッティングが得意だそうで
「ロータスって市販車といいつつも、どちらかというとレーシングカーみたいな生産体制で作られているし、クルマの構造自体もやっぱりレーシングカーに近いんですよね。
だから乗り心地っていう点で言えば、ノーマルは全然良くない。
突き上げは酷いし、実はロールも大きいんです。
だからこそ、わかりやすいセッティングだったり、ロータスっぽいセッティングだったり、その人の好みに応じた十人十色の味付けが必要なのかなって考えています。」
ショップ情報
住所:〒146-0082 東京都大田区池上3-1-8 第二京浜ビル1階
TEL:03-3754-8611
FAX:03-3755-4222
E-mail:sales@bsk96.com
まとめ
今回はロータス・エリーゼ/エキシージのチューニングショップとして有名なBSKと、その代表の小林 輝彦さんにお話を伺って来ました!
記事内でも「コンプリートカーを作るのが夢!」と語ってくれた小林さんですが、現在の夢はメルセデスAMG GTやマクラーレンにも負けないロータスを自分の手で作り上げることだそうです。
構想では、スバルのEJ20エンジンを搭載した5〜600馬力のモンスターエキシージになるのだそう。
是非ともこの目で見てみたいものです。
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