2018年5月19日・20日の2日間、バイクブーム全盛期となる1980年代生まれのマシンを中心に、今では希少車や絶版車と呼ばれるようなレアなバイク達が全速力でサーキットを駆け抜けて接戦を繰り広げる草レースの祭典!”テイストオブツクバ satsuki stage”が開催されました。そこには今年もこだわりの1台を手塩にかけて作り上げた最強マシン達、そして週末レーサー達が大集結!今回は、その中でも気になるこだわりマシン達に注目してみました。

 

©ChikaSakikawa

 

 

テイストオブツクバ(T.O.T)って?

 

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年に2回、5月(皐月ステージ)と11月(神楽月ステージ)に開催される”テイストオブツクバ”は、1980年代に製造された鉄フレーム、空冷エンジン搭載マシンを中心に争われる日本一の草レースです。

開催クラスは排気量やエンジン型式・フレームのタイプなどでレギュレーションが細かく分けられており、その数全部で12カテゴリー!!

そんな開催カテゴリーの詳細については、以前にもご紹介しているので、気になる方は下記過去記事をチェックしてくださいね。

 

そんなT.O.Tに実際に参戦していた気になるマシンをご紹介

 

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モクモクと白煙を吐きながら、暖気される2ストマシンのエンジン音やオイルの焼けるにおい。

古くなったパーツや生産終了となった部品など、メンテナンスするだけでも大変な歴史あるマシンを駆ってサーキットでレースをする。

そんな大変さすら楽しんでしまうテイストオブツクバの参加者達は、いったいどんなこだわりを持ってそのマシンを選んでテイストに参戦しているのでしょうか?

また、参戦し続ける理由はどこにあるのでしょうか。実際にきいてみました。

 

Kawasaki GPX750R

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. ZERO-1

マシン:Kawasaki GPX750R

チーム名:BKライディングスクール来てね

名前:上田 隆仁

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

19年です。

ーーー 今回、参戦マシンにKawasaki GPX750Rを選んだ理由は?

行きつけのバイク屋さんにたまたま下取りで入ってきたので、気に入って購入したから。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

ノーマルのスタイルをできるだけ残したカスタム。

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

いません。

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

和気あいあいと出来るところ。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

全て自分でやっています。

 

Suzuki RG500Γ

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. ZERO-1

マシン:Suzuki RG500Γ

チーム名:GEN,SFac IBスガテック博輪舎

名前:菅田 徹哉

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

2001年~2018年の17年!2008年 ZERO‐2 優勝!2010年 ZEROー1 2位でした。

ーーー 今回、参戦マシンにSuzuki RG500Γを選んだ理由は?

同じくテイストに参戦している、クオリティーワークスの山下さんのガンマに憧れて。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

ひたすらパワーUP!

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

憧れはケビン・シュワンツ!ライバルは同じくテイストに参戦している小山繁樹さん(現在はメカニック)。

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

同じ趣味の仲間がたくさんいる事。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

株式会社 スガテック

 

HONDA VF400Fc

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. ZERO-2

マシン:HONDA VF400Fc Dream号

チーム名:DYNAMIC D.R.with AutoWins

名前:立石 数一

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

23年ぐらい?1992か1993年から出場しています。

ーーー 今回、参戦マシンにHONDA VF400Fcを選んだ理由は?

RZでテイストに出始めた自分を見て、Auto Winsの社長が造ってくれたマシンです。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

メーカーノーマルに見えるようにする事。

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

テイストのZERO-2クラスに出ている人みんな。

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

VF400Fcで参戦できるところ。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

Bike Shop Auto Wins

 

YAMAHA RZ250R

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. ZERO-2

マシン:YAMAHA RZ250R

チーム名:GEN’s Factory IB SHIGETEC YSS

名前:小山 繁樹(マシンオーナー兼メカニック) ライダー:遠藤 健太

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

2004年から出場し続けています。約14年?

ーーー 今回、参戦マシンにYAMAHA RZ250Rを選んだ理由は?

1999年のまだテイストがT.O.TではなくT.O.F(テイストオブフリーランス)と呼ばれていた頃に出場していた先輩の手伝いをした事で、いつか参戦しようと決めていて、2003年からレーサーの製作を開始。

元々RZ250Rで街乗りをしていたので、そのバイクを使いました。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

機能性・整備性重視。

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

ZERO-1に参戦している#77 菅田 徹哉選手 ZERO-2に参戦している#1 立石 数一選手 #4 石川 勝則選手

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

RZで速いライバルに勝つロマン!!

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

全部自分でやってます。

 

YAMAHA R1-Z

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. ZERO-2

マシン:YAMAHA R1-Z

チーム名:チームK&基蔵

名前:山崎 武

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

8年。

ーーー 今回、参戦マシンにYAMAHA R1-Zを選んだ理由は?

5年前に2ストのバイクに乗りたくて探していた時に、ヤフオクで偶然見つけました。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

TZ250 の部品を使っているところ。

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

全日本ロードレース選手権 J-GP3クラスに参戦中の小室旭選手。

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

年寄りでも楽しめるレースであるところ。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

小室旭選手が全て見てくれています。

 

Kawasaki Z1000

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. FORMULA ZERO

マシン:Kawasaki Z1000

チーム名:BF&TeamRASH+大曇電通有限会社

名前:大沼 邦康

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

5年。

ーーー 今回、参戦マシンにKawasaki Z1000を選んだ理由は?

8年前にT.O.Tを観戦しに来た時に、Z1000が出ていたのが出会いです。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

より速く!!

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

テイストオブツクバのHERCULESクラスに参戦している#51 松田 光市選手 #29 山根 光宏選手です。

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

誰でも出れるというところ。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

RASH

 

Kawasaki Z1

 

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参戦クラス:D.O.B.A.R. SUPER MONSTER EVO.

マシン:Kawasaki Z1

チーム名:K’zFACTORY&ASIA

名前:松原 泉

 

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ーーー テイスト歴を教えてください。

22年。

ーーー 今回、参戦マシンにKawasaki Z1000を選んだ理由は?

全日本ロードレース選手権に参戦しているバイクショップRS-ITOHの社長から、「オークションで安かったからZを買っておいたよ!」と言われて、届いたマシンを見ると商品にならないぐらいボロボロだったのでレーサーにする事にした。

ーーー カスタムのこだわりポイントは?

特にないけど、強いて言うなら17インチホイールとの融合。

ーーー 憧れのライダー・ライバルだと思っているライダーは?

テイストオブツクバの同じSUPER MONSTER EVO.クラスに参戦するはずだった、#1上田 隆仁選手。

(今回は ZERO-1クラスに参戦。)

ーーー テイストの面白さってどういうところですか?

いろいろなマシンが混走で走るので楽しい。

ーーー マシンのメンテナンスやカスタムを任せているショップはありますか?

K’z FACTORY

 

有名ライダーの参戦も!!!

 

加賀山 就臣選手 / ©ChikaSakikawa

 

アットホームで、誰でも出れる。

そんな和気あいあいとした印象が強いT.O.Tですが、HERCULESクラスには国際A級ライセンスを持つライダーも参加可能なため、職業レーシングライダーと言っても過言ではない日本のトップで活躍する有名ライダーが参戦する事も!!

そして、今回一番注目を集めていたのは全日本ロードレース選手権JSB1000クラスで活躍中の加賀山 就臣選手。

SUZUKI 刀1000RにGSX-R1000ベースのエンジンを搭載したモンスターマシンで堂々の優勝という、驚くべき走りを見せてくれました。

 

國川 浩道選手 / ©ChikaSakikawa

 

そして、今年はspeedheart TTS Racingから鈴鹿8耐への参戦も決定している國川 浩道選手の姿も。

決勝レースは残念ながらマシントラブルで無念のリタイアとなるも、公式予選では断トツのトップタイムでポールポジションを獲得!

残り2周のところまで加賀山選手と抜きつ抜かれつの接戦を繰り広げ、日本トップレベルのバトルを見せてくれました。

 

新庄 雅浩選手 / ©ChikaSakikawa

 

そして、国際A級ライダーがもう1人。

同じく鈴鹿8耐にKRP三陽工業&RS-ITOH with VISSEL KOBEからの参戦が決定している新庄 雅浩選手も、HERCULESクラスでの4連覇をかけて参戦。

加賀山選手、國川選手との激しいバトルを展開するも、加賀山選手に一歩及ず2位という悔しい結果となりました。

 

まとめ

 

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趣味はサーキットを走る事!そんなサンデーライダー達が、こだわりのマシンで和気あいあいと速さを競い合う日本一の草レース”テイストオブツクバ”。

そして日本のトップライダー達が古いバイクを作り込み、普段見せてくれる最新技術を詰め込んだ最先端マシンでの限界バトルとは違ったハイレベルな戦いを繰り広げる”T.O.T”。

いろいろな楽しみ方があるからこそ参加者も観戦者もみんなが楽しめて、その盛り上がりと人気はかなりのもの。

そんなテイストオブツクバ の次回、神楽月stageは11月10・11日。

バイクレース全盛期とも言える時代の、昭和感溢れるレースを是非1度体感してみてはいかがでしょうか?

 

次のページでは、テイストオブツクバの雰囲気を写真でご紹介します。