カワサキNinja H2/H2 Carbon/H2Rがモデルチェンジ!当初H2/H2Rが登場したときは、スーパーチャージャーを搭載し、
H2が
200馬力、H2Rが300馬力を発揮し誰をも驚愕させました。しかし、今回のモデルチェンジでは、さらに馬力をアップ!完成度を増した新型Ninja H2/H2 Carbon/H2Rの変更点やスペックをご紹介します。
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最高出力は、231馬力!モデルチェンジでカワサキ・Ninja H2がパワーアップ
カワサキは、過給機にスーパーチャージャーを搭載したハイパワースポーツバイク Ninja H2とNinja H2 Carbon、サーキットモデルのNinja H2Rの2019年モデルを発売しました。
2019年モデルはフルモデルチェンジとまでいきませんが、従来モデルから多くの部分で大幅な変更が成され、ビッグマイナーチェンジといったところ。
変更点で注目するべきは、公道走行可能なNinja H2/H2 Carbonの大幅な馬力アップ!
そして最新のブレーキキャリパーやハイグリップタイヤが装着された事や、外装に新しい塗装技術が導入され、高級感を向上させた事。
カワサキのフラグシップモデルとして、堂々たる出で立ちに生まれ変わりました。
カワサキの開発者やテストライダーで結成されたチーム『Team 38』は、2018年8月11日から17日にかけて開催されたボンネビルスピードウィークのP-PB 1000クラスにカワサキNinja H2で参戦。
P-PB 1000クラスは1000㏄までの過給エンジンを搭載した市販モデルで競われるクラスで、改造範囲は狭く限定されています。
その大会でTeam38のNinja H2は8月14日に時速340.571km、続く8月15日に時速333.557kmをマークし、2日間の平均となる記録337.064kmを樹立。
これは世界記録に認定され、2019年モデルのNinja H2は、ほぼノーマルに近い状態でも余裕で時速300kmを超えられる、驚愕の性能をもつバイクである事を証明しました。
カワサキ・Ninja H2/H2 Carbon/H2Rとは
カワサキ Ninja H2は、過給機のスーパーチャージャーを搭載した公道走行可能なハイパワースポーツバイクです。
そして、Ninja H2 Carbonはアッパーカウルにカーボン製のアッパーカウルを装着した上級モデル。
また、Ninja H2RはH2をさらにパワーアップさせたサーキット専用モデルという位置付けとなっています。
偉大な名車を祖先に持つNinja H2シリーズ
H2のネーミングは1972年に発売されたカワサキ H2マッハⅣから命名されました。
そんなカワサキ H2マッハⅣは2ストローク750ccのエンジンを搭載し、当時は公道走行可能なモデルで最も速いバイクとされていました。
また、H2マッハⅣをベースに開発された市販レーサー『H2R』はアメリカのレースを中心に大活躍!
Ninja H2/H2Rは偉大なバイクの名が継承された、カワサキのフラグシップモデルです。
しかし、偉大なバイクの後継モデルとされても、H2マッハⅣと市販レーサーH2Rに搭載された2ストロークエンジンは排ガス規制のため生産不可能。
その代わりに強烈な加速感を実現させたのが、スーパーチャージャーの搭載でした。
世界中のバイクメーカーから登場したモデルの中に、ターボチャージャーを搭載したモデルは存在していましたが、スーパーチャージャーを搭載したのはH2/H2Rが初めて。
しかも、カワサキにとって1982年発表の『750ターボ』以来、過給機を搭載したモデルは存在しなかったため、Ninja H2/H2Rの開発は全くのゼロからのスタートでした。
それでもカワサキはバイクの製造だけでなく、航空機・鉄道車両・船舶などの輸送機器、その他機械装置を製造する総合重機械製造企業であるため、開発にはバイク部門以外にもさまざまな部門が参加しています。
例えば搭載されているスーパーチャージャー付きエンジンは、技術開発本部が航空宇宙部門とガスタービン 機械部門と共同で開発。
強烈なパワーを受け止める骨格であるクロモリパイプフレームは、カワサキが得意とする産業ロボット溶接機による高い精度の溶接が施されています。
また、アッパーカウル下のラムエア開口部下部に装備されたチンスポイラーは、航空宇宙部門が持っている技術が応用されており、超高速走行でも空力面で車体の安定性が重視しされる設計となっています。
このように、カワサキグループが一団となって生み出したNinja H2は200馬力を発揮し、H2Rは300馬力と時速400km/hにも達するスピードを実現しました。
新型Ninja H2/H2 Carbon/H2Rになって何が変わった?
新型Ninja H2は、カワサキが今年3月1日に発売した大型ツアラーモデル『Ninja H2 SX』で得た技術を多く共有したことで利便性を向上し、さらに従来モデルからのパワーアップも図られています。
カワサキ・Ninja H2 SXとは
カワサキ Ninja H2 SXとは、H2をベースに作られたツアラーバイクです。
従来のH2にはなかったアンダーカウルやアッパーカウルに大型化されたスクリーンを装備。
H2はシングルシートカウルでしたが、Ninja H2 SXにはタンデムシートが装備され、ハンドル位置も若干高めに設定。
パワートレインは、Ninja H2にはなかった『バランス型スーパーチャージドエンジン』を搭載しています。
これは、従来のNinja H2のエンジンを低中速回転域でパワーを発揮するよう味付けされたもので、多くの電子制御で操作性や安全性を向上。
しかも最高出力は従来型H2と同じ200馬力を発揮し、ツアラーモデルとはいえスズキ 隼(はやぶさ)やカワサキ ZZR1400よりもパワフルで過激なバイクとなっています。
カワサキ・Ninja H2は31馬力アップ!
エンジンには、Ninja H2 SXのバランス型スーパーチャージドエンジンの開発で得たノウハウを活かし、エアフィルター、インテークチャンバー、スパークプラグなどをNinja H2 SXと共通にしてパワーを引き出すためのエンジン効率をアップ。
これにより、最高出力は231馬力までパワーアップを果たしています。
最新のブレンボ製ブレーキキャリパー『Stylema®』を採用
ブレーキキャリパーは従来のブレンボ製と変更はありませんが、モデルが最新の『Stylema®』というキャリパーになっています。
これは、ドゥカティ パニガーレV4にも採用されており、従来のものと比較してピストンやブレーキパッド周りがスリム化されていて、7%もの重量削減を果たしています。
また、ピストン周りの空冷用スペースを増やして空気が中央ブリッジへ流れ出やすいデザインにして、ブレーキの空冷性も大幅にアップしています。
タイヤはブリヂストンの最新ハイグリップタイヤ
タイヤメーカーのブリヂストンは、今年の8月31日に新型Ninja H2/H2 Carbonの新車装着用タイヤに、最新の『BATTLAX RACING STREET RS11』(以下:RS11)を納入していることを発表しました。
新型Ninja H2/H2 Carbonの純正タイヤとして標準装備されたRS11は、従来のBATTLAX RACING STREET RS10(以下:RS10)の後継モデルとされ、ドライコンディションでの高いハンドリング性能とグリップ性能、安定性を実現したプレミアムハイグリップタイヤです。
RS10はホンダ CBR1000RR SP、ヤマハ YZF-R1/R1M、スズキ GSX-R1000/Rに標準装着されていますが、RS11が装着されたのは新型Ninja H2/H2 Carbonが初。
単体での価格はまだ公開されていませんが、RS10ではNinja H2と同じタイヤサイズであればフロントで約2万円、リアで約3万5千円するような高額タイヤのため、RS11も同価格帯、もしくはそれ以上の価格で販売されるとみられています。
スマートフォン接続機能を採用
新型には、スマートフォンとバイクをBluetooth機能で相互通信させる機能が採用されました。
スマートフォンに『RIDEOLOGY THE APP』というアプリをインストールすれば、スマートフォンから車両情報や走行ルートを確認することができ、スマートフォンの電話やメール着信は、新型Ninja H2/H2 Carbonのメーター内に表示され確認することができます。
メーターパネルにフルカラーのTFT液晶スクリーンを装備
Kawasaki(カワサキ) Ninja H2 SX SE スーパチャージャーツアラーの美しすぎるメーターに惚れた!
キレイなTFT液晶とアナログタコメーター!
詳細こちらhttps://t.co/8Z6vvlwTnP pic.twitter.com/phC6M5S2LZ— モーターサイクルナビゲーター (@motorcycle_navi) 2017年11月7日
新型Ninja H2/H2 Carbonのメーターは、アナログ式の回転数メーターと、右隣にフルカラーTFT液晶スクリーンが装備されています。
TFT液晶モニターはクルマのメーターに採用されることが多いのですが、バイクではまだ珍しく、クリアな画面で視認性に優れ、スクロール可能なマルチファンクションウィンドウと表示モード選択機能(4モード)を用意。
また、過給圧/スロットル開度/ブレーキ効力/前後加速度などライダーの好みで表示内容を選択でき、この辺りは新型Ninja H2/H2 Carbonならではのメーター装備です。
外装にハイリーデュラブルペイント
新型Ninja H2/H2 Carbonの外装はハイリーデュラブルペイントで塗装されています。
これはすでにNinja H2 SXやZX-10Rにも採用されている、ミラーコートカラーを自己修正する特殊コーティング塗装。
そして新型Ninja H2ならではの光沢ある美しさは、最新の塗装技術で美しさをより長持ちさせることを可能にしています。
なお、ハイリーデュラブルペイントでコーティングが元の状態に戻るには1週間以上かかる場合があり、コイン、キー、ファスナーによる傷は元の状態に戻らない場合もあるので注意が必要です。
サーキットモデルNinja H2Rの変更点は
2019年モデルのNinja H2Rは、H2/H2 Carbonと同じくブレンボ製Stylema®モノブロックブレーキキャリパーを装備していることが発表されています。
しかし、それ以外の変更点は明かされておらず、H2Rはブレーキの変更以外にも、まだ明らかにされていないところが多数存在するはず!
今後のカワサキの発表に注目が集まります。
カワサキ・Ninja H2/H2 Carbon/H2Rのスペック
Ninja H2/H2 Carbon | Ninja H2R | ||
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,085×770×1,125 | 2,070×850×1,160 | |
シート高(mm) | 825 | 830 | |
軸間(mm) | 1,455 | 1,450 | |
車両重量(kg) | 238 | 216 | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ | |
総排気量(cc) | 998 | 998 | |
内径×行程(mm) | 76.0×55.0 | 76.0×55.0 | |
圧縮比 | 8.5:1 | 8.3:1 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 通常時 | 170[231]/11,500 | 228[310]/14,000 |
ラムエア時 | 178.5[242]/11,500 | 240[326]/14,000 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 141.7[14.4]/11,000 | 118[12.1]/10,500 | |
始動方式 | セルフ式 | セルフ式 | |
燃料タンク容量(L) | 17 | 17 | |
変速機 | 常噛6段リターン | 常噛6段リターン | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W | 120/600R17 |
後 | 200/55ZR17M/C 78W | 190/650R17 |
まとめ
Ninja H2/H2 Carbon/H2Rの導入予定国は、欧州、カナダ、アメリカ、オーストラリア、インドネシア、タイ、フィリピンなど。
さらに、なんと日本も導入予定国の一つに入っています。
国内カワサキ公式サイトにはH2Rのみが掲載されていますが、近いうちに2019年モデルのH2/H2R国内仕様が登場するはず!
カワサキの欧州サイトでは既に2019年モデルがラインナップされており、2019年モデルのNinja H2で26,499ユーロ(約352万円)、Ninja H2 Carbonで28,999ユーロ(約385万円)。
2018年モデルの国内販売は、Ninja H2でメーカー希望小売価格3,024,000円、Ninja H2 Carbonで3,348,000円だったので、2019年モデルは高額パーツや新しい塗装技術を導入したことで、2018年モデルより多少は高額になるかもしれません。
国内の排ガス規制上、フルパワー化は難しいかもしれませんが、どのような仕様で国内に適応させるのか、今後の動向に目が離せません!
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